卵巣がんは初期症状が現れにくいため発見が難しい病気の一つです

卵巣がんは初期症状が現れにくいため発見が難しい病気の一つです

卵巣がんとは

女性ホルモンの分泌などを行っている卵巣は、ソラマメのような形をした2~3cmほどの小さな臓器です。子宮の左右に位置していますが、卵巣は子宮とつながっておらず広間膜という腹膜に付着しています。

卵巣の腫瘍は大きくは良性腫瘍と悪性腫瘍の二つにわかれ、悪性のものを卵巣がんといいます。しかし、良性腫瘍のような組織でありながら、経過は悪性腫瘍に似ているといった腫瘍も存在し、「境界悪性腫瘍」と呼ばれています。

悪性腫瘍は、患者さんの年齢によって発生する腫瘍の種類に違いがみられます。40代~60代の中高年の場合は卵巣表面の上皮細胞にできる「上皮性卵巣がん」と呼ばれるものが多く、卵巣がんの多くが上皮性のがんです。一方、10代~20代の場合は「卵巣胚細胞腫瘍」という種類のがんが多い傾向にありますが、若い人が卵巣がんになることはそれほど多くありません。

年齢の違いは、治療方法にも影響します。将来の妊娠に向けて卵巣を残す(温存)方法を選択することが多い若年者に比べ、中高年の人は子宮を含め卵巣を摘出する手術を選択することが多いです。

また、卵巣がんは胃がんや大腸がんなどの他の臓器にできたがんが卵巣に広がって起こる場合もあり、胃がんが卵巣に転移したものをクルーケンベルグ腫瘍と呼んでいます。

卵巣がんは初期には自覚症状が少なく、また、子宮がんのような検診方法がいまだ確立していないため、早い段階での発見が難しいことが多いです。また、良性腫瘍と悪性腫瘍との区別(鑑別)の難しさもあるため、卵巣がんの診断や治療方針の選択をより困難なものにしています。

なお、厚生労働省の平成26年の「人口動態調査」によると、年間およそ4,800人の方が卵巣がんで亡くなっており、近年、卵巣がんを発症する人は増加の傾向がみられます。

 

主な症状

卵巣がんは症状が現れにくいという特徴があるため、腹痛やお腹が張るような腹部膨満感などの症状が現れたときには、すでに病気が進行していることも少なくありません。

お腹の痛みや張りのほかに、体重の減少や腹水というお腹に水が溜まる症状、あるいは膀胱が圧迫されて尿が近くなったなどの症状が起こることがあります。しかし、他の臓器を圧迫して生じる症状は、腫瘍が10cm以上にならないと現れにくいなど卵巣がんは初期の段階で気づくのが難しいがんです。

ここで挙げた症状は、もちろん卵巣がんに限った症状ではありません。膀胱は子宮筋腫による圧迫でもトイレに行く回数が増えますので、病院で検査をしても結果として卵巣がん以外の理由だったということもあるでしょう。しかし、卵巣がんは「沈黙のがん」ともいわれるほど気づきにくさがあるので、気になる症状が続くときは病院で診てもらうことをお勧めします。

また、卵巣腫瘍は、腫瘍が大きくなって破裂することもあれば、卵巣腫瘍茎捻転(けいねんてん)と呼ばれる捻じれが起こることもあり、その場合は激しい痛みとして現れます。なお、茎捻転などは悪性腫瘍に限らず、良性腫瘍でも起こる症状です。

 

卵巣がんの原因

卵巣がんのリスク因子としては内分泌をはじめ、環境や遺伝などの因子が挙げられています。

内分泌的な要因

内分泌の因子としては排卵の際に卵巣の上皮が破れ、その後に修復されるといった繰り返しが関係していると考えられています。卵巣がんの多くを占める上皮性卵巣がんは、排卵のたびに上皮の破れと修復を繰り返す中で、がんが発生するのではないかとされています。

そのため、排卵の回数が多いことは卵巣がんの発症リスクを高くする要因の一つです。たとえば、未婚、妊娠や出産の経験がない人、初潮が早い、または閉経の遅い人は多産の人に比べ排卵に伴う上皮の破れや修復の回数が増えるため卵巣がんになりやすいといわれています。

 

環境的な要因

卵巣がんは、脂肪の過剰摂取、特に動物性脂肪を多量に摂取している人に起こりやすいという指摘があります。発症に関与するその他の要因としては夫の喫煙を含め喫煙の影響や肥満、糖尿病の人、あるいは乳がんや大腸がんのうち特に結腸がんなどにかかったことのある人です。

 

遺伝的な要因

家族(母親や姉妹)に卵巣がんの人がいる場合は、いない場合と比較して卵巣がんを発症するリスクが3倍ほど高いという遺伝的な因子が報告されています。ただし、がんを発症するのは、遺伝的な要因だけでなく、さまざまな要因が複合的に関与しているのではないかと考えられていますので、家族にがんの人がいても一概に発症するとはいえません。

 

次の「卵巣がん(2/2)-産婦人科:知っておきたい疾患」では、検査や治療(手術や化学療法)についてご紹介しています。

 

 

 

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