尿路結石はレーザーや衝撃波で砕くこともできます!

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[投稿日] '16/07/14 [最終更新日] '18/03/18 985views
尿路結石はレーザーや衝撃波で砕くこともできます!

尿路結石症の治療法

尿路結石症の治療は、大きく保存療法・内服療法・手術療法に分けられます。

保存療法

5mm程度までの小さな結石であれば、自然に尿と一緒に排泄される可能性が高いため、水分を多く摂るなどして様子を見ます。痛みが強ければ鎮痛剤が処方されます。また、尿を出やすくする内服薬が処方されることもあります。

内服療法

尿中の成分などが異常で結石が作られやすいと考えられる場合には内服薬が処方されます。尿が酸性の場合にはクエン酸製剤、尿酸が高い場合はアロプリノール、高カルシウム尿の場合はサイアザイドなどが処方されます。また、シュウ酸カルシウムが作られるのを予防するためにマグネシウム製剤が処方されることもあります。内服療法は単独ではなく、他の治療と併用されることが多いです。

手術療法

尿路結石症の手術療法は、ほとんどの場合メスを使わずに行われており、衝撃波を用いたものか、内視鏡を用いたものに分類されます。

衝撃波を用いた手術
「体外衝撃波砕石術(ESWL)」と呼ばれ、主に腎結石か腎臓に近い尿管結石の場合に行われます。衝撃波を体内の結石に焦点を合わせて当てることによって結石を砕くもので、砕かれて砂状になった結石は尿とともに自然に排泄されます。

ESWLを行う際にはレントゲン撮影をしながら結石の位置を把握して衝撃波が結石に当たるよう狙いを定めます。皮膚が赤くかぶれたようになることが時々あるほか、チクチクとした痛みを伴うことがありますが、強い痛みが起こることはほとんどなく、通常は麻酔を用いることもありません。念のため、手術前に注射や座薬の鎮痛剤を用いるのが一般的です。体に与える負担が少ないため、高齢者など体力がない人にも用いられますが、1回の実施で必ず砕けるとは限らず、数回受ける必要がある場合もあります。大きな結石の場合は砕いても尿管に詰まることがあるため、尿管にステントと呼ばれる管を入れて尿の通り道を確保することがあります。

内視鏡を用いた手術
「経尿道的尿管砕石術(TUL)」と「経皮的腎(尿管)砕石術(PNL)」があります。

TULは主にESWLでの破砕が難しい位置にある尿管結石や、ESWL後に砕いた結石が尿管に詰まってしまった場合に行われます。尿道から尿管鏡という内視鏡を挿入し、超音波やレーザーによって結石を砕いて摘出します。下半身の麻酔か全身麻酔をかけて行います。術後に尿道カテーテルを数日間留置することがありますが、体に負担の少ない手術です。

PNLは主に大きな結石や、もともと尿管が狭くなっていて自然と排出されることが期待できない結石の場合に行われます。まず、尿道から尿管へカテーテルを挿入して腎臓でバルーン(風船)を膨らませることで腎臓を広げます。背中を1~2cm程度切り開いて穴(腎ろう)をあけ、腎臓まで内視鏡を通して超音波やレーザーなどで砕くか、直接結石を摘まんで取り出します。主に全身麻酔か局所麻酔をかけて行います。術後は数日間、腎ろうにカテーテルを留置します。腎臓には血管が多くあるため出血が止まらなくなることが稀にあり、輸血を必要とすることがあります。確実に治療できますが、他の手術に比べて体に負担の大きい手術です。

 

尿路結石症の最新治療

TULの進化型としてf-TULという術式が広く行われるようになってきています。従来のTULは真っ直ぐで硬い尿管鏡を使用しているため、蛇行している尿管や腎臓の奥までは届きませんでした。それに対し、f-TULでは軟らかい尿管鏡を使用するために尿管をスムーズに通り腎臓の奥まで届き、結石を砕くことができます。砕いた結石はバスケットと呼ばれるカテーテルで回収し、なるべく体内に残らないようにしている施設が多いようです。比較的大きかったり硬い結石や、感染を伴う場合、尿管が狭くなっている場合などに行われます。

また、細く、より破砕効果の高いレーザーを使用する施設も増えており、治療効果を上げています。ただし、結石の大きさや形状によっては1度の治療では砕ききれないことがあるため、複数回TULやf-TULを受けるか、他の手術を併用することになります。また、全身麻酔が必要なことや、使用する器具が多く手技が難しいため尿管に損傷を起こす可能性があることなどのデメリットもあります。

 

 

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