鼠径ヘルニアの治療は小児外科専門医を受診するのがオススメ

鼠径ヘルニアの治療は小児外科専門医を受診するのがオススメ

鼠径ヘルニアの検査

鼠径ヘルニアになると太ももの付け根あたりに腫れやしこりができ、膨らんでいるので目で診る(視診)だけでほとんど診断することができますが、立ったり、足を伸ばしたりするとわかりやすくなります。また、触れると(触診)、小腸などの柔らかい内臓がグニュッとしたり、小指の先ほどのコロッとした卵巣を触れることもあります。

さらに、超音波検査をすると、鼠径部から飛び出しているものがどんな臓器かを把握することもできます。

 

鼠径ヘルニアの治療

鼠径ヘルニアの治療は、ヘルニア嚢(のう)と呼ばれるヘルニアが飛び出している袋状の根元の部分を糸で縛る結紮(けっさつ)を行う手術が基本です。手術は従来から行われているお腹に小さな切開をいれて直接、縛る方法と近年、増加している腹腔鏡という内視鏡を使った方法があります。

予定手術と緊急手術

手術方法はお子さんの年齢や病院の治療方針などによって決定されますが、ほとんどは予め手術の日程を決めて行う予定手術です。たとえば、鼠径ヘルニアの膨らみを指で押さえると飛び出した臓器が元に戻り、一時的に膨らみがなくなることもあります。痛みもなく、膨らみが戻るような場合には経過をみてよいことが多く、手術を急ぐ必要はないでしょう。

しかし、ヘルニア嵌頓(かんとん)と呼ばれるヘルニアの根元が締め付けられて元に戻らなくなったときは緊急手術が必要です。嵌頓を起こすと血液が十分に流れず飛び出した腸管などが死んでしまう壊死(えし)を起こし、壊死した部分を切除しなければならいなど最悪の場合は命にもかかわる危険性があります。

そのため、鼠径ヘルニアは放置せずに念のため病院で診てもらい、手術の必要性や実施時期について医師に相談することをお勧めします。

 

鼠径ヘルニアの手術方法

・鼠径ヘルニアのPotts法

Potts(ポッツ)法は1~2cmほどお腹を切り、袋状になったヘルニア嚢の根元を縛って内臓が飛び出さないようにする手術で、従来からある手術法です。男の子は手術に20~30分ほどかかりますが、女の子の場合は15~20分ほどで終わります。

お腹を切るというと傷跡が心配になるかもしれません。しかし、下腹部のシワに沿って切開を入れ、傷も2cmほどの大きさためほとんど目立たなくなります。

手術は生後6か月以上のお子さんで、けいれんや喘息などの合併症がなければ日帰り手術も可能です。退院後は鉄棒のような傷口に負担がかかることや激しい運動などを避けるようにしましょう。しかし、日常生活については普段のように過ごすことができます。

・鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術 LPEC法

腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は最近、実施する病院が増えている手術法でLPEC法(Laparoscopic Percutaneous Extraperitoneal Closure:エルペック法)と呼ぶこともあります。

手術はお腹に3か所ほど小さな切開を入れて、腹腔鏡でお腹の中を拡大して見ながら行う手術です。内臓が飛び出て袋状になっているヘルニア嚢の根元を糸で縛り、内臓が出てこないようにします。

鼠径ヘルニアのうち、片方に症状がある場合、もう片方にもヘルニアが起こることがあり、5~10%ほど、10~20人に1人の割合です。しかし、腫れなどの症状がない場合は手術前に診断するのは難しいため、従来のPotts法では反対側が発症してから二回目の手術を行っていました。

しかし、LPEC法では左右のヘルニアを確認できるため、反対側の手術も同時に行えることがメリットです。さらに、腹腔鏡で行う場合、Potts法に比べると手術時間は長くなりますが、お腹の傷が0.1~0.5cm程度と小さいため痛みも少なく、目立ちにくいなどの利点があります。入院期間もほとんどが2泊3日程度です。

なお、大人の鼠径ヘルニアの場合、「メッシュシート」と呼ばれる人工素材で臓器が飛び出した孔を塞ぐ手術法も選択できるようになりました。しかし、小児の治療では行われていません。

 

鼠径ヘルニアの手術を受けるために小児外科専門医を探そう

鼠径ヘルニアの手術は、比較的、簡単な手術と誤解されることがありますが、2005年、鼠径ヘルニアの手術で膀胱を切除してしまうといった医療ミスが報告されました。新生児をはじめ、乳児の内臓は、組織が非常に薄く、もろくて傷つきやすいのが特徴です。また、ヘルニアが巨大になった場合には、たとえ年長のお子さんでも難しい手術になることがあります。

小児外科の専門医は人数が多くないです。しかし、可能な限り、専門的な知識と確かなスキル、そして多くの臨床経験をもつ専門医を探して手術を受けることをお勧めします。

 

 

 

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