入院に必要な持ち物や入院中のタイムスケジュールはどうなってるの?その疑問、医師がお教えします!

tag / / /
[投稿日] '17/12/08 [最終更新日] '18/03/18 1,671views
入院に必要な持ち物や入院中のタイムスケジュールはどうなってるの?その疑問、医師がお教えします!

今までのコラムで入院が決定する流れ、入院日が決まる流れ、入院部屋が決まる流れをご説明してきました。ですが、入院に際して部屋と同じくらい気になるのが「必要なものは何か」「どのような1日の流れになるのか」ということではないでしょうか。病院にはどのようなものがあって、どのようなものを準備しなければならないのか、入院中はどういう生活になるのか、がイメージできていると、入院への余計な不安が解消されると思います。ですので、今回は「入院に必要な持ち物」「入院のタイムスケジュール」についてお伝えします。ぜひご覧下さい。

またもし前回のコラムをお読みいただくと、本コラムの理解がより深まると思いますので、ぜひこちらも併せてご覧下さい。

入院日がかなり先だけど何でだろう…と思われている方へ。医師がその理由をお教えします。

入院の大部屋って何?室料ってどういう計算になるの?など、入院の時に感じやすい疑問にお答えします!

入院時の持ち物はこれ!

初めて入院される方は特にだと思いますが、入院って何を持っていったらよいかちょっと分かりにくい部分がありますよね。普段と違い、時間に追われることも少なくなるため、空いた時間も多くなります。そのような部分も含めて、一度入院時に必要な持ち物を確認しておきましょう。

まずは、入院に際して手続き上必須なものは下記になります。

  • 病院の受診カード
  • 保険証
  • 特定医療費受給者証(特定の指定難病の方のみ)
  • 限度額適用認定証(70歳未満の方のみ)
  • 入院保証書

これらを持参しないと、そもそも入院することができない、もしくは医療費に対する保険や補助が受けられず、医療費が非常に高額になってしまう可能性がありますのでご注意ください。

診療上、必要なものとしてはこちらがあります。

  • お薬手帳
  • 今内服しているお薬
  • 印鑑

これらは現在の内服を確認する上でも非常に重要ですし、もし現在飲んでいる薬を持参しない場合には、入院後に新しく処方し直す必要があり、無駄な料金が発生してしまいます。また印鑑は、入院中に検査などがある場合に同意書が必要となりますので、そこで使われます。(サインで大丈夫な場合も多いですが)

そして次が日用品で必要なものになります。

  • パジャマ
  • スリッパ
  • 耳栓、イヤホン(大部屋入院ですとイヤホンは必須です)
  • マグカップ
  • ティッシュ(ボックスティッシュ、ウェットティッシュ)
  • 化粧水、リップクリーム、マスク
  • 歯ブラシ
  • コップ
  • お風呂セット(シャンプー、リンス、ひげそり、バスタオルなど)
  • 洗濯洗剤
  • ふりかけ(病院から塩分制限されている場合には禁止)

このあたりは持って行き忘れたとしても病院でレンタルできたり、病院の中のコンビニエンスストアでほぼすべて揃えることができます。入院時に必要な持ち物を考えるときは、何も準備されてはいない格安宿へ泊まる時のイメージで準備をしていくと、必要なものがイメージできると思います。また、病院内は温度を一定に保つために、空調が常にはいっているため乾燥しています。乾燥が気になる方は化粧水やマスクなどを持っていくのもありだと思います。

また、暇つぶしのために役に立つものもお伝えします。

  • スマートフォン
  • ポケットwifi(病院によっては禁止されていることもあり要確認)
  • ノートパソコン(病院によっては禁止されていることもあり要確認)
  • 携帯ゲーム器
  • マンガや雑誌などの本
  • 音楽プレイヤー

このあたりは、個人の好みですが、入院していると想像以上に時間を持て余しますので、時間をつぶすためのものは持っていっても良いでしょう。その際に、周囲の方の迷惑にならないように、イヤホンを使う、あまりカタカタとうるさい音をたてないなどに気を使うと、周りの人とトラブルになることを防げます。音がしないという部分では、本が最も迷惑にならない持ち物かもしれません。普段読まない本を読む時間もありますので、これを機会として読まれてみてはいかがでしょう。またクロスワードパズル、数独などをやっている方も多いですので、お悩みの方はご参考までに。

予定入院の場合には自分で準備することが可能ですが、緊急入院で何も準備していないまま入院になってしまう場合ももちろんあります。その場合は病院からのレンタルでその場をしのぎつつ、ご家族などに持ち物を準備してもらい、翌日などに持ってきてもらうことになります。

 

