血小板が少ないときにどうすべきか?少ない理由は?

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[投稿日] '16/11/14 [最終更新日] '18/01/19 21,010views
血小板が少ないときにどうすべきか?少ない理由は?

怪我をして血が出た時には、かさぶたが傷を塞いでくれますね。皆さんはこれが何か知っていますか?

実は血液中に含まれる「血小板」という細胞が、出血を感知して傷口を塞いでくれているんです。

血小板は血液検査の項目にも含まれていますが、血小板が減り過ぎたり、増え過ぎたりしてしまう病気があったり、時に命に係わる危険な病気が潜んでいたりすることもあります。とはいえ、正しく理解をしていれば怖い検査項目ではありません。

私たちの体にとって大切な役割を果たす血小板、どのような役割があるのか、そして血小板が多い時、少ない時、どのような病気が考えられるのか見てみましょう。

 

血小板が少ないと血を固める能力が低下

怪我をして血が出た時にかさぶたができるメカニズムには、血小板の持つ「血を固める役割」(凝固作用)が大きく関係しています。出血時に血管が破れた部分に血液中の血小板が集まってきて、栓となってその部分を覆うことで応急処置をしてくれます。これがかさぶたです。

つまり血小板が少ないとこの応急処置の能力が低下してしまうわけです。

ちなみに、血小板は骨髄で成長した巨核球が分裂する時に血中に放出される顆粒で、血液成分の中では最も小さい血球です。骨髄から放出された血小板のうち、3分の2は全身へ巡る血液中を循環し、3分の1は脾臓に残ると言われています。血小板の寿命は3~10日ほどで、血液中を循環した後、主に脾臓で処理されます。

血小板 少ない

血小板の基準値15万から37万個/μLを下回ると少ないと判断される

この血小板が、傷を負った際に血液を凝固させるのに十分な量が血液中にあるのか調べる為には、血液検査を行います。検査項目に「血小板数」「Plt」と表記されているのが血小板です。血小板の基準値はおおむね15万から37万個/μLとされており、この基準より多いのも少ないのもいけません。

ただし男女差や個人差もあるので、上下10%前後は許容範囲であると言われています。ただ、個人の中での数値の変化は少ないため、検診などで自分の血小板数に大きな変化があった時は何かしら体調に変化があることが考えられます。例えば、切り傷ができているとそれが血小板の値に影響することもあります。

血小板がどれくらい少ないとまずい?

上記のように、血小板は通常15万~37万個/μLが正常であると言われています。血小板には血液凝固作用がありますので、基準値を下回ると止血作用に影響が現れます。

血小板が8万~10万個/μlの場合

血小板減少症。出血した時、血が止まりにくくなります。

血小板が5万個以下の場合

いつのまにか皮下出血していたり、自然と鼻血が出たりします。皮下出血とは俗にいう紫色の斑点のあざを指します。あざは毛細血管の出血を伴う事から、些細な刺激でも出血しやすくなっている状態を示します。

血小板が少ないと、歯みがきをしたとき、歯ぐきから出血をしたり、便や尿に血液が見られることがあります。女性の場合は月経の量が増えることもあります。また、怪我をしたときや鼻血が出た時などに血が止まりにくくなります。そして更に症状が進行すると、さらに出血しやすくなる傾向になります。血小板が非常に少ないと、消化管からの出血を起こして多量の血液が失われたり、大きな刺激がなくても命に係わる脳内出血などが起こることもあります。

 

血小板が少ないときには何が起こっている?原因は?

血小板が少ない場合には、血小板を作る量が少ないか、消費されるのが多くなっているか、が考えられます。

血小板を作る能力の低下

血小板が基準値よりも下がる原因の一つとして肝機能障害があります。肝炎や肝硬変などで肝臓の線維化が進むと、血小板の生産量が少なくなったり、肝臓の血流が悪くなると、血小板が破壊される量が増え、血小板が少なくなります。また、骨髄線維症などで発症する脾腫(脾臓の腫瘍)では、血小板が脾臓に取り込まれて破壊されてしまうので、血小板が少なくなります。

白血病では、骨髄が血小板を十分に生産できなくなることで血小板が少なくなります。また、ヒト免疫不全ウイルス(HIVウイルス)に感染した場合も、多くの場合で血小板減少症を発症すると言われています。

