パーキンソン病患者になぜ黒質神経細胞の変性が起きるのかは解明されていません

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パーキンソン病患者になぜ黒質神経細胞の変性が起きるのかは解明されていません

パーキンソン病の概要

パーキンソン病は高齢者に多い病気で、介護の仕事に従事されたことのある方は、聞いたことのある病名かもしれません。パーキンソン病は、脳の神経が侵され、時間とともに進行する病気で、厚生労働省の定める指定難病のうちの一つに数えられています。

現在日本で、パーキンソンン病を患っている方は、15万人以上いると言われ、約1000人に一人の割合で発症していると考えられます。発症年齢は、50歳~70歳代が最も多く、稀に10歳代~20歳代で発症する若年性パーキンソン病の方もおられます。患者の男女比は、男性2.4:女性1の割合で、男性に多く発症すると病気だと言えます。

パーキンソン病の症状は特徴的です。下記に挙げる主な4つの症状は、個人差がありますが、病気の進行とともに症状がはっきりしてきます。

  • 手足の振戦…発症の初期から現れる症状です。手足の片側が、安静にした状態(意識をしていない時)で、1秒間に4-5回の速度で震えます。何かを持ったり意識的に動かそうとすると震えは止まります。
  • 動作緩慢…筋肉の動きが鈍くなることで、椅子から立ち上がったり歩いたりといった日常の動作が遅くなり、細かい作業もしづらくなります。また、顔の筋肉が動かしにくくなり、無表情になります。
  • 筋固縮…筋肉が固くこわばるようになり、体の動きがぎこちなくなったり、腕を回すとカクカクと歯車のような動きをします。
  • 姿勢反射障害…歩く姿勢が前かがみになり、転びやすくなります。歩行時にバランスがうまく取れないので、膝が曲がり、歩幅が狭く小走りになります。

 

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の発症には、脳細胞の変性による神経伝達物質の不足が関係しています。脳の奥には、多数の脳神経が集まる大脳基底核という場所があり、ここにはドーパミンという神経伝達物質を作り出す「黒質神経細胞」が存在しています。この黒質神経細胞が何らかの原因で変性(萎縮したり破壊されたりする)すると、そこにある種のたんぱく質が蓄積し、神経伝達物質が作られなくなり、脳内にドーパミンが不足すると言われています。

神経伝達物質のドーパミンには、脳の中で、体の運動機能を制御する役割を果たしています。ですから、ドーパミンが不足すると、脳から出される運動の指令が筋肉にうまく伝わらなくなり、手足が振るえたりうまく歩けなくなったりといった運動機能障害が起こります。

現時点では残念ながら、なぜパーキンソン病患者に黒質神経細胞の変性が起きるのか、という病気のそもそもの原因が解明されていません。しかし、パーキンソン病との因果関係が疑われているものはいくつかあります。

  • 加齢…老化による脳細胞の変性
  • 遺伝…血縁者に同じ病気の人がいる(若年性パーキンソン病の人に多くみられる)
  • 食事…タンパク質や加工肉の過剰な摂取、偏食、不規則な食事習慣
  • ストレス…運動不足、過剰な運動、精神の緊張
  • 生活スタイル…不規則な生活、喫煙の習慣
  • 飲酒…蒸留酒(ウォッカや焼酎など)の多量摂取

また最近の研究では、パーキンソン病の発症と、パーキンソン症状を伴うレビー小体型認知症に深い関わりがあることを指摘する研究者もいます。レビー小体型認知症は認知症の約2割に見られ、脳全体にレビー小体というタンパク質が蓄積して脳細胞が減少することにより、記憶障害や幻覚などの症状を起こします。
次のコラム「パーキンソン病の遺伝子治療はまだ研究段階」では、パーキンソン病の治療に関して紹介しています。しかし残念ながら根本治療は未だ研究中です。
 

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