摂食障害の患者数はこの20年間で10倍に増えています

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摂食障害の患者数はこの20年間で10倍に増えています

摂食障害は、9割以上が女性といわれるほど女性に多い病気です。ある調査では全国の摂食障害の推定患者数は人口10万人に対し18.5人で、20年ほどの間におよそ10倍に増加したといわれています。
ここでは、摂食障害の特徴と発症の原因についてご紹介します。

 

摂食障害とは

摂食障害は食行動の異常の一つですが、体重や体型に対して過度なこだわりや恐怖心があり、抑うつや不安などの精神症状のほか身体症状や行動異常なども現れる精神障害です。極端な食事制限をすることで重症な栄養不足になり、月経異常や血液中の電解質異常、また、不整脈なども起こり、ときに生命の危険もあるほどの重篤な状態に陥ることがあります

さらに、摂食障害の人は食行動の問題だけでなく、アルコールや薬物の乱用、性的逸脱や自傷行為、あるいは万引きなどの反社会的な行為を伴うことも少なくありません。摂食障害の経過としては調査によって幅がありますが、回復するのはおよそ半数、2~3割は慢性化して全体の5~7%の人は亡くなっているそうです。

また、摂食障害はかつて10代後半~20歳代に多い病気でしたが、近年では10歳程度の子どもが発症することも多くなり、低年齢化がみられます。一方、30歳代や40歳代になって発症する人もいるなど発症年齢の幅が拡がったことも特徴の一つです。

摂食障害は、大きくは神経性食欲不振症(AN:Anorexia Nervosa、いわゆる拒食症)と神経性過食症(BN:Bulimia Nervosa、いわゆる過食症)の二つになります。AN(拒食症)は10歳代で発症することが多く、BN(過食症)の方は20歳代にピークがあることが特徴です。

摂食障害と職業の関係では、体型が注目されやすいモデルをはじめ、バレリーナや女優、また、エステシャンなどの美容に関連した仕事に就いている人に多い傾向があります。

 

摂食障害の原因

食事をまったく食べられなくなった重症の患者さんも、きっかけはダイエットだったという人がほとんどです。摂食障害は、やせた人を賛美するような社会的風潮や親の養育態度などさまざまな要因が複雑にからみ合って発症すると考えられています。

発症に関与するといわれているのは社会・文化的な要因をはじめ、心理的要因や脳の機能障害などの身体的要因、また、遺伝的な要因や家庭環境などの環境的要因です。

心理的要因

大人になることや身体が成熟することへの嫌悪感、また、低い自己評価や神経性食欲不振症の人に著明にみられる完璧主義などの心理的特徴が発症リスクを高めるといわれれています。しかし、客観的な根拠に乏しい面もあるようです。

近年では、心理的要因は原因というより摂食障害になったときに治りにくくさせたり、悪循環を起こさせたりする要因なのではないかといった意見があります。

身体的要因

通常、食事をすると血糖値の上昇や脳内の神経伝達物質、情報のやり取りに関係するセロトニンの働きによって脳の満腹中枢が刺激され、満腹を感じて適度な量で食事を止めることができます。しかし、血糖値が著しく低下した低血糖症やセロトニンが不足した状態では、食欲がコントロールできず過食が起こりやすくなるのです。

また、セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸とビタミンB6によって体内で作られるためタンパク質やビタミンの摂取不足、さらに、ストレス状態に陥ると不足しやすくなります。

遺伝的要因

家族に摂食障害の人やうつ病、薬物乱用の人がいる場合は、摂食障害を発症するリスクが高いといわれています。特に、神経性過食症の患者さんは、家族内にアルコール依存症の人がいることが少なくありません。

環境的要因

摂食障害の発症に関与する要因として挙げられるのは両親の不和や離婚、父親の存在感がないこと、あるいは親が子どもに拒絶的で接触の乏しい養育環境だったことなどです。また、親の過干渉や過保護、過度な期待なども強いストレスとなり、その人にもともとある病気のかかりやすさと関係し合って発症するのではないかと考えられています。

また、家族や周囲から「太った?」「食べ過ぎじゃない?」などの体型や食事の摂り方などについて批判的にいわれたことなどが発症の誘因になることもあるようです。

摂食障害は、場合によっては生命を落としかねない深刻な病気です。しかし、患者さんは自分が病気だと認めようとせず、食べることを強く拒んだり、受診を嫌がったりすることがあります。

家族としては、どのように受診を促したらよいのか?と迷うことも多いでしょう。まず、家族が医療機関に問い合わせて相談する方法もあります。気になることがある場合は医療機関に相談しましょう。

 

次のコラム「摂食障害の症状は食欲不振症(AN)と過食症(BN)で全く異なります」では、摂食障害の症状について紹介しています。食欲不振症と過食症、それぞれなんとなく想像ができる病名ですが、目に見える行動の症状だけでなく、精神症状も存在します。

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