睡眠時無呼吸症候群の70%以上が肥満!

睡眠時無呼吸症候群の70%以上が肥満!

睡眠時無呼吸症候群の治療

まずは生活習慣の改善

睡眠時無呼吸症候群は呼吸器内科の対応する疾患ですが、いきなり器具による治療や薬を飲んだりするわけではありません。まずは生活習慣の改善から始まります。具体的には、体重の減量・飲酒制限・精神安定剤や睡眠導入剤の服用制限・禁煙です。これらの中で何かが原因になっているものがあれば積極的に改善する必要があります。

日本の睡眠時無呼吸症候群患者数の約70%に、BMI(Body Mass Index)25[kg/m2]以上の肥満傾向が認められます。実際、肥満は睡眠時無呼吸症候群の重要なリスクファクターです。肥満があると、上気道周辺の軟部組織量が増え、気道が解剖学的に狭窄してしまうからです。肥満には、中心性肥満と臀・下腿肥満がありますが、睡眠時無呼吸症候群の場合の肥満型は、中心性肥満です。中心性肥満は内蔵脂肪蓄積型肥満とも言われ、この点からも、減量・食習慣の改善が重要となってきます。

また、精神安定剤や睡眠導入剤の副作用による咽頭気道の狭窄に対しては、これら薬剤の服用制限や変更が必要となってきます。

そして経鼻的持続陽圧呼吸療法nasal CPAP

次に、物理的に気道が狭くならないようにする治療法に経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)というものがあります。CPAPとは、鼻マスクを装着し、ブロアーから加圧した一定の送気圧を気道にかけることにより、睡眠中の上気道閉塞を防止する呼吸療法です。

この治療法の導入には、終夜睡眠ポリグラフィー検査が必要です。睡眠ポリグラフィー検査とは、睡眠の状態を全体的に調べる検査です。入院し、脳波や心電図、胸部の動き、血中の酸素量などの検査端子を体に取り付けて実際に一晩寝て、その間の様々な体の様子を観察する検査になります。寝ているだけで検査が終了するので、痛みはありません。睡眠ポリグラフィー検査をしてみて、下記の様子が確認されると、CPAPの出番です。

  1. 無呼吸低呼吸指数(1時間あたりの無呼吸数および低呼吸指数が20以上)
  2. 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している
  3. 終夜睡眠ポリグラフィー検査にて、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の分断化、深睡眠の著しい減少、または欠如し、持続

上記の1から3のすべての基準に該当する場合がCPAPの適応となります。

CPAPを実施すると、上気道が陽圧となり上気道部を加圧刺激し、上気道開大筋を収縮させる効果が生まれ、呼吸が止まりにくくなります。

しかし、こちらの治療法は基本的に対症療法で、完治は望めません。また残念ながら副作用があります。具体的には、目の乾き・不快感・騒音(装置の作動音)・皮膚炎・口腔や咽頭の乾燥感・鼻閉や鼻出血・歯の移動などです。

口腔内装置

これは、一種のマウスピースです。上下の歯にマウスピースを装着して、下顎を前方に牽引した状態で固定するというものです。下顎を前方に牽引することで、咽頭気道部の空隙を拡大させること期待します。

適応する症状は、習慣性のいびき症や、中等度までの閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。CPAPが使えない場合など、重度の場合でも適応となることがあります。ただ、適応についていくつかの問題点があります。一つは、肥満患者にはあまり有効でないことです。特にBMIが24以上になってくると厳しい様です。ほか、高いCPAP圧が必要な患者や、高齢者や顎自体が大きな患者にも効果が少ない様です。言いかえれば、肥満ではない患者や若年者、小顎症の患者には有効といえます。また、歯に装着するものですから、歯が少ない人には使えません。そして、子供の場合は適応できません。

この装置を使用するときには、下顎をどの位置に持ってくるのかが、口腔内装置の成功の鍵となります。下顎の位置は最大移動量の70%を目安にセットします。

口腔内装置が完成した後は、再検査してその効果を確かめる必要があります。残念ながら、口腔内装置にも副作用があります。具体的には、顎関節への悪影響や、歯や歯周組織の痛み、歯並びが歪んでくるなどです。

 

睡眠時無呼吸症候群への新しいアプローチ

現在、口腔内装置の新しい取り組みとして、上下が分離したタイプが開発されています。これは改良型の口腔内装置といえるかもしれません。 保健適応となる口腔内装置は上の歯につけるマウスピースと下の歯につけるマウスピースが一体化したものです。上下のマウスピースを分離させることで、下顎への負担を軽減させ、違和感を低減することができます。また、顎関節への影響も軽くなります。

また、CPAPや口腔内装置ではなく、矯正歯科からのアプローチもあります。下顎が小さい場合、咽頭気道部が狭窄することが多いのですが、その場合は大抵上顎前突という受け口の逆の状態になっています。そこで、歯列不正を治す矯正歯科治療を応用して、下顎を前方へ持っていくのです。これは、顎変形症の手術を応用して行ないますので、患者の受ける負担や侵襲が非常に大きくなるのですが、対症療法なるCPAPや口腔内装置の方法とは異なり、解剖学的に咽頭気道を拡大しますので、継続的にに効果が期待できます。

 

 

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