高齢出産/ハイリスク出産のリスクスコアの考え方

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高齢出産/ハイリスク出産のリスクスコアの考え方

妊娠リスクスコア

厚生労働科学研究班による「妊娠リスクスコア」は、リスク要因を「妊娠初診時」と「妊娠後半期」に分けて、1点(リスクが低い)~5点(高い)に点数化しています。

妊娠初診時のリスクスコア

リスクの高い「5点」は、
・母親の年齢が40歳以上
・体重が100kg以上
・内科的な病気の合併(薬物治療が必要な糖尿病や高血圧など)
・産科的な既往(重症の妊娠高血圧症候群など) など

妊娠高血圧症候群は、妊娠20週~出産後12週までに高血圧や蛋白尿が認められるものをいいます。
詳しくは、次の「高齢出産/ハイリスク出産(3/3)-産婦人科:知っておきたい疾患」でご紹介していますのでご覧ください。

「2点」は、
・早産の既往
・死産や新生児死亡の既往 など

「1点」は、
・初産婦
・母親の年齢が35~39歳、もしくは15歳以下
・身長が150cm未満
・肥満度を示すBMI(Body Mass Index)が25以上 など

日本ではBMIが18.5~25.0未満は「標準」、25以上は「肥満」に分類されます。
BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}で求めます。

 

妊娠後半期の現在の妊娠に関するリスクスコア

「5点」は、
・重症の妊娠高血圧症候群
・羊水が多くなりすぎる羊水過多
・胎児が3人以上の多胎妊娠 など

羊水過多は、胎児の消化管の閉塞など先天的な異常が考えられます。

「2点」は、
・胎盤が通常よりも低い位置にある前置胎盤
・妊娠週数に比べて赤ちゃんの発育が不十分な子宮内胎児発達遅延(IUGR) など

 

いくつかの調査では、妊娠初診時に4点以上の「ハイリスク」となる人は全体の6~15%で、妊娠後半期になると13~30%ほどの人がハイリスクに含まれています。

 

妊娠リスクスコアによる比較

妊娠リスクスコアが高い人は出産の時にどのような問題が起こりやすいのでしょうか。厚生労働科学研究班は、リスクスコアの合計が「4点以上」をハイリスク群、「0~1点」を低リスク群に分けて出産時の異常の起こりやすさを比較しています。その一部を紹介しましょう。

ハイリスクの場合、帝王切開となる割合は 43.6%ですが、低リスクでは 4.3%ほどに留まっています。また、36週以前の早産になった割合は低リスクが 2.3%程度なのに対し、ハイリスクでは 25.3%と低リスクの10倍以上でした。

さらに、分娩時の1リットル以上の大量出血や出生体重が2,500g未満などの問題もハイリスクの方が低リスクに比べ6~8倍ほど多かったとされています。

 

周産期母子医療センターで安全な出産を

妊娠22週~生後満7日未満を「周産期」といい、周産期は母子にとって突発的な事態が起こりやすい時期とされています。特に、ハイリスク出産の場合は、母子の生命にかかわるような緊急事態が起こる可能性も否定できません。

そのため、ハイリスクと診断された人は高度な周産期医療を提供できる総合周産期母子医療センター(英:Perinatal Medical Center)や地域周産期母子医療センターなどの病院を選ぶとよいでしょう。

周産期母子医療センターとは

周産期母子医療センターは、緊急事態に24時間対応できる産科と小児科の総合的な保健医療体制を備えている病院です。このうち、総合周産期医療センターは母体・胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)などを備え、高度な医療が必要となるハイリスク出産に対応しています。

また、地域周産期母子医療センターは産科と小児科の連携のもとに、比較的高度な周産期医療を担うことができる病院です。なお、母子の集中的な治療を行うためのMFICUは地域周産期母子医療センターを含め全国に設置が進められていますが、設置率の地域差が大きいなどの課題があります。

超緊急帝王切開が必要になることも

ハイリスク出産に限らず出産は、ときに一刻を争うような事態が起こり得るものです。緊急帝王切開の中でも、手術の決定から15~20分以内で一刻も早い胎児の娩出を目指すものを「超緊急帝王切開」、あるいは「グレード(Grade)A」と呼んで区別しています。

超緊急帝王切開を行うには、総合周産期母子医療センターのような産科と小児科の高度な医療設備と医療者の専門的な技術が不可欠です。さらに、24時間体制での専門スタッフの確保や超緊急帝王切開を最優先にして手術を行うための病院内の体制ども必要になるため、実施できる病院は限られています。

できるだけ安全な出産をするには、お母さんとお腹の赤ちゃんの状態に合わせた病院を選んでください。

 

 

 

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