他にも、血液の癌である悪性リンパ腫や、多くの臓器が自己免疫によって侵されてしまうことで身体に様々な影響を与える全身性エリテマトーデスでも血小板の減少が見られます。

できた血小板の大量消費により生産が間に合わない

体のどこかから出血すると、出血を止めるために血小板が大量に消費され、血小板が少なくなります。また、怪我をしていなくても、消化管の出血など、体の中で出血していて血小板が消費されていることもあります。

ストレス・薬の副作用・化学療法/放射線療法の副作用も

血小板の数値が病的に少ないわけではなく、基準値よりも少しだけ下回るといった際には、ストレスが原因であることも考えられます。ストレスがかかると、体内の活性化酸素が増大し、細胞組織が破壊されます。その破壊された細胞を修復する為に血小板が大量に消費され、少ない状態になります。

また服薬や治療によっては、副作用で血小板が少なくなることがあります。もし服薬や治療を始めていて血小板が少ないとでたり、それに伴う症状(皮下出血など)が出ているのであれば、一度主治医に相談してみましょう。

また他にも血液検査のやり方により血小板が少ない結果となることもありますので、その場合は慌てずに再度受診して血液検査をやり直してもらうのが良いでしょう。

 

血小板 少ない

 

血小板が少ない時、何科を受診すればいい?

上記のように、血小板が少ない理由が、血液を作る機能が原因の場合と、それ以外の原因で血小板が大量に消費されている場合があります。血小板の数値が少ないと言われたときには、原因となる病気が潜んでいないか確認する為に、まず内科か血液内科を受診しましょう。

血小板が少ない時、まずは血液検査の再確認をします

血小板が少ないとき、先ほど述べたような血液検査のやり方が原因の場合がありますので(決して検査が失敗したというわけではありません)、まずは再度血液検査を行います。

その際に血小板が少なくなる他の原因である肝機能障害や白血病なども合わせて確認するため、赤血球数、白血球数、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP、ALP(アルカリホスファターゼ)、総ビリルビン、総たんぱく(アルブミン)、LD(乳酸脱水素酵素)、コリンエステラーゼ、HBs抗原・抗体、HBe抗原・抗体、C型肝炎ウイルスなどの値も見ます。

これらによって大まかに何が原因で血小板が少なかったのか、あたりをつけます。

 

骨髄生検での調査

上記の検査を経て、どうやら白血病の可能性が高そうである場合、血小板を生産する骨髄の病気の有無を調べる為に骨髄生検を行います。それにより例えば、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群、白血病などの病気が明らかになります。

 

血小板が少ない状況に気づくために

血小板が少ないということは、出血しやすい状態や細胞が壊されやすい状態になっているということです。日常生活の以下のような点についてもチェックしてみると良いと思います。

  • 歯を磨いている時に出血しやすくないか
  • 歯の治療など、出血する可能性のある治療で血が止まらないことはないか
  • 鼻をかんだらすぐに鼻血が出ないか
  • 排便時、血が混じったりしないか
  • 皮膚にあざのようなものがないか

上記のような日常生活からでも気づくことができる症状については、血が出やすい、止まりにくい、ということから気づくことができるかもしれませんね。日頃から自分の身体の状況には気をつけ、何か小さな異常があったときにきちんとそれに気付けるかどうかということが大事です。

 

血小板が少ないときにはストレスを疑いつつも再検査&受診

まずは自分にストレスが過度にかかっていないかということを落ち着いて考えて、ストレスを抱えているのであればこれを解消することが大事です。

ストレスによって作られた余分な活性酵素によって壊された細胞を修復する為に、血小板が大量に消費され、血小板が少なくなります。その為、普段からストレスを貯めない生活を心がけましょう。また、睡眠不足や喫煙、紫外線でも活性酵素が増えると言われていますので、まずは活性酵素を発生させないよう生活習慣を改めましょう。

血小板の値が少ないときに、基準値よりも少しだけ少ないという場合にはストレスの問題で、解消されることもあるかもしれませんが、一方で何か身体に異常があるのではないかと心配な場合には再度血液検査を行ったり、血液内科などを受診するほうがよいかもしれません。

 

 

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