健康診断の費用や、結果が要治療の時にどうしたらいいか迷われている方へ!看護師がお答えします!

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[投稿日] '17/11/13 [最終更新日] '18/06/12 784views
健康診断の費用や、結果が要治療の時にどうしたらいいか迷われている方へ!看護師がお答えします!

健康診断を受診する意義や検査項目についてはわかっていただけたかと思いますが、ここで気になるのは健康診断を受けるのにかかる費用ですよね。健康診断は、特定の病気の治療ではないため自由診療扱いとなります。そのため、もちろん受ける検査やその数、病院によっても費用は変わってきます。今回のコラムでは、健康診断にだいたいどのくらい費用がかかるのか、ご説明していきます。

もし前のコラムをまだ見ていない方がいらっしゃったら、そちらのコラムを読んでいただくとより理解がしやすいと思いますので、ぜひご覧ください。

健康診断って受ける義務はあるの?前日の食事は何時まで?などの疑問を、看護師が解説します!

健康診断の検査項目ってなに?人間ドックって何を調べる検査なの?

 

健康診断にかかる費用

前のコラムでご説明した一般健康診断と呼ばれる11項目の検査を受ける場合ですが、その11項目の検査を受ける費用の相場は1万円前後となっています。場合によっては一部の項目を省略できるとお話しましたが、この場合には相場はだいたい5,000円ほどとなります。

会社や自治体からの案内で検査を受ける場合には、費用の補助が出ることもあります。会社によっても補助の金額は異なりますが、無料で一般健康診断を受けられる場合もあります。例えば、全国の中小企業が加入している協会けんぽでは、一般健康診断では受診者の自己負担額が最大でも7,038円におさまるように補助を行うこととなっています。(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4030/r91)

補助を利用して健康診断を受ける場合は、補助を利用できる医療機関が限定されている場合がありますので、事前に健保からの案内をよく確認して検査を受けに行きましょう。ただし、「仕事が忙しくて行けなかった…」、「受けるのをうっかり忘れていた…」といった理由で案内された期間を逃してしまうと補助は受けられず、全額実費で受けなければならなくなるので、案内された期間内に健康診断を受診しておくようにしましょう。

 

人間ドックにかかる費用

人間ドックについても一般健康診断と同じ理由により自由診療となります。人間ドックは一般健康診断よりも詳細に身体の様々な部位を検査するものであるため、検査項目が多く、行う検査も大掛かりなものが含まれます。そのため、人間ドックにかかる費用は一般健診のそれよりもかなり高額となります。

一般的な日帰りメニューの料金相場は4万円ほどと言われています。ただ、MRI検査やPET検査(がんを発見するための検査)などが含まれている1泊2日かけて検査を行うメニューでは費用が10万円を超える場合もあります。

人間ドックでも補助を受けられる場合がありますので、1度健保の情報を調べてみましょう。場合によってはある特定のメニューの全額補助プランがあったり、一般の定期健康診断を兼ねる目的で健康保険組合から一部補助がおりるという事があります。

人間ドックは、人間ドック学会によって基本項目や基準値が設定されていますが費用は医療機関によって異なってきます。そのため人間ドックを受ける際には、受けたいメニューを予算に合った費用で受けられる医療機関を探すこと、受けたいメニューは健保から補助が受けられるものなのか確認しておくことが大切です。

 

気になる健康診断の結果について

満を持して健康診断を受け、普段は健康に気を遣えていないし結果が気になる…というそこのあなた。健康診断の結果は、検査を受けてからどのくらいで手元に返ってくるのか、ご説明します。

健康診断を受けてから、その結果が返ってくるまでにかかる時間は、検査を受けた医療機関によっても異なりますが、早ければ即日、平均的には約2〜3週間で結果が返ってくることが多いです。

健康診断を専門とするクリニックでは結果が即日で出ることが多いですが、病院など比較的大きな施設で検査を受けた場合は、結果を受け取るまでに2週間ほどかかることとなります。この違いについてですが、健康診断を受けてから結果を受け取るまでに、医療機関でどのような作業が行われているのかを見ていきましょう。

まず検査項目によって、結果がすぐに出るものとそうでないものがあります。結果が早く出るものは、身長、体重測定や視力検査、血圧測定などであり、結果に時間がかかるのは主に血液検査です。血液検査の結果が返ってくるまでに時間がかかるため、健康診断の結果を受け取るまでに2週間ほど時間がかかってしまうのです。

例えば、血糖や肝機能といった血液中の成分を調べる検査では、採血した後に検体(採取した血液)に対して検査機器を用いて数値を出します。健康診断を専門的に行っているクリニックでは、この一連の操作をクリニック内で行っているため結果がすぐに出ます。これに対して病院など比較的規模の大きい施設では、健康診断の検体だけでなく、外来患者や入院患者の検体など多くの検体を扱わなければなりません。これを施設内で全て検査することは難しいため、検体の検査を専門に行っている外部の施設で検査を行ってもらっているのです。

