小児てんかんは発作型によって治療が異なるため名医の的確な診断を受けましょう

小児てんかんは発作型によって治療が異なるため名医の的確な診断を受けましょう

小児てんかんの診断

てんかんの場合、てんかん発作が起こったときの様子などをていねいに確認する問診をはじめ、脳波や画像の検査結果から診断を行います。てんかんの発作は、外来の診察のときに起こることは極めて少ないため、医師は発作の様子を見ていた家族から状況を聞くことがほとんどです。

そのため、発作を起こしたときの様子を予めメモしておくことをお勧めします。たとえば、発作の起きた時間や状況、発作の持続時間、けいれんが始まったのは身体のどの部分からか、手足がガクガクしたか、意識があったかなどです。また、発作の前後の様子として、発作前に誘因となるものがあったか、発作後はどんな様子だったか、寝てしまったか、フラフラと歩き回ったかなどを書き留めておくとよいでしょう。

ただ、発作の状況を言葉で伝えることは容易ではないので、ビデオで撮影して医師に確認してもらうことを勧める意見もあります。

他の病気との区別が重要

てんかんは脳の異常な興奮で発作が起こる慢性の脳の病気ですが、などでもてんかん発作に似た症状はパニック発作や失神でも現れることがあります。そのため、現れている症状がてんかんによるものなのか、違う病気によるものかの鑑別が重要です。

 

小児てんかんの治療

てんかんは発作を起こしている部位を外科的に切除することもありますが、てんかん発作を抑える「抗てんかん薬」で治療するのが基本です。てんかんの治療はてんかん発作をはじめ、精神症状や薬の副作用をできるだけ抑え、生活のしにくさを少なくすることを目標とします。

抗てんかん薬による治療

小児てんかんの場合、お子さんの年齢やてんかんの発作型などから薬を決めますが、その薬が適切かの判断は発作のコントロール状態や副作用の有無などによって行います。よく用いられるのは、テグレトールやバルプロ酸と呼ばれる抗てんかん薬です。

また、原則として1種類の薬で治療しますが、発作がなかなか抑えられない場合には2種類以上の薬を用いることもあります。

・血中濃度測定

薬が治療効果を示すには血中にある程度の濃度を維持することが必要ですが、濃度が高くなり過ぎると副作用が現れやすくなります。そのため、抗てんかん薬を服用しているときは、血中濃度が適切か(治療濃度にあるか)を定期的に測定することが必要です。

・副作用

抗てんかん薬の服用は長期間に及ぶため、肝臓の機能低下や多毛、逆に脱毛などの副作用も少なくありません。また、薬が多すぎる、強すぎるなどの場合には眠気が強く、ふらつきなども目立つようになります。服薬中に気になる症状があったら、早めに医師に相談することが大切です。てんかん発作の型によって効果のある治療薬は異なりますので、てんかんの専門医による適切な診断を受けることが重要です。

・薬を止めるときも注意を

抗てんかん薬がよく効くとてんかん発作の回数が減少し、発作がまったく起こらなくなります。小児てんかんでは発作が起こらない期間が2~3年ほど続いた場合、徐々に薬を減量し、中止できることもあります。薬は3~6か月ほどの時間をかけてゆっくり減量しますので、中止できるまでは医師の処方通りに服薬することが大切です。

手術療法

てんかんは比較的、治療薬がよく効くものがある一方で、薬で発作を抑えられない「難治性てんかん」がてんかん全体の2~3割を占めています。難治性てんかんのうち、発作が起こる部位がハッキリしている部分てんかんで、切除手術を行って生活に支障がない、あるいは障害が残らないと判断できた場合には開頭手術を行うことが多いです。

難治性てんかんは2~3種類の薬を使い、2年ほど様子を見るのが一般的ですが小児てんかんの場合は2年よりも早めに手術を選択することもあります。たとえば、側頭葉てんかんと呼ばれるてんかんの場合は側頭葉切除術、良性の脳腫瘍の場合には腫瘍切除が行われ、症状の改善が報告されています。

ケトン食療法

ケトン食療法のはじまりは、断食によっててんかん発作が改善したことが契機といわれ、古くから小児てんかんの子どもに広く行われていた食事療法です。

ケトン食は炭水化物と糖を制限し、脂肪を増やして脂肪の分解によってケトン体が増えるようにします。ケトン体は身体が飢餓状態などのブドウ糖が少なくなったときに脂肪を分解して作られるもので、ブドウ糖に代わってエネルギー源になる物質です。

従来のケトン食療法は治療開始時に断食が必要で、カロリーや水分の制限も厳しいため続けるのが難しく、抗てんかん薬の登場によりあまり行われなくなりました。しかし、最近のケトン食療法は制限を緩やかにした方法や中鎖脂肪酸(MCT)という消化吸収のよい脂肪酸を活用したMCTケトン食などが導入され、食事療法が続くようになったといわれています。

新しい外科的補助療法「迷走神経刺激療法」

迷走神経刺激療法は薬物療法による治療が難しく、開頭手術の効果が期待できない、あるいは開頭手術後にも発作が起こるといった場合に選択される治療法です。

心臓のペースメーカーのように直径5cmほどの電気刺激を発生させる装置を胸に埋め込み、首の左側を走る迷走神経に電極を巻き付けて電気刺激を与えて発作を少なくします。
迷走神経刺激療法は、海外ではすでに7万人を超える患者さんに電気刺激装置の埋め込み手術が行われていますが、日本では2010年から行われるようになった新しい手術です。小児てんかんにも適応になり、1歳児にも行われています。

小児てんかんの治療法としても期待される迷走神経刺激療法ですが、行えるのは所定の研修を受けたてんかん専門医のみのため、手術を受けられる病院が限定的なことが課題です。

てんかんにはさまざまなタイプがあり、治療はてんかんの発作型によって治療薬が異なるため的確な診断を受けることが重要です。気になる症状がある場合には、できるだけ専門医のいる病院で診てもらいましょう。

 

 

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