“どの診療科にいけばいいの?”ー「受診する」って難しい!②

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“どの診療科にいけばいいの?”ー「受診する」って難しい!②

どの診療科を受診すればいいかわからない…

具合が悪い、しかしどの診療科を受診すればいいかわからない…という状況はないでしょうか。これは医学の進歩に伴い、診療科が細分化されていった結果、診療科数が増え、名前が専門的になってきたからです。

医療法ができた1948年には、診療科としては、内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚ひ尿器科(又は皮膚科、ひ尿器科)、産婦人科(又は産科、婦人科)、 眼科、耳鼻いんこう科、理学診療科(又は放射線科)、歯科、のせいぜい15診療科程度でした。

それが、今現在どのような診療科名があるかといいますと….

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と非常に細かくなりました。こちらをみてお分かりになる通り、これら1つ1つを完全に理解するのは不可能に近いです。「消化器外科」と「腹部外科」など診療科としてほとんど同じようなものもありますが、「整形外科」と「形成外科」のように全然違う診療科だけれども間違えやすい代表みたいなものもあります。

一つの症状が全然違う診療科の疾患の可能性

しかし、皆様にご理解いただきたいのは、上記のような細かい診療科の正確な定義の違いではなく、1つの症状がいろんな診療科の疾患の可能性があり、受診すべき診療科を判断するのは非常に難しいということです。

また、受診するべき診療科を誤ると、余計な時間がかかり二度手間になってしまうだけでなく、生命に関わる重大な状況に至ることがあります。

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以下の「頭痛」のケースを見てみましょう。

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Aさんは、40代男性。妻と、中学生の息子と3人暮らし。高血圧と診断されていたが、他に特記すべき健康問題はない。1か月ほど前、部署の異動があったストレスから、喫煙量(17〜20本/日)や飲酒量(ビール3缶/日)が増えていた。目がかすみ、頭がボーっとするような違和感があったが、特に発熱などがなかったので、通常通り働いていた。

ある日の会議の直後、Aさんは今まで経験したことのない強い頭痛に見舞われた。しばらく仮眠室で休憩すると容態は少し落ち着いたが、吐き気も感じたため、近くの病院に行くことにした。何科にかかればよくわからなかったが、頭も痛く吐き気もあったので、一般内科外来の予約をとって受診することにした。

病院の外来は混雑しており、待合室で1時間ほど順番を待っていると、突然嘔吐し、そのまま意識を失った。医師がすぐにかけつけ、CT撮影にて「くも膜下出血」と診断された。そのまま脳神経外科にて再破裂防止の手術が行われ、全身管理下での入院となった。

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今回のケースは、非常に重篤な「くも膜下出血」でした。Aさんは誤った診療科を最初受診しようとしてしまったために、危険な状態に瀕してしまいました。

それではAさんはどうすればよかったのでしょうか。

 

診療科の判断は誰かに聞くしかない

もちろん自分の症状から、どの診療科を受診すればいいか自分で判断できれば一番いいのですが、医療関係者でもないと非常に難しい場合も多いです。そんな時は「医療関係者」に聞くしかありません。

ここでいう「医療関係者」には3パターンあります。

①近くのクリニック(かかりつけ医)を受診する

今回のケースでは当てはまりませんが、これが一番標準的な方法です。何かの病気になった時に、それが”ペインクリニック外科”で診てもらうべきなのか、”漢方内科”で診てもらうべきなのか、判断できるのは医師、特にかかりつけ医です。以前のコラム(「かかりつけ医」の役割)でも述べましたが、その役割を担うのがまさに「かかりつけ医」です。

②病院の予約受付で聞いてみる

最近は大きな病院ですと、予約受付センターや医療連携室、受診相談窓口などといったところが、適切な診療科に患者を振り分ける役割を持っている場合があります。そういうところにはベテランの看護師などが配置されていることが多いため、症状や経過からある程度疾患の当たりをつけて、受診の仕方のアドバイスをしてくれます。ですので、どの診療科を受診しようか迷っているということを電話で相談するのも手です。今回のケースですと、一般内科外来の予約の電話をする際に、電話で症状を少しでも相談することができれば、直接脳神経外科の外来を待つことなく受診できたかもしれません。

③(重篤な場合のみ)救急車を呼ぶ・救急外来を受診する

重篤な場合のみに限られますが、今回のケースでは救急車を呼んでしまうのが一番よかったでしょう。診療科の判断を救急隊員・救急外来の判断に委ねる方法です。彼らが症状や経過を聞いて、どのような疾患か・どの診療科か、というのを判断しますので、重篤かつ緊急な場合は自分で朦朧としながら悩むよりも、頼ってしまうこともありだと思います。

 

というようにこの3つのどれかを活用すれば、だいたい間違いのない診療科選びが可能だと思います。

 

ちなみに今回の頭痛は…

全て自分で判断できるようになりたいんだ、という向上心あふれる方のために、今回のケースを振り返っておきましょう。

今回、Aさんは40〜50代の年齢で喫煙の習慣・高血圧がありました。この段階で脳や心臓の血管がかなり傷んでいると推測します。さらに特徴的な症状として、「突然、今まで経験したことのないような激しい頭痛」が生じています。このような症状や、「バットで殴られたような頭痛」というような症状の場合は、脳血管疾患を疑いすぐ脳神経外科を受診すべきです。

ちなみに、頭痛を起こしうる主な疾患としては下記のようなものがあります。

・脳神経外科:くも膜下出血、解離性動脈瘤

・眼科:緑内障発作

・神経内科:偏頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛

・耳鼻咽喉科:副鼻腔炎

 

いかがでしょうか。受診すべき診療科を適切に判断するためには、頭痛だけでもこれらの疾患の症状・見分け方を全て理解しておく必要があり、それはかなり難しいです。

ですので、上にあげた、かかりつけ医、病院の相談窓口、救急車(重篤な場合のみ)の3つを活用して上手な無駄のない受診をしてください。

 

 

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