歯周病の治療は、歯磨きと歯周基本治療をコツコツとが大事

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[投稿日] '16/07/18 [最終更新日] '18/03/18 230views
歯周病の治療は、歯磨きと歯周基本治療をコツコツとが大事

歯周病の治療法

①生活習慣の改善

歯周病の治療は、まず生活習慣の改善から始まります。具体的には、食後の歯みがきをしっかりする、食習慣を改めるということです。生活習慣病の治療と似ていますね。歯周病の原因は、歯周病菌です。これらは磨き残しを栄養源に増えていきます。ですから、食後に歯みがきをきちんと行ない、歯と歯の周囲をきれいに保つということはとても重要なのです。

患者さんそれぞれに”磨き癖”というのがあります。各患者さんの状態や癖に応じた磨き方を歯科医院では教えています。また、食事をきちんと定期的にとり、栄養バランスにも気をつけて、体調をより良く維持することも大切です。歯周病は、細菌感染症です。体の細菌に対する抵抗力(=免疫力)を整えておかないと、容易に腫れたり、膿んだりする様になってしまうからです。タバコも歯周病を悪化させるので、喫煙者の場合は禁煙をした方がいいですね。

②歯科医院での歯石除去と歯面清掃

続いて大切なことは、歯と歯の周りの環境を整えるということです。具体的には、歯石を取り除くことと、そして歯の表面をきれいにするということです。歯石とは、歯の周りについた石の様な固さのものです。かなり強くこびりついていますので、歯磨きで取り除くことはかないません。歯科医師は、これをスケーラーという専用の器械を用いて取り除きます。スケーラーにはいろんな種類がありますが、一般的には超音波振動を発する器械を用いることが多いです。歯石が付着していると、この下に歯磨き出来ない陰の部分が出来てしまいます。ここで歯周病菌が繁殖してしまいます。ですので、歯石を取り除くことで、歯みがきが届かない部分を無くし、歯周病菌が繁殖しにくい環境に整えるのです。

歯石を取り除いた後は、歯面清掃という段階にうつります。”歯”の”面”を清掃するというと、単なる歯みがきの様な響きに感じられそうですが、ちょっと違います。この場合も専用の器械を用いることは歯石除去と同じなのですが、歯石除去とは違い、歯の表面をつるつるした状態に磨き上げることをいいます。歯の表面には、歯石以外にも汚れがついています。プラークと呼ばれるものです。歯の表面を爪でこすったりしたら、爪の先に付いてくる白い滓みたいなもののことです。これは、細菌の塊です。この中に歯周病菌がいるのです。

歯石を取り除いた後、歯の表面についたプラークを取り除き、歯の表面を磨きます。これにより、プラークが付きにくい様に歯の表面の環境を整えるのです。

これらを総称して、歯周基本治療といいます。

③定期メンテナンス

歯科医院で歯石を取り除き、歯の表面を磨き上げても、やがて歯石は歯に付いてきますし、プラークもまた然りです。そこで、患者さんそれぞれで期間は異なりますが、例えば4ヶ月おきとかいった具合に、定期的に歯石除去と歯面清掃を受ける必要があります。これを歯科医師は定期メンテナンスといいます。こうすることで、歯周病のコントロールが可能になってきます。

 

歯周病の最新治療

従来の歯周病に変わる新しい方法として、再生治療が注目されています。

①歯周組織誘導再生法(GTR法)

今までの歯周病治療では、歯を支える骨の回復は非常に困難でした。そこで、歯石除去後のきれいな状態のうちに、メンブレンと呼ばれている人工の膜を歯の周りに入れて歯を支える部分を保護するというものです。これにより、歯を支える部分の再生を図るものです。ただし、適応には制限があり、重症化した歯周病には使えません。

②エムドゲインによる歯周組織再生法

GTR法とは異なり、エムドゲインと呼ばれるジェル状の薬剤を注入して歯を支える部分の再生を図ります。これも、重症例には適応出来ません。

③抗菌化学療法

内部に抗菌剤や消毒剤の入ったマウスピース型のカバーを歯に装着するものです。

④歯槽骨再生

歯を支える骨を歯槽骨といいますが、これを直接再生させる薬剤を幾つかのベンチャー企業が開発中です。

以上、新しい歯周病の治療法を幾つか列記しましたが、基本は変わりません。いくらいい治療法が開発されても、歯磨きなどの生活習慣と歯石除去を初めとする定期的な歯周基本治療の重要性にはかわりがありません。少なくとも現時点では、歯は失ったら二度と生えてくることはありません。いつまでも、自分の歯で健康な生活を送りたいものですね。

 

その他の口の中の症状についてはこちらのコラムで紹介しています。
症状・疾患別受診すべき医療機関-③歯・口周りの症状(歯科・口腔外科)

 

 

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