めまいでぐるぐる、ふわふわ…耳だけじゃなくて脳の病気の可能性があります!

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[投稿日] '16/08/20 [最終更新日] '18/03/18 315views
めまいでぐるぐる、ふわふわ…耳だけじゃなくて脳の病気の可能性があります!

めまいとは

めまいの経験はありますか?めまいとは、体の位置感覚や運動感覚の異常を訴えることをいいます。これはどういうことかといいますと、目から得た感覚情報(視覚と言います)や、耳で感じる上下左右のバランス感覚(平衡感覚といいます)などがうまく合わない、感覚の不調和のことです。

あまりにも重症化しますと、ふらついたり、立てなくなったりすることもありますが、めまいは、基本的に位置感覚の不調和や異常のことを意味しますので、運動失調とよばれる手足や体自体を動かそうとすることが出来なくなる状態とは異なるものです。

また、起き上がる時に立ちくらみをすることがありますが、これは起立性低血圧という病名からわかると思いますが、起き上がった時に血圧が下がってふらふらするものですので、それとも異なります。

 

めまいの原因

めまいは、それ単独で起こることはありません。たいていのめまいには、原因となる病気が背景にあります。めまいの背後には、脳腫瘍や脳出血、脳の血管の異常などの脳の病気や、メニエール病や突発性難聴といった耳の聞こえ具合の悪化や耳鳴りの病気などが隠れていることが多いです。めまいは、こうした背後に隠れている病気によって現れてくる症状が異なります。めまいの症状を見れば、ある程度はその背後に存在している原因の病気が推測出来ます。

めまいの種類

めまいは、目や耳などの感覚を感じる部分、いわば体のセンサー部分から、脳に感覚情報を伝える過程で問題が起こることで発症することが多いです。問題が起こる部分が、この感覚を感じる部分から脳へのルートのどこにあるかで、2つに分けることが出来ます。

1.中枢性めまい

”中枢”とは、脳を意味しています。脳腫瘍ができている、もしくは脳の血管に異常があるといった具合に脳になんらかの病気がある場合に起こります。めまいの症状そのものはそれほど強くありませんが、長く続くのが特徴です。じっと注目している方向においての自身の意思とは関係なく眼が動く注視性眼振もしくは、方向一定性眼振とよばれる状態などを認めます。

2.末梢性めまい

”末梢”とは目や耳の感覚を感じる部分を意味しています。人間の体の神経ネットワークは脳を中心と考えますので、目や耳といったいわばセンサー部分は末端という位置づけになるのです。末梢性めまいはさらに、原因の部分がどこにあるかということにより、”前庭性”か”中耳性”かの2つに分けられます。ちなみにどちらも同じ末梢性めまいですが、両者の症状は全く異なります。

①前庭性めまい

”前庭”とは、三半規管や耳石など体のバランスをとるために働いている部分です。三半規管は頭の3次元的な位置感覚を司ります。また、耳石は重力や前後方への直線上の体の動き(加速度)を感じとる働きをします。こちらについては、飛行機のジャイロセンサーと同じような機能を果たしています。前庭性めまいは、これら体のバランスを保つための感覚を感じるところに問題が生じることで起こります。この場合のめまい症状の特徴は、難聴や耳鳴りを伴わないことです。

②内耳性めまい

”内耳”とは、耳の鼓膜より内側の部分を指します。内耳性めまいの場合は、耳の聞こえ具合の悪化や耳鳴りを伴うことが特徴です。原因となる病気は、メニエール病や突発性難聴が多いです。

 

 

めまいの症状

めまいの症状を表現すると、体のぐるぐる回る感じ、揺れ動く感じ、ふわっと浮いたような感じ、ぐらっと傾いた感じ、さらには、意識がとんでしまったような感じ、と人の感じ方によって様々です。中枢性めまいの場合は、それほど強い症状は認めませんが、末梢性めまいは、吐気を伴ったり、または吐いたり、歩けなくなるほどふらついたりします。立っていられないほどのめまいなど、あまりにも重症の場合には入院が必要になることもあります。

