将来男性型脱毛症になるかどうかは母方の祖父がどうかを見ましょう!?

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[投稿日] '16/08/19 [最終更新日] '18/03/18 183views
将来男性型脱毛症になるかどうかは母方の祖父がどうかを見ましょう!?

男性型脱毛症の概要

男性型脱毛症は、思春期以降に発病する脱毛症のことで、進行性という特徴のある病気です。日本では「男性型」という名前が付いているので、男性しか発症しないように思われがちですが、厳密には女性でも発症することは有ります。英語ではAGA(Androgenetic Alopecia)と略されていますが、これは「男性ホルモン型脱毛症」の略です。女性にも起こりうるので、こうした名称になっているそうです。ですから、英語名称の方が誤解が少なくていいかもしれません。

男性型脱毛症の患者数

日本人の場合では、約1,200万人ともいわれています。概ね日本人の成人男性の3人に1人の割合です。早い人では、20代から発症します。もっとも多い、年代は50代以降となっています。

男性型脱毛症の症状

男性の場合は、こめかみの上方から薄毛が始まり、どんどん生え際が後退していきます。一般的にはアルファベットの”M”の用なかたちになってきます。また、額だけでなく、頭のてっぺんの部分の髪の毛も薄くなってきます。たがし、どちらか一方だけ薄毛になる場合もありますし、双方ともになる場合もあります。

女性の場合は、男性の場合と脱毛のパターンが異なります。男性の場合によく見られる生え際の後退があまり認められないのです。女性の薄毛化には、頭のてっぺんを中心にして頭全体の髪の毛が細くなるという特徴があります。また、男性と異なり、完全に髪の毛が無くなってしまうことはないです。

冒頭に記載しましたが、男性型脱毛症の困ったことは、進行性の脱毛症であるということです。すなわち、放っておくとどんどん進行していくということです。

 

男性型脱毛症の原因

既に述べていますように、英語の「男性ホルモン型脱毛症」という名称が指し示すように、男性型脱毛症は男性ホルモンが原因です。男性ホルモンにも種々ありますが、特にジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが影響しているといわれています。

これは、男性ホルモンの一つであるテストステロンが酵素により変化して出来たものです。飲み薬タイプとしては世界で唯一と思われる、男性型脱毛症の治療薬である「プロペシア」という薬がありますが、その主成分であるフィナステリドの発毛効果が発揮される理由は、このテストステロンをジヒドロテストステロンに変化させる酵素の作用を邪魔することにあります。実際、ジヒドロテストステロンが減少することで、男性型脱毛症が改善することが医学的に証明されています。

また、家族性に発病が見られる傾向もあり、遺伝も関与していると考えられています。経験的に親が薄毛だったら、子供もそうなるようなイメージはありませんか。現在、鋭意遺伝子の同定も進められており、男性型脱毛症の原因として有力候補となっている遺伝子は、母親から受けるX染色体に存在しています。父親が薄毛だから子供も将来そうなるという想像よりは、母方の祖父が薄毛であった場合に、その孫が将来薄毛になる可能性があると考える方がよいかもしれません。すなわち、母方のおじいさんの頭を見たら、将来の自分の髪の毛の状態を予想出来るかもしれません。

ただ、この可能性について研究しているチームは「他にも関与している遺伝子があるかもしれず、断定は出来ない」とも言っておりますので、父親の遺伝子に何らかの原因が潜んでいる可能性は否定できず、今後の研究が待たれます。

男性型脱毛症 皮膚科

男性型脱毛症の治療法

薬物療法

我が国で使用が認められ、病院で処方してもらえる脱毛症治療薬は塗り薬であるフロジンと飲み薬であるプロペシアになります。

①フロジン(塗り薬)

フロジンは外溶液で、1日2~3回塗ります。または、頭皮部分全体にふりかけてマッサージします。効果としては円形脱毛症、壮年性脱毛症、症候性脱毛症などに効き目があります。

塗ったところの皮膚によく染み込み、その部分の血管を広げて血行を促進します。使ってはいけないケースは特に指定されていませんし、重篤な副作用の報告はありませんが、一過性に皮膚が赤くなる、かゆみ、熱っぽくなる、汗がでる、寒気、震え、吐気、などが報告されています。

②プロペシア(飲み薬)

世界で初めて、効果が医学的に証明されている”フィナステリド”という成分を含んだ飲み薬タイプの男性型脱毛症治療薬です。男性型脱毛症以外に、壮年性脱毛症(いわゆる若ハゲ)にも効果があります。

この”フィナステリド”という成分は、本来は男性型脱毛症の為に開発されたものではありません。前立腺肥大症や前立腺がんの治療薬として開発されたものなのですが、使用してみたところ、髪の毛が異常にはえてくるという副作用が現れました。そこで、その成分を研究してみたところ、髪の毛の元といえる毛母細胞の働きを邪魔してしまう男性ホルモンの作用を抑制するという効果がわかったのです。ですから、初めから脱毛症の治療薬として開発されていたのではない、偶然の産物だったのですね。薬の発見にはしばしばこういうことがあるようです。

そこで、この男性ホルモンを抑えて育毛を促進することを目的に製剤化されました。まず最初にアメリカで認可されましたが、現在では日本でも厚生労働省の認可承認がおり、プロペシアとして販売されています。

薬は錠剤で、0.2mgと1mgの二種類があります。飲み方は、1日に1回0.2mg飲みます。症状に応じて1日1mgまで増やすことが出来ます。飲み始めてから3ヶ月くらいで抜け毛が減ってきますが、油断大敵です。少なくとも6ヶ月は毎日飲み続ける必要があります。治ったかなと飲むのをやめると、再発してしまうこともあるので、継続的に飲み続けた方が良いかは、医師に相談しながら様子を見たほうがよいかもしれません。

効果を高めるために重要なポイントとして、平均的に脱毛が始まってから5年以内なら効果が高いと言われています。また、年齢も若ければ若いほどよく効くようです。ですので、薄毛が気になり出したら、早めの治療開始が効果的です。

この薬の副作用として、肝臓を傷めてしまう可能性が指摘されています。他、男性ホルモンに作用する薬なので、勃起しにくくなる、射精しにくくなる、精子の量が減り質が低下する、男性不妊症などが報告されています。

この薬を女性に使う場合の注意として、妊娠した女性に使うことによって得られる効果より、危険性がの方が高いとされています。妊娠した女性や、授乳中の女性はこの薬を使ってはならないとされていますので、注意してください。

自毛植毛法

薬による治療ではなく、自毛を使って植毛するという治療法も存在します。男性ホルモンの影響を受けにくい後頭部の髪の毛の毛包ごと採取して移植するという方法です。

これにより、髪の毛の薄くなったところの髪を回復させます。移植した毛が、ちゃんと付いてくれれば、本来が自分自身の毛なので、自分の髪の毛としてはえ続けてくれます。毛には、自然と抜けるサイクルがありますが、移植した毛は、その後もまた、はえてくるそうです。成功率は、90~95%ということですから、比較的高いと言えるでしょう。

 

 

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