症状・疾患別受診すべき医療機関⑭-神経系の症状・疾患:神経内科・脳神経外科

症状・疾患別受診すべき医療機関⑭-神経系の症状・疾患:神経内科・脳神経外科

生命活動の全てに関わる!―神経内科・脳神経外科が診る神経系の働き

今回は神経内科で主に診る神経に関連する症状・疾患のお話です。まず、神経系の概要を確認しましょう。神経系の働きは、

①体の外部または内部から刺激を受け取り

②処理し

③その時々に応じて適切な運動・行動を起こす指令を出すこと

です。

①の受け取る刺激には、光、音、におい、触った感覚(触覚)、痛み(痛覚)、温かい・冷たい、などがあります。②処理とは意識的に考える、または無意識的に(反射的に)反応することです。この処理過程には、過去に受け取った刺激を“記憶“しておくことも含まれます。③運動・行動とは、腕を曲げる・伸ばす、歩く、心臓の拍動を速める、腸を動かすといったものがあります。

神経系は生命活動の全てに関わるといっていいほど重要な機能を果たしていることになります。また、解剖学上、神経系は中枢神経と抹消神経に分けられ、中枢神経には脳と脊髄があり、主に②の処理を担当している部位です。抹消神経は、中枢神経から伸び出ている”電線“状の構造で、中枢神経への刺激の伝達(①、感覚神経)と、中枢神経からの指令の伝達(③、運動神経)を行っています。

 

神経内科や脳神経外科が診る神経系の疾患

今回のコラムでは、主に神経内科や脳神経外科を受診すべき疾患に絞って解説します。

ただし、神経系は、身体の多くの機能を担っているため、障害された場合には実に様々な症状が出現うることには注意しましょう。例えば“便秘”は,一見消化器系の症状ですが、その原因は腸の運動を司る神経の障害である場合もあります(糖尿病の方にこのようなことがみられます)。

認知症

大脳を中心に障害がおこる疾患で、主に“記憶“することがうまくできなくなっていまいます。いわゆる”物忘れ“として広く知られている疾患で、以前は”痴呆(ちほう)“と呼ばれていました。記憶障害以外にも、幻覚、不眠や、抑うつ、怒りっぽいといった性格の変化、徘徊などの行動異常を伴うこともあります。認知症には様々な病型があり、アルツハイマー病が最も多く、最近ではレビー小体型認知症という病型も注目されています。

パーキンソン病

典型的な症状は、じっとしているときに手や足が振るえる(医学用語では安静時振戦といいます)、筋肉がこわばってしまう、うまく歩けない、顔の表情が乏しくなるといったものです。身体の運動に関わる症状が中心ですが、抹消神経(運動神経)が障害されているのではなく、大脳における運動を調節する部位が障害される疾患です(少し詳しくいうと、大脳基底核の黒質という部位の神経細胞が変性してしまいます)。

てんかん

この疾患は、別のコラムでも解説しましたが、けいれんなどの発作を繰り返してしまう疾患です。大脳の神経細胞が異常に興奮してしまうことによります。

脳出血

脳の中ある血管が破れて出血してしまったものです。出血すると、その周辺にある脳細胞が障害されてしまうため、部位に応じて様々な症状が出現します。例えば、感覚神経からの情報を処理していた部位が障害されると感覚障害が出てしまいます(光刺激を処理する視覚野が障害されると目が見えなくなります)。基本的には突然発症する疾患なので、症状も急激に現れます。また、頭痛や嘔吐といった症状を伴うこともよくあり、重症では意識を失います。

脳梗塞

脳に血液を送るための血管が詰まってしまい、酸素・栄養が得られなくなった脳細胞が死んでしまうものです(心臓における心筋梗塞と病態は似ています)。症状は、脳のどの部位の血管が詰まってしまうかによって異なります。頻度が高い症状としては、体の半分を動かしにくくなる(片麻痺といいます)、感覚が鈍くなる、呂律がまわらなくなる(構音障害といいます)などがあります。脳梗塞も脳出血と同様に症状が急激に現れます。

くも膜下出血

脳出血とは違い、脳の周りにある血管が破れて出血する疾患です。突発的に出現する激しい頭痛、嘔吐が特徴的な症状で、重症では意識を失います。原因として多いものに脳動脈瘤(血管の一部がこぶのように膨らんでしまった状態)があり、脳ドックのMRIなどで偶然発見される場合も増えています。

なお、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血はいずれも突然発症して(ときに)意識障害から倒れて(卒倒)しまうということから脳卒中と総称されることも多い疾患です。

脳腫瘍

脳やその周辺(頭蓋骨の内側)にできる“できもの“・腫瘍です。発生した部位に応じて様々な症状が出現します。頭痛や嘔吐、麻痺や感覚障害、言葉を話せなくなる、耳が聞こえづらくなる、めまいがするなどがあります。

 

神経内科と脳神経外科のどちらを受診すべきか

神経系の疾患を専門的に診る診療科の代表が神経内科と脳神経外科です。この2つはどのように使い分ければよいのでしょうか。症状だけからはっきりと区別することは難しいのですが、基本的に、症状がゆっくり出現した場合にはまず神経内科を、急激に発症した場合には脳神経外科を受診すれば、大きな失敗をする可能性は低くなると思います。

症状がゆっくり出現するものには、上記の疾患のうち、認知症やパーキンソン病があり、てんかんも発作自体は急激ですが、これを繰り返すという意味で慢性疾患といえます。これらの疾患は薬物療法が中心となるため、神経内科が得意としている疾患です。ただし、薬物療法が効きにくい場合や、外科的な処置で症状が改善する可能性があると判断された場合には、脳神経外科での治療を行うことになります。

脳腫瘍は、多くの場合症状が徐々に現れます。脳腫瘍の詳しい検査や治療自体は脳神経外科で行うことが多いのですが、脳腫瘍は他の疾患に比べるとまれですので、まずは神経内科で脳腫瘍の疑いがある(可能性が高い)ところまでは診断をつけてから脳神経外科を紹介してもらうほうがベターでしょう。

脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)を疑う、急激に出現した症状がある場合には脳神経外科を受診したほうがよいでしょう(ただし後程解説するとおり、救急車を呼ぶべき状況でもありますので、ご自身で診療科を選ぶということは少ないかもしれません)。これらの疾患では緊急に外科的処置が必要になる場合があります。急性期を乗り切った慢性期では、神経内科での薬物療法やリハビリを継続することもあります。

 

神経内科・脳神経外科のクリニック なのか 大病院なのか

神経系の疾患は、症状が多岐にわたるうえ、同じ症状でも様々な疾患の可能性が考えられます。診断自体に専門的な知識を要する領域といっていいでしょう。このため、神経系の症状が出た場合、専門医のいる大病院か、クリニックを受診するにしても、神経内科を専門とする(していた)医師が在籍するクリニックを選んで受診すべきです。ご自身で思い当たる医療機関がない場合は、かかりつけ医に相談し、紹介してもらうとよいでしょう。専門機関で診断がついて、症状、治療内容が安定した段階で、かかりつけ医にバトンタッチして長期治療を行うというパターンもあります。

また、上記で解説した脳卒中を疑うような症状が出現した場合には、躊躇せず救急車を呼びましょう。特に脳卒中のなかでも脳梗塞は、発症後早い段階では後遺症を減らす治療(血栓溶解療法)が可能になってきています。

後遺症が多いか少ないかは、急性期を乗り切った後の、患者自身、介護するご家族の生活を大きく左右する問題となりますので、早い対応ができるようにしたいものです。

 

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