 

めまいの治療

1.中枢性めまい

中枢性めまいの治療は、めまいを起こす原因となった病気の治療となります。脳のCTやMRIなどの画像診断で脳腫瘍や脳の血管の異常を探します。その結果に応じて、脳外科医など専門医の治療を受けることになります。

2.末梢性めまい

末梢性めまいの場合、めまいの症状が強いので、まずはめまいの症状の緩和を図ります。その上で、原因の治療を行ないます。ただし、突発性難聴の場合は、早急な治療が必要となります。

1)前庭性めまい

症状の緩和を目的に薬を投与します。めまい自体に対しては、めまいを抑える薬を用います。内耳とよばれる鼓膜より内側の部分の血の流れを良くして、その部分に血がたまらないようにするために、血の巡りを良くする血液循環改善薬を使います。炎症の緩和目的に副腎皮質ホルモン剤を投与します。不安感を改善するために、精神安定剤を飲んでもらうこともあります。

2)内耳性めまい

内耳性めまいの原因として、メニエール病や突発性難聴が多いと書きましたが、それぞれのケースで治療方法も異なります。

メニエール病は、めまいで有名な病気ですが、耳鳴りや耳の聞こえ具合の悪化を認めることでも知られる病気です。進行してから治療を開始しても治りにくいため、早めに治療を受けることが肝要です。この病気が発症するケースの大多数はストレスが原因で発症しています。ですので、基本的な考えとしてストレスの緩和が大切になります。治療としては症状の緩和を目的にした薬物を使った治療が中心となります。このために、いろいろな種類の飲み薬を処方することになります。

まず、主な症状であるめまいの緩和を目的に、めまいを抑える薬を使います。耳の聞こえ具合や耳鳴りの改善を目的として、副腎皮質ホルモン剤を使います。

それ以外にも、メニエール病は、内耳という耳の鼓膜より内側の部分に体液がたまって、いわば水ぶくれのような状態を起こすことで発症しますので、ここにたまった体液を取り除くということが必要となります。そのために、体液の排出を促す利尿薬とよばれる薬や血の流れを良くする血液循環改善薬という薬などを組み合わせて用います。

さらに、めまいや耳の聞こえ具合の悪化、耳鳴りという症状による不安感がストレス源になり、余計にストレスを感じることもありますから、こうしたストレス源を除くために、精神安定剤を使うこともあります。

一方で、突発性難聴の場合には少し異なります。

突発性難聴は読んで字のごとく急激に耳が聞こえにくくなる病気です。突発性難聴の予後ですが、起こってから1週間以内に治療が開始された場合は、比較的経過はよいですが、それ以降になると治療の成功率は急激に低下します。すなわち、生涯にわたって耳の聞こえ具合が悪くなったままになったり、耳鳴り、めまいが残る可能性があります。そのために、めまいだけでなく、耳の聞こえ具合も悪くなったり、耳鳴りもしたら、この病気の可能性が高いと考えて出来るだけ早めに耳鼻咽喉科で診てもらわないといけません。

メニエール病もめまいや耳の聞こえ具合の悪化、耳鳴りを症状としていますが、メニエール病がめまいが主な症状であるのに対し、突発性難聴は耳の聞こえ具合の悪化が主な症状であるというところに違いがあります。早期の治療開始が大切という点は、どちらも共通です。

突発性難聴に対しては、ステロイドパルス療法という治療を行ないます。この治療法は、副腎皮質ホルモン剤を3日間にわたって1回あたり1〜2時間かけて大量に点滴するというものです。これにより、劇的な治療効果を期待すると言う意味で”パルス(衝撃という意味)”という単語が付けられています。副腎皮質ホルモン剤を使う場合、一般的には副作用が大きいイメージがあるかと思いますが、実際のところはあまりありません。できるだけ副作用がおこりにくいように、短期間での投与とすることである程度副作用が抑えられると言われています。

 

 

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