認知症は65歳以上で10%程度が発症!さらに今後も増加が見込まれています

認知症は65歳以上で10%程度が発症!さらに今後も増加が見込まれています

日本の平均寿命は2014年の調査で男性は80.50歳、女性は86.83歳で男女ともに過去最高となりました。平均寿命が伸びる中、65歳以上の高齢者における認知症の有病率は8~10%ほどといわれ、認知症は今後も著しい増加が見込まれています。
ここでは、認知症の概要として患者数の予測や認知症で現れる主な症状についてご紹介します。

認知症の概要

認知症は、生まれてから一度は正常に発達した知能が低下したことによって日常生活や社会生活が困難になった状態です。認知症になると物を覚えるための記銘力をはじめ、時間や場所などを把握する見当識も低下するので、今日が何月何日か、今いるのがどこなのかもわからなくなってしまいます。

知的障害(精神遅滞)は先天的なもの、あるいは出産のときや出産後の間もない時期に起きた要因によって生じるのに対し、認知症は後天的な要因で起こる知能の障害です。

認知症の患者数

厚生労働省の発表によると、認知症を発症している65歳以上の高齢者は推計で15%、およそ7人に1人です。2012年に約462万人とされる認知症高齢者は2025年には700万人超となり、5人に1人の割合になると予測されています。

認知症の中でもっとも多いのはアルツハイマー病型認知症です。患者数は2012年には314万人ですが、2025年には466万人まで増加すると予測され、認知症全体に占める割合はおよそ7割になります。次に多いのは脳血管性認知症で2012年は78万人、2025年に予測される患者数は111万人です。

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment)

近年、注目されているのは認知症予備軍ともいわれる軽度認知障害(MCI)です。MCIは正常の状態とアルツハイマー病などの認知症との間にみられる状態で、MCIの症状を把握することが早期治療につながると期待されています。
MCIに該当する人は約400万人と推計されており、2012年の認知症の患者数462万人に匹敵するほどの多さです。

 

認知症の症状

認知症で現れる症状は大きくは二つ、「中核症状」と「周辺症状」に分けることができます。「中核症状」は固定的で持続して現れるもので、認知症の診断に重要な症状です。

一方、「周辺症状」は中核症状に伴って現れるもので患者ごとに症状の現れ方も程度も異なり、また、症状は環境などの要因で変化します。安心感を与えたり、脳を刺激するような働きかけをしたり、周辺症状はその人に合った適切なかかわり方によって改善が期待できます。

中核症状

中核症状としては記憶や見当識の障害のほか、言葉を理解できないなどの「失語」や物を正しく認識できない「失認」、また、物事を段取りよく行うために必要な実行機能の障害などがあります。

初期に現れる記憶の障害は昔の記憶は保たれますが、置き忘れなど新しい記憶が障害されることが特徴です。もの忘れは加齢とともに増えますが、単なるもの忘れと認知症の場合では違いが見られます。

たとえば、正常の場合はもの忘れをしたことを自覚して「どこに置いたかな?」と探しますが、認知症の人はその自覚がほとんどありません。少し進行した人では自分が置き忘れたのではなく、「誰かに盗まれた」といい、周囲の人を責めることもあります。

また、食事について「何を食べたか」という細かい点(経験の一部)を忘れることは正常の人にも起こることです。しかし、認知症の人は「食べた」という行為そのもの、経験したことがすっぽりと抜けてしまい、「食べさせてもらえない」と被害的にいうこともあります。

さらに、見当識の障害には日付や場所のほかに人物の認識も含まれるので、記憶の障害が進むと家族のこともわからなくなることが多いです。簡単な計算もできなくなり、物を考えたり、判断したりする能力も低下するため生活の支障が次第に大きくなっていきます。

周辺症状

周辺症状としては「せん妄」と呼ばれる意識障害をはじめ、ないはずの物が見えたり、聞こえたりする「幻覚」、事実ではないことを誤って思い込んでしまう「妄想」などがあります。認知症の人に現れる妄想は「お金を取られた」などの「ものとられ妄想」などの被害的な内容が多く、周囲を困らせたり、トラブルに発展したり、社会生活に影響が及ぶことも多いです。

また、不安や焦燥感、抑うつ、さらに、性格や行動の異常が目立つようになり、ちょっとしたことで怒る、あるいは暴言や暴力がひどくなることもあります。「これまではおとなしい人だったのに」と家族が戸惑うほどの著しい変化になることも少なくありません。

認知症のタイプによって現れる症状には違いがあり、脳血管性認知症では意欲の低下や急に泣いたり、怒ったりする感情失禁が現れることがありますが人格の面は比較的、保たれます。しかし、ピック病と呼ばれる認知症になると、性格や行動の変化が現れやすいことが特徴です。ピック病の人は欲求を抑えることができず無遠慮になったり、万引きなどの反社会的な行動が増えたりします。

さらに、症状が進むと危険なことから身を守るのも難しくなるので注意が必要です。認知症の徘徊によって、一年間におよそ1万人が行方不明になっているといわれています。方向感覚が障害されると慣れた道でも迷ってしまい、徘徊が増えると行方不明だけでなく、交通事故などの可能性も高くなります。

認知症は本人だけでなく、周囲の人が小さな異変に気づき、早期発見・早期治療につなげることが重要です。なお、次の「アルツハイマー型認知症は前段階や軽度のうちに治療することが大事です」では、アルツハイマー型認知症について詳しくご紹介しています。

 

 

 

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