高齢出産/ハイリスク出産で気を付けたい妊娠高血圧症候群

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高齢出産/ハイリスク出産で気を付けたい妊娠高血圧症候群

ハイリスク出産になりやすい妊娠高血圧症候群

ハイリスク出産の場合は、医療体制の整った施設において専門的な医療を受けながら出産を迎えることが重要です。また、分娩方法は帝王切開になる可能性も視野に入れて病院を選ぶことも大切でしょう。

ハイリスク出産になりやすいのは40歳以上の高齢出産や肥満体型、あるいは糖尿病などの持病、さらに、重症の妊娠高血圧症候群や羊水過多などの産科的な問題がある場合です。特に、重症な妊娠高血圧症候群はさまざまな合併症を起こし、最悪の場合には母子の生命に危険が及ぶ可能性もあります。

高齢出産の場合、特に40歳以上の人は妊娠高血圧症候群になりやすい傾向もあるため、妊娠期から適切な治療を受けることが大切です。

 

妊娠高血圧症候群とは

妊娠高血圧症候群は、かつて「妊娠中毒症」と呼ばれていましたが2005年に名称や発症時期などが変更になりました。現在では「妊娠20週以降」に初めて高血圧を発症、あるいは高血圧に蛋白尿を伴う状態が「分娩後12週まで」に正常に戻るものを妊娠高血圧症候群としています。

ここでいう高血圧とは、
収縮期血圧(最高血圧)が 140mmHg(重症は 160mmHg)以上
もしくは
拡張期血圧(最低血圧)が 90mmHg(重症は 110mmHg)以上の場合です。

また、高血圧とともに尿中の蛋白が一日 0.3g(重症では 2g)以上のときは「妊娠高血圧腎症」と呼び、高血圧だけの「妊娠高血圧症」と区別しています。

妊娠高血圧症候群は妊婦の1割弱に発症し、時期としては妊娠32週以降が多いとされますが、32週未満に発症することもあり、その場合には重症になることが少なくありません。

さらに、妊娠高血圧症候群の発症率を高める要因は、35歳以上、あるいは15歳以下の妊娠、また、初産や肥満、双子などの多胎(たたい)妊娠などが挙げられています。

 

妊娠高血圧症候群が及ぼす影響

妊娠高血圧症候群の原因は、詳しいことはわかっていません。しかし、母親から胎盤を通して胎児に血液を送るための「らせん動脈」が通常の人より細いなど、妊娠高血圧症候群の人は血管の作りが不十分だといわれています。そのため、胎盤から胎児に送る血液が不足しがちになり、母親の身体は必要な血液を無理に送ろうとして血圧が上昇するのではないかなどの説が有力です。

また、妊娠高血圧徴候群では血管の内側が損傷されることも多く、それが全身の血管に及ぶとさまざまな症状が現れます。たとえば、肺の血管が障害されると肺水腫が起こり、呼吸困難となったり、腎臓の血管の障害では腎機能の低下によって尿の排泄量が減少する乏尿が起きたり、症状も合併症もさまざまざです。

特に、重症化すると「子癇(しかん)発作」と呼ばれるけいれん発作や高血圧による脳出血、あるいは常位胎盤早期剥離などの母子にとって重篤な症状が現れることがあります。子癇は母親が意識を失ってしまい、全身のけいれんを繰り返す発作で、妊娠高血圧症候群のもっとも重い症状といわれるほどの危険な症状です。

常位胎盤早期剥離になると、出産の前に胎盤が剥がれてしまうため胎児に酸素を送ることができません。赤ちゃんの脳が急激な低酸素状態に陥り、脳がダメージを受けることで最悪の場合にはお腹の中で亡くなってしまうこともあります。

さらに、妊娠高血圧症候群では胎児が十分に育たず、生まれたときの体重が少ないことも多いです。これは、子宮や胎盤の血流が不足して赤ちゃんに必要な酸素や栄養を送れないために起こります。発育だけでなく、脳の酸素不足が起こると赤ちゃんにとって危険な状態となります。

 

妊娠高血圧症候群の治療

妊娠高血圧症候群の治療法は重症度や妊娠週数によって異なりますが、重症の場合には安静のために入院が必要になるでしょう。また、重症の人には血圧を下げる薬やけいれん発作(子癇)の予防のために薬を使用し、妊娠週数が進むのを待つ待機的治療を行うこともあります。

しかし、妊娠の継続が母子にとって厳しい状態のときには、36週以前であっても分娩を選択することも少なくありません。予定した帝王切開のほかに、母子の状態が急激に悪化した場合には緊急帝王切開などの方法で胎児を速やかに娩出させることもあります。

なお、母親の高血圧などの症状は出産によって多くが改善しますが、症状が続く場合には治療の継続が必要です。

 

最近の塩分制限とは

妊娠高血圧症候群の効果的な予防法は、未だ確立されていません。しかし、肥満は重症化につながりやすいため、肥満予防のカロリー制限や高血圧の改善に向けた塩分制限が推奨されています。

一方で、最近の研究から塩分の過度な制限は、むしろ症状の悪化を招くといわれるようになりました。妊娠高血圧症候群の人で「循環血漿量」という血液から赤血球などの血球成分を除いた量が少ない人は、塩分を制限しすぎると一層、循環血漿量が減少して適切な血圧を保てなくなることがあります。

そのため、最近、勧められている塩分制限は、予防の場合は一日に 10g以下、発症してからは 7~8g/日が目安です。

また、妊娠前から腎臓の病気や高血圧、糖尿病があると妊娠高血圧症候群を発症しやすいといった指摘もあります。持病がある人は、妊娠する前からのコントロールを心がけましょう。

 

妊娠期からの手厚い医療で安全な出産を

高度な周産期医療を提供している病院には、「ハイリスク妊娠外来」などの専門外来を設けているところがあります。総合周産期母子医療センターなどの医療機関は、高血圧などの合併妊娠の人に対しても専門的な立場で医療管理を行うことのできる施設です。

ハイリスク出産の人は母子ともにできるだけよい状態で出産を迎えるには、妊娠期から手厚い医療を受けることをおすすめします。

 

 

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