不整脈にもいろいろな分類があります

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[投稿日] '16/06/04 [最終更新日] '18/03/18 419views
不整脈にもいろいろな分類があります

不整脈の概要

不整脈は、その名の通り、脈が不整であると書きます。脈が正常以外のリズムで打っていることを全て不整脈と呼びます。厚生労働省による平成26年度患者調査によれば、不整脈の推定患者総数は4万3600人となっています。

脈は、心臓が血液を押し出す拍動が血管を伝って感じられていますので、不整脈の時は心臓の拍動のリズムが乱れている状態となります。そもそも心臓は電気信号によって筋肉を動かし、拍動しています。

心臓は4つの部屋に分かれており、体の正面から見て左上が左心房、左下が左心室、右上が右心房、右下が右心室と呼ばれ、電気信号は左心房の上のほうにある洞結節(どうけっせつ)という部分から発せられて心房の各部分を3本の経路で巡り、同じく左心房にある房室結節に集まります。そして、房室結節から枝分かれしながら心室の各部分を巡って心臓全体に電気信号が届けられます。

この電気の通り道を「刺激伝導系」や「伝導路」と呼びますが、電気信号は伝導路を正しく通り、心臓全体に届けられ、筋肉を収縮・弛緩させて拍動します。洞結節がこの拍動リズムを司り、成人では1分間に60~90回の間で規則正しく心臓を動かしているのです。不整脈は、この電気信号がうまく伝わらなかったり、そもそも規則正しく発せられなかったりすると起こり、脈が飛ぶ、脈が速すぎる、または遅すぎるなどという症状として現れます。

 

不整脈の種類

不整脈には大きく分けて「期外収縮(脈が飛ぶ)」、「頻脈(脈が速すぎる)」、「除脈(脈が遅すぎる)」という3種類があり、その中でも細かく分類されていますから、不整脈には多くの種類がありますが、ここでは中でも代表的なものを挙げておきます。

1.期外収縮

期外収縮は電気信号が最初に発せられるはずの洞結節以外の場所から先に電気が発せられてしまうために起こる余分な拍動です。電気信号が心房から出る場合を「心房性期外収縮」、心室から出る場合を「心室性期外収縮」と呼んでいて、一瞬胸の違和感が起こるなどの症状が出ることがありますが、無症状のことも多いです。

2.頻脈

頻脈は脈拍が1分間に100回以上のことをいいます。運動したときの頻脈は「洞性頻脈」と呼ばれ、電気が発生する場所も伝導路も正常ですが、電気信号が早く出ている状態で、生理的なものです。

一方で「発作性上室性頻拍」と呼ばれる不整脈は、心房などの場所から電気信号が発生し、心房と心室の間に異常な伝導路ができて電気がぐるぐると空回りすることなどが原因で起こり、多くが胸の不快感や動悸を訴えます。

また、心室性期外収縮が連続して起こっていると考えられている「心室頻拍」は、心室から発生する頻脈で、血圧が低下して失神したり、心不全などを起こす重症不整脈です。

さらに危険な頻脈に「心室細動」があり、心室の各部分が無秩序に電気興奮を起こすことで心臓の筋肉がバラバラに動き、血液を全身に送り出すことができなくなり、3~4分持続すると死に至ります。心室頻拍が続くと心室細動へ移行することもあります。

電気信号が非常に速く発せられることで心房が急速に収縮し、心房壁がふるえ、その結果、血液を効率よく心室へ送り出せなくなる頻脈に「心房細動」や「心房粗動」があります。心房細動では、心房の拍動リズムが不規則になってまとまって収縮せず、心室への電気の伝わり方も乱れて脈が速くなったり遅くなったりします。心房粗動では、心房のリズムは規則的ですが、心室のリズムは規則的な場合と不規則な場合があります。どちらも血液を十分に送り出すことができずに心臓の機能が低下することがあります。

3.除脈

除脈は心臓の拍動が1分間に50以下、または脈の間隔が時々2秒以上に延びるものをいいます。心臓の中で電気がつくられなくなったり、伝導が途中で止まってしまったりすると除脈となります。洞結節で起こった電気信号が心房へ伝えられない場合を「洞房ブロック」、伝導路の電気信号の伝わり方に異常がある場合を「房室ブロック」と呼びます。

洞房ブロックでは洞結節や周辺の異常で起こり、「洞不全症候群」という著しい除脈が起こります。房室ブロックは電気信号の伝わり方の程度によって「Ⅰ度房室ブロック」「Ⅱ度房室ブロック」「Ⅲ度房室ブロック」に分類されます。Ⅰ度房室ブロックでは治療を必要としない場合が多いですが、Ⅱ度やⅢ度の房室ブロックでは失神発作を起こしたり心不全に陥ることがあるため、治療が必要になります。

 

 

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