鼻水がたくさん出て治らないのは慢性副鼻腔炎かもしれません

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[投稿日] '16/07/27 [最終更新日] '18/03/18 306views
鼻水がたくさん出て治らないのは慢性副鼻腔炎かもしれません

慢性副鼻腔炎の概要

慢性副鼻腔炎はいわゆる“ちくのう”のことです。

鼻の穴の中を医学用語では“鼻腔”と言います。鼻腔の周囲には骨で囲まれた空洞が左右に4個ずつ合計8個あり、これらはまとめて“副鼻腔”と呼ばれています。慢性副鼻腔炎はその名前のとおり副鼻腔の炎症が慢性化したもので、いわゆる“蓄膿症(ちくのうしょう)”と呼ばれる病気のことです。

“蓄膿”と呼ばれることからもわかるように慢性副鼻腔炎では副鼻腔内に膿(うみ)や分泌物がたまることで、さまざまな症状が現れます。ただし必ずしも8個の副鼻腔全てに膿があるわけではありません。

ちなみに慢性とは症状が比較的長い間持続することを意味する医学用語です。副鼻腔炎の場合は、およそ3ヶ月以上症状が持続する場合に慢性副鼻腔炎と呼ばれます。慢性副鼻腔炎は小児から成人にまで起こる病気ですが、いくつか違いがあります。違いについては後述します。

 

慢性副鼻腔炎の症状

副鼻腔は鼻腔とつながっています。そのため副鼻腔にたまった膿や分泌物が鼻水(正確には鼻汁(びじゅう)と言います)として出るようになります。鼻水の量があまりにも多いために、ティッシュが手放せなくなる人もいます。鼻から出る鼻水を鼻漏(びろう)、のどの方に出る鼻水を後鼻漏(こうびろう)と言います。後鼻漏は咳の原因となるために、長引く咳の原因が実はカゼではなく慢性副鼻腔炎であったというケースも珍しくありません。症状が長引かないように、きちんと耳鼻咽喉科の名医に診てもらいましょう。

また副鼻腔の炎症が鼻腔にまで広がった結果、粘膜が傷害されてむくんだり、膿を含んだ鼻汁が流れ込んだりすることで、鼻づまり(正確には鼻閉(びへい)と言います)が起こります。その結果、いびきをかく、においがわかりづらい、さらには鼻ではなく口で呼吸するなどの症状を伴うこともあります。また鼻腔粘膜が盛り上がり、鼻の中にポリープ(鼻茸(はなたけ)とも言います)ができる場合もあります。これができると、いっそう鼻づまりは悪化します。

症状は鼻づまりだけでなく、痛みが出る場合もあります。痛みの場所は、膿がたまっている副鼻腔の部位によって違い、頭、目、頬、歯などが代表的です。ただし痛みは急性副鼻腔炎の方が強く、慢性の場合は痛みというよりも、“うずく”、あるいは“重い感じ”といった程度にとどまることがほとんどです。

 

慢性副鼻腔炎の原因

細菌感染
急性副鼻腔炎はカゼなどのために鼻腔に起こったウイルスや細菌感染が副鼻腔にまで波及することで生じます。炎症を起こした副鼻腔では通常よりも分泌物が増加します。一方で炎症のために副鼻腔と鼻腔のつなぎ目が腫れると、副鼻腔内にたまった分泌物を外に適切に出すことが難しくなります。
そうして病的にたまった分泌物はさらなる細菌感染の温床となって膿を伴うようになるとともに、分泌物中に含まれている炎症性物質がますます副鼻腔の組織を傷つけ、そのことでますます分泌物や炎症性物質が増えていくという悪循環に陥り、治りが悪くなって副鼻腔炎が慢性化していきます。
なお鼻腔から波及するだけでなく、咽頭炎・扁桃炎(いずれもいわゆる“のど”の炎症です)や真菌(しんきん。病原微生物の1種で、カビのことです)感染症でも副鼻腔炎を生じることがあります。

アレルギー
これに対して細菌感染とは無関係に慢性副鼻腔炎を起こす人が存在し、その原因として何らかのアレルギーが関係しているものと考えられています。
特に好酸球(こうさんきゅう)性副鼻腔炎副鼻腔炎の人は、鼻茸ができることが多く、やはりアレルギーと深く関わっている気管支喘息やアスピリン喘息を同時に合併していることがよくあります(反対に気管支喘息の患者さんに慢性副鼻腔炎を合併することも多く、特にアスピリン喘息ではほとんどの人が慢性副鼻腔炎を有しています)。またこのタイプは成人に多く、治療に難渋することが知られています。
一方で小児の慢性副鼻腔炎は細菌感染の要素が強く、思春期にかけて自然に治癒する場合も少なくありません。

 

 

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