胆石/胆嚢炎は知らないうちに1000万人が罹患している!?

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[投稿日] '16/04/23 [最終更新日] '18/03/18 761views
胆石/胆嚢炎は知らないうちに1000万人が罹患している!?

胆石/胆嚢炎の概要

胆石は胆嚢から分泌される胆汁の成分が固まったものことを言い、この胆石が胆嚢や胆管に溜まって引き起こされることが原因の疾患を胆石症と呼びます。胆石により胆汁の流れが妨げられることによって胆嚢に炎症がおこることがあり、これを胆嚢炎といいます。

胆嚢炎の原因は胆石とは限りませんが、多くが胆石を原因として発症します。ここでは胆石を原因として発症した有石胆嚢炎のことを胆嚢炎と呼んでご説明します。

胆石の患者の多くは無症状または軽症状で、胆石があることに気付いていません。厚生労働省の平成26年度患者調査によれば、総患者数は5万9千人となっていますが、無症状や軽症状で医療機関を受診していない人を含めると、推計患者数は1000万人以上といわれています。

一方で胆嚢炎は明らかな症状を伴うため胆石より患者数は少なく、厚生労働省の平成26年度患者調査によれば、総患者数は9千人となっています。

 

胆石/胆嚢炎の症状

胆石の初期症状としては背部の痛みや違和感があります。特に脂っこいものを食べたあとに起こりやすいようです。また、右上腹部やみぞおち付近の違和感や痛みも現れることがあります。特徴的なのは疝痛(せんつう)発作という痛みで、背部、上腹部、胸部に激痛が起こりますが、比較的短時間でおさまるのが特徴です。胆石が胆管を塞いでしまった場合には黄疸が見られることもあります。

胆嚢炎でも胆石と同様の疝痛発作が右上腹部などに起こりますが、胆石の時よりも長時間持続します。さらに、38度以上の悪寒を伴う発熱がみられることがあります。結石が胆管を塞いでしまっていることが多く、黄疸が見られることもあります。 胆石は年齢が高くなるほど形成されやすくなる傾向にあり、最も多いのは60〜70歳台です。従って、胆嚢炎を発症しやすい年齢も60〜70歳台が最も多いということになります。

ただし、近年の食生活の変化によって若年層の胆石保有率も増加しています。 胆石は無症状の場合は治療の対象とならないことが多いですが、胆管などに胆石がある場合は放置すると黄疸や胆管炎を起こす可能性があります。胆嚢炎で炎症が酷くなると、胆嚢の壁が壊死してしまい穴が開き、胆汁が漏れ出すことがあり、死亡することもあります。また、炎症の原因となる細菌が血流に乗って全身にまわることで敗血症という状態になり、こちらも最悪の場合は死に至ります。

 

胆石/胆嚢炎の原因

胆石はその成分により分類されています。

中でも多いのはコレステロール胆石と呼ばれるもので、白っぽく丸みを帯びています。次に多いのはビリルビンカルシウム石と呼ばれるもので、黒っぽい見た目をしています。他にも炭酸カルシウム石や脂肪酸カルシウム石と呼ばれるものがあります。コレステロール胆石は、本来胆汁中に溶かされた形で存在するはずのコレステロールが、多すぎるために溶かされきれずに結晶化して石になったものです。

多くは高コレステロールの食事を続けていることが原因です。

一方、栄養状態が悪いときにできる胆石がビリルビンカルシウム胆石です。低栄養や低タンパク質の状態が続くと、胆汁をつくるビリルビンという成分がカルシウムと結びつきやすい物質に変化して、ビリルビンカルシウムという結晶を作り、ビリルビンカルシウム胆石となります。  胆嚢炎の多くは胆石が胆管を塞ぐことによって起こります。胆汁の流れが、胆石などで停滞すると細菌感染が起こることがあります。感染の場所が胆嚢であれば胆嚢炎、胆管であれば胆管炎といいます。

次の「胆石/胆嚢炎の最新治療、単孔式内視鏡手術ではさらに傷が目立ちません」では胆石/胆嚢炎の治療法について紹介しています。傷口をなるべき目立たないように手術してほしい方にとっては重要な情報が記載してあります。
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