膝半月板損傷にも再生医療の光が!

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膝半月板損傷にも再生医療の光が!

膝半月板損傷の概要

膝半月板とは、膝の関節の内側と外側に1個ずつあります。半月という名前ですが、実際は三日月を少し太くしたようなもので、三日月の開口部が膝の中心を向いて位置しています。

膝は人間の体重を支える重要な関節であり、片足に体重の10倍以上の負荷がかかることがあると言われています。そのような大きな負荷が膝の一箇所だけにかかってしまうと膝がすぐに壊れてしまいますので、それを避けるために半月板が存在します。半月板はその負荷を分散させる働きと、衝撃を和らげるクッションとしての働きを持っています。

 

膝半月板損傷の症状

膝半月板を損傷すると、元々半月板が持っていた機能が低下するために痛みがでてきますが、色々な症状があります。代表的なものとしては、膝に力が入らない、膝が何かにひっかかったように痛い、膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング現象)、膝の関節が腫れている、膝の痛みが継続しているというものがあります。

膝の曲げ伸ばしができないロッキング現象という状態は、損傷によって部分的に剥がれた半月板が、何かのタイミングで関節に挟まって引き起こされる状態です。ロッキング現象には歩くことができないくらいの激痛が伴うこともありますが、その挟まった半月板のかけらが何かのタイミングで自然に取れることもあります。すぐに半月板のかけらが取れる状態のことを、偽ロッキングやキャッチングと呼んでおります。この症状はタナ障害や膝蓋大腿関節不適合症候群とよばれる症状とよく似ており、注意して診断する必要があります。

膝半月板損傷 整形外科

膝半月板損傷の原因

急激に膝を動かす、無理な状態で膝を酷使する、膝を強く打ちつけたといった場合には、吸収することができないほどの負荷が膝にかかることがあり、その場合に半月板が欠けたり、裂ける事があります。

多くの場合は運動中の膝のケガが原因です。膝半月板損傷を引き起こしやすいスポーツとして、バスケットボール、野球、バレーボール、テニス、サッカーラグビー、スキー、格闘技などがあります。

例えば、ラグビーやサッカーでは、走りながら急に方向を変えることがあり、急激な動きによって損傷が起こります。野球のキャッチャーは膝を深く曲げて座っていますが、ボールを投げる際には膝を急激に伸ばします。これを繰り返すことによって半月板の損傷が起こると言われております。

膝半月板損傷は若い世代でスポーツをしている人に多いケガで、外部からの衝撃に伴うことが多いですが、高齢者にも認められます。その原因は加齢による膝半月板の老化、長年に渡る負荷が原因です。長い時間をかけて損傷が引き起こされるため、痛みなどの症状が急激にでることはなく、何となく痛むといった症状が多いのが特徴です。

損傷の仕方によって、変性断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂というように分類され、損傷の状態にもよりますが、治療せずにそのまま放置しておくと、さらに関節軟骨を痛めてしまい、さらに症状がひどくなることがあります。

また、膝の内と外に2個ある半月板のどちらが損傷したのかによっても治療方法が異なります。診断は痛みの特徴や関節の動きを確認することでも可能ですが、最終的にはX線やMRIなどの画像検査を用いて確定診断を行います。

 

膝半月板損傷 整形外科

 膝半月板損傷の治療法

基本的に膝を極力使用しないように安静を保つことが重要です。治療方法はその損傷の程度によって適切な治療方法が選択されます。

1.保存療法

破損が軽度、症状も軽症の場合は、サポーターやテーピングなどを用いて膝を補強・固定する、膝を温めるという治療が行われます。また損傷の初期では膝関節内に関節液がたまることがありますので、注射器を用いて関節液を吸い出す治療や、局所麻酔薬や消炎鎮痛剤などの痛み止めを使用する治療方法もあります。

最近よく行われている治療法としては、ヒアルロン酸を関節内に注入するという治療方法です。ヒアルロン酸は膝関節軟骨の成分でもあり、膝との相性が非常に良いのが特徴です。性質はドロっとした液体であることから、水分を多く含んでおり、膝関節内に注入することで関節のすべりを良くする潤滑油としての働きや、半月板とともにクッションの働きをして効果を発揮します。ヒアルロン酸には軟骨を再生する効果はないため、継続的に注入を行う必要があり、通常は1週間に1回注入を行います。

最近では2014年にアメリカで「モノビスク」という医薬品が承認されています。従来のヒアルロン酸を加工したものであり、即効性と持続性を高めたものです。注入直後から痛みの軽減が感じられるといわれており、1回の注入で約6ヶ月間効果が持続するというものです。しかし、日本では厚生労働省から承認を受けておりませんので、健康保険が適用されないため、自由診療(費用はすべて患者さんが負担)となります。

2.外科療法(手術)

ロッキング現象や繰り返しの半月板損傷、持続する痛み、頻繁に膝に水が貯まるといった症状がある場合には手術を行います。半月板には血管がほとんど通っていないため、手術で縫い合わせても元通りにくっつくことはありません。それでも縫合する場合と、部分的に損傷してしまっている場合に、その破片を取り除いたり、損傷している箇所を部分的に切除する方法があります。

縫合する場合には、元通りとはいかないものの、出来る限り膝半月板の機能を残すことができます。そのぶん、元通りに歩けるようになるまでに時間がかかるというデメリットがあります。一方で、部分切除をする場合には、軟骨破壊や変形性膝関節症のリスクが高まる代わりに、早期の復帰が見込めます。スポーツ選手などは特に自身の今後のキャリアを見据えてどちらの手術を行うのか、という選択を迫られます。

なお、最近の手術方法はほぼ膝関節鏡手術で行われています。膝関節鏡手術とは膝関節の周辺に2~3個の小さな穴を開けて、関節内を生理食塩水で満たします。光ファイバーと小さな高性能がついた内視鏡をその穴から挿入し、患部をモニターで確認しながら関節内で行う手術のことです。

皮膚を切り開いて行う従来の手術との違いですが、生理食塩水を流しながら行うため細菌感染を起こしにくい、患部が小さいため、痛みが少なく患者さんの負担が少ないという利点があります。穴を2~3個開けるだけであるため、皮膚を切り開くより見た目がきれいということも大きな利点です。

 

膝半月板損傷の最新治療

膝半月板はほとんど血管が通っていないため、手術してもくっつくことはありませんし、再生することもありません。しかし、今注目を集めている再生医療で半月板の再生に成功したという報告があります。

膝には滑膜というものがありますが、これをごく少量取り出して2週間培養し細胞を増やします。その後培養した細胞を半月板の欠けた部分に置くというものです。置いた後10分後には60%くらいの細胞が半月板に付着するため、それで手術は終了となります。2ヶ月にMRIなどで膝を確認したところ、半月板の再生が確認できたと東京医科歯科大学から報告されています。今はその他の研究施設でも研究が行われており、数年後には実用化されることが期待されています。

 

 

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