そのため、即日で結果を出すことができず、全ての検査結果が出揃うまでに時間がかかるわけです。ただし、検査を外注している場合でも、異常な値が出てしまいなるべく早く精密検査を行った方がよいと判断された場合は検査後1週間ほどで医療機関から電話がかかってくることもあります。

また、人間ドックの場合は、より詳しい検査を行うため、検査を行った医療機関に検査機器がない場合もあり、健康診断と同様に外注が必要となるため通常は2〜3週間ほどかかると考えておくのがよいでしょう。医療機関のHPには検査の結果がいつ頃わかるか記載されていることがありますので、どうしても気になる方はHPから確認していただくのがよいでしょう。

 

健康診断結果に異常な項目があった!このあとどうすればいい?

待ちに待った健康診断・人間ドックの結果、いざ確認してみると各項目に判定がつけられていますが、これはどう読み解き、このあとどう行動すればよいのでしょうか?

看護師がわかりやすくお教えします!

日本人間ドック学会では、健康診断の結果はA〜Eの5段階で判定がなされています。それぞれの判定が意味するところは、
A:異常なし

B:軽度異常

C:要経過観察・要再検査

D:要医療・要治療・要精密検査

E:治療中
となっています。

A、Bに関してはこのあと病院を受診する必要はありません。今後も健康に気をつけて生活していけばよいでしょう。ただBの場合には、毎年の変化には気をつけましょう。毎年異常値が続く場合には、一度クリニックを受診して何か原因があるのかどうか相談したほうがいいでしょう。

問題は判定がCであった場合です。要経過観察というのは病院に行った方がよいのか、今まで通り普通に生活しておいてよいのか、判断に悩むところかと思います。この場合については一旦健康に気を遣いつつ、次回の健診の機会まで過ごすようにしましょう。(ただし、身体に不調を感じた場合は速やかに病院を受診しましょう。)

コメントで再検査の指示があった場合には、前日の飲酒など何らかの影響で正しく検査を行うことができなかったと考えられた場合となります。念のため、再度医療機関で再検査と指摘された項目の検査を受けてみましょう。

再度検査を受けることで、1回目に受けた検査の値が間違いであったことが確認できたり、2回目の検査でも同様の異常が現れた場合には病気を見逃すことなく治療につなげられたりします。

判定がDとなった項目については健診結果のコメント欄に書かれている指示に従い、速やかに病院を受診し、治療もしくは詳しい検査を受けるようにしましょう。病院に行かずに放置していると病気が進行したり、がんなどの重大な疾患を発見する機会を逃してしまったりする可能性があります。

仕事などで忙しいのもわかりますし、まさか重大な病気じゃないだろうという気持ちもわかりますが、せっかく早期発見ができたので、早めに受診することで早期治療に結びつけてください。

 

メタボ健診の結果で特定保健指導の文字が…これってどんなことやるの?

一般健康診断や人間ドックとは異なり、メタボ健診ではその結果次第でメタボリックシンドロームを改善するための取り組みとして特定保健指導が行われることがあります。

特定保健指導には、動機づけ支援と積極的支援の2種類の方法があります。

動機づけ支援では、まず1人ならば20分以上、グループならば80分以上をかけてこれまでの生活習慣の振り返りや、メタボリックシンドロームについての知識習得、生活習慣改善に向けた指導を受けることとなります。そしてその6ヶ月後には個別、グループ、電話、もしくeメールで指導を受けてからの生活習慣の変化や体調の変化を報告しなければなりません。

動機づけ支援よりも介入度合いが強い積極的支援では、初回に動機づけ支援の場合と同じ内容の指導を受けてから、継続的に3ヵ月以上個別、グループ、電話、E-mailなどで日々の生活習慣を報告、そしてそれに応じた指導を受けることとなります。そして初回の指導から6ヶ月後には動機づけ支援と同様に初回の指導を受けてからの生活習慣の変化や体調の変化を報告することとなっています

このように、日々の生活に対して指導することで生活習慣の改善を目指すプログラムとなっています。日々の生活に関して色々と指摘を受けるのはあまり気分がいいものではないかもしれません。特定保健指導の対象となってしまう前に日頃の生活習慣に注意を向けてみましょう。

 

最後までお読みいただいてありがとうございます。健康診断についてのコラムは今回が最後になります。日々忙しく過ごしている方も、1年に1回は自分の身体についてしっかりと検査を受ける機会を持ち、健康な生活や習慣を意識してみてください。

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