薬物中毒/アルコール中毒は家族だけで解決しようとせず、医師を受診しましょう

薬物中毒/アルコール中毒は家族だけで解決しようとせず、医師を受診しましょう

薬物中毒/アルコール中毒の治療

薬物中毒やアルコール中毒の治療では中毒症状の改善だけでなく、依存に対する治療を適切に行う必要があります。どのような治療が必要になるのか、具体的に見ていきましょう。

解毒治療

アルコールを含め薬物による中毒症状を改善するには、薬物の使用を止めて体内から出すこと(解毒)が不可欠です。また、薬物中毒で現れた幻覚や妄想などの精神症状に対しては抗精神病薬などの向精神薬を使用します。

しかし、慢性中毒のところでもお話ししたように、中毒症状の消失と依存症が治ることはイコールではありません。糖尿病などの慢性の病気と同じように依存症は完治することはないといわれていますが、特に問題のない状態に回復することはできます。そのためには、薬物依存症の治療をきちんと受けることが重要です。

さらに、薬物の中断による不眠、不安感や焦燥感、抑うつ、幻覚などの離脱症状が出現するため、解毒治療においてはさまざまな離脱症状に対する治療も必要です。

-断酒後に現れる振戦せん妄とは?-

振戦せん妄はアルコールを止めた後2~4日頃に現れ、多くは3~7日で落ち着きますが重症の場合には昏睡に陥って亡くなる危険性もある離脱症状です。不眠や不安感などの症状が現れた後に、全身の震えや「せん妄」と呼ばれる意識障害などが起こります。振戦せん妄は夜間に多く、また、虫やヘビなどが見えるという小動物幻視が現れることも特徴の一つです。

リハビリ治療

薬物依存症も薬物を止めて解毒することが基本です。しかし、薬物摂取によって得られた多幸感や快感の記憶は薬物への渇望を産み、自己コントロールを極めて困難なものにします。
そのため、依存症の治療には離脱症状や薬物連用によって引き起こされた身体合併症の治療とともに集団精神療法や認知行動療法、作業療法などのリハビリ治療が効果的です。
ここでは、アルコール依存症で行われるリハビリ治療をご紹介します。

アルコールリハビリテーションプログラム:ARP

ARPは依存症に関する患者教育やミーティングなどの集団精神療法などを通して断酒の動機づけを高め、酒の力に頼らず生活を送れるようにするためのプログラムです。断酒による離脱症状や身体的な症状がある程度改善したら、抗酒剤などの薬物療法に心理・社会的療法を組み合わせて治療していきます。

また、断酒会やA.A.(Alcoholics Anonymous)と呼ばれる匿名の自助グループに参加し、退院後も続けることで“孤立を防ぎ”断酒を継続できるようにすることも必要です。
なお、薬物依存者を対象とした「薬物再乱用防止プログラム」は地方自治体でも行われており、薬物依存者の自助グループはN.A.(Narcotic Anonymous)と呼ばれています。

「否認」が治療を阻む

アルコール依存症の人の多くは、アルコール依存症という病気があることは知っていても自分の問題として認識することができません。「自分はあんな人たちとは違う」、「自分は酒を止めようと思えばいつでも止められる」と口にすることも多いです。

否認をしているうちは、たとえ治療を受けていても表面上に過ぎず、本来の治療にはなりません。「自分には問題がある」と気づき、認めるといった“直面化”により、患者自身が断酒を選択できることがその後の治療効果に大きく影響します。

治療として行うミーティングでは飲酒に対する今の気持ちや困難な状況などを互いに話し合い、共感する経験と共感される経験などによって自分の問題に気づけるようになります。また、ミーティングは助言や批判の場ではなく、自分のことを話し、他の人の話を聴くだけという点が特徴です。

自助活動

自助活動としてはダルク(DARC)などがあります。ダルクはアルコールや覚醒剤などの薬物依存症の回復を支援している民間の施設です。
スタッフ自身が薬物依存症から回復した“先行く仲間”としてメンバーをサポートしています。

 

アルコール依存症の新薬

以前より使われているシアナマイドなどの抗酒剤は、アルコール代謝酵素の働きを抑えることにより服用中に飲酒すると顔の紅潮や激しい頭痛、頻脈、吐き気などの悪酔い状態が生じる薬です。
従来の抗酒剤は「嫌悪療法」という行動療法を利用したもので、悪酔い状態という不快な症状を生じさせることによって飲酒行動にブレーキをかけさせる効果があります。ただし、毎日服用する必要があり、しかも、服薬には患者のモチベーションが必要となるため治療効果は限定的といわれています。

2013年、アルコール依存症の治療薬としてアカンプロサートが日本でも使用できるようになりました。アカンプロサートの特徴は飲酒に対する欲求そのものを抑制する効果があることです。これまでの抗酒剤に比べて飲酒した時の症状が穏やかで、飲み始めの頃に下痢などが現れることもありますが比較的安全なため高齢者に使うことができます。

 

家族も病気を知り、対応方法を学ぶ

アルコール依存症の治療では家族もアルコール依存症について正しい知識をもち、対応の仕方を学ぶ必要があります。アルコールによる問題を患者に変わって家族が尻ぬぐいをしていては患者が自分の問題として認識することができません。家族自身が自分の生活を大事にすることも必要になります。

また、家族はアルコールの問題を「恥ずかしい」と感じ、「家族だけで何とかしよう」と抱え込み、対応を悩んでいるうちに症状が悪化してしまったということも多いです。専門病院では多くの患者さんの治療にかかわり、多くの経験とさまざまなノウハウをもっています。家族だけで回復を目指すのではなく、できるだけ早く適切な治療を受けることが重要です。

本人が受診を希望しない場合も多いので、家族がまず専門家に相談することをお勧めします。

 

 

 

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