入院後の日々のスケジュール

入院後はどのような毎日になりますでしょうか。これは入院する病気や診療科はもちろん、病院によっても変わってきますが、一般的な例をご紹介します。

予定入院のほとんどの場合、入院の翌日もしくはその次の日に入院の主目的となる手術や検査が控えています。手術や検査の前日はその準備の期間で、その日の後は手術後・検査後の経過を観察する期間になり、基本的には後ろの期間の方が長いです。緊急入院の場合には、入院してそのまま治療に入ることも多いので、予定入院とは少し異なりますが、治療開始後の期間が長いのは同じです。

また、最近は病院で「クリニカルパス」というものを作っているところが多く、一般的な治療であれば、一般的な流れが紙にまとまっています。例えば胃がんであれば、入院2日目に手術を受けて、6日目に食事を開始して、7日目に抜糸します、というように何日目にどのような処置や検査をするか、何日目ぐらいに退院になるかということがまとまっていますので、それを見ると入院後のスケジュールのイメージがつきやすいです。

それではここからは手術の後の経過観察の時期を想定して、基本的な1日の流れをみていきましょう。

  • 6時 起床:病院の朝は早いです。しかし就寝も早まりますので、そこまで辛くはないと思われます。
  • 7時 看護師による状態確認:体温や血圧測定などが行われ、採血なども行われる場合があります
  • 8時 若手の医師による診察:現在の体調を聞かれ、聴診、触診などが行われます
  • 7時半~9時 朝ご飯
  • 9時〜12時 検査や点滴:CTやレントゲンなど検査がある場合は行われ、点滴がある場合には点滴が開始されます
  • 12時 昼ごはん
  • 13〜16時 検査や点滴:CTやレントゲンなど検査がある場合は行われ、点滴がある場合には点滴が開始されます
  • 16時〜19時 医師による回診:病院によって違いがある部分なので、必ずしも当てはまらないですが、外来や手術などを終えたベテラン医師と担当の若手医師で診察に来る場合があります
  • 18時 夕食
  • 21時 消灯

 

こうしてみるとスケジュールが詰まっていて忙しいように見えますが、検査や点滴は毎日あるわけではないですし、30分程度で終わることも多いので、基本的に日中はそこまですることはありません。看護師の検温が日に3回程度あったり、医師の診察が2回程度あったりしますが、それぞれ5分もかからないので、合わせても30分にもならない可能性があります。

そのため、先ほどお伝えした時間をつぶすための持ち物はある意味必須だといえます。

 

無事退院が見えてきたら…

入院、治療を経て、無事に退院が見えてきたら、退院の手続き退院の手続きは入院のときほど難しくはないです。

まずは主治医から、退院数日前に「あと2日ほど何もなければ退院でいいでしょう」と、退院してもよい日が告げられます。それを受けて、看護師と退院日の調整を行うのですが、実は最近では患者さんやご家族の希望により退院日を遅らせたりすることは難しくなっています。

患者さんのご家族としても患者さんの受け入れ準備があるので、少しでも遅らせたい気持ちはわかります。ですが病院としては次に入院してくる人がすでに多数待っている状態なので、よっぽどの事情がないか、もしくは病院としてベッドに余裕のある状態でなければ、あまり受け入れてはもらえません。1日ぐらいは調整可能かもしれないですが、3~4日遅らせたいとなると難しいことのほうが多いでしょう。

退院日も決まったら、入院費のお支払になります。退院日もしくは退院前日に病院の窓口でお支払をします。最近でこそクレジットカードが使える病院も増えてきましたが、現金のみしか受け付けない病院も多いですので、その場合は事前に準備をしておく必要があり注意が必要です。また一ヶ月以上の長期入院の場合は、退院時にまとめてではなく、毎月請求書が来ますので、毎月お支払をしていく形になります。

また、退院後は外来に何度か通院する必要がありますので、退院後の最初の外来の受診予約を取ることが必要です。これは基本的には患者さん側ではなにもする必要がなく、退院時に医師が外来予約をとってくれますので、その日時を看護師さんから聞きましょう。(たまに患者さんが自分で外来予約センターを通じて外来予約を取らなければならない場合もありますが、その場合でも看護師さんが教えてくれますので、心配は無用です。)

また保険の書類などがある方は、入院中に書類を看護師さんに渡しておけば、最初の外来の際に医師から受け取ることがきますので、入院中に書類を渡せるように保険会社から取り寄せておきましょう。

「どの名医に治療をお願いすればよいのかわからない!」とお悩みの方には、クリンタルの名医紹介サービスをお勧めしています。クリンタルが独自に厳選した「3,500人の有数の専門医」「35,000人の街の名医」の中から、あなたの病気/症状やご希望を考慮して、クリンタルの医師が最適な名医をご紹介します

クリンタルの名医紹介サービス