筋ジストロフィーの主な治療法と、遺伝子治療の進化の可能性

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筋ジストロフィーの主な治療法と、遺伝子治療の進化の可能性

筋ジストロフィーの治療法

現時点での治療の中心は、薬物療法とリハビリです。根治が可能なのは遺伝子治療だけであり、まだ実験段階にとどまっています。

1.薬物療法
筋ジストロフィーの治療で使用される薬物は、ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)や筋弛緩剤です。ステロイドは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行を遅らせる効果が証明されています。ただし、ステロイドがどのように進行を遅らせるのかというメカニズムははっきりと解明されていないようです。ステロイドは、治療初期の2年間は特に効果が高く、歩行不能なってからも継続して使用する価値があることが日本神経学会のガイドラインには示されています。しかし、ステロイドの長期使用には重い副作用が伴う場合があるので、専門医師による指導が必要とされます。

ダントロレンナトリウムという筋弛緩剤は、血液中のCK(血清クレアチニンキナーゼ)を低下させる作用があり、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行を遅らせるのに効果があります。しかし、筋力を低下させるという副作用もあり、専門医師の指示のもと慎重に投与することが必要な薬です。

2.リハビリ
筋ジストロフィーの患者は、早期から病状に応じたリハビリ(機能回復訓練)が不可欠です。病型によって程度の違いはありますが、筋肉の萎縮が進行するにつれて関節の動きが制限されます。そのため、筋力を維持するトレーニングや関節の拘縮(硬くなって動かせる角度が狭まる)を防ぐためのリハビリが計画的に進められます。また、歩行が困難になった場合には、装具や車いすなどの器具を使用して日常生活を送るための訓練が必要となります。

病状が進行すると、呼吸リハビリも必要になります。呼吸筋(呼吸をするために必要な筋肉:横隔膜、肋間筋、腹直筋など)が低下すると、肺の空気がうまく換気されず、息苦しさを感じたり肺炎にかかりやすくなります。そのためNPPVと呼ばれる人工呼吸器を使用して呼吸を補助します。

3.手術
デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、症状が進行するにつれて筋力の低下による背骨の湾曲が起こります。湾曲の程度が激しい場合、座位を保つのが困難になったり肺を圧迫することがあります。その場合に外科手術で背骨の湾曲を矯正する治療が必要になります。

筋ジストロフィーの最新治療

筋ジストロフィーの遺伝子治療の研究は、近年進歩が見られています。2009年には、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの欠損したジストロフィン遺伝子をiPS細胞(多能性幹細胞)で修復するマウスの実験に成功したことが報告されています。まだ、実験段階ですが、今後臨床での応用に向けてさらに研究が進むことが期待されます。

福山型筋ジストロフィーにおいては、これまでフクチンというタンパクを作る指令を出す遺伝子が欠如していることが原因とされてきましたが、詳しいメカニズムは分かっていませんでした。しかし今年発表された研究結果では、このフクチンが骨格筋の細胞膜を構成するのに必要なジストグリカン糖鎖を合成する物質(リビトールイン酸)を作る酵素であることが明らかにされたことが報告されています。このように発症メカニズムの解明が進展したことによって、新たな治療法の開発が期待されています。

 

 

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