頭痛の治療によく使われるトリプタン製剤と他の治療法

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[投稿日] '16/05/20 [最終更新日] '18/03/18 255views
頭痛の治療によく使われるトリプタン製剤と他の治療法

頭痛の治療法

頭痛の治療のメインは、やはり薬物療法です。市販でも手に入るアスピリンやバファリン、イブプロフェン、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤は、炎症を抑えることで頭痛を軽減する効果があります。ただし解熱鎮痛剤を頻繁に服用していると、脳が痛みに対して敏感になり頭痛が増える「薬物乱用性頭痛」を引き起こす恐れがあるので、注意が必要です。一般的に、片頭痛や群発頭痛の場合には、病院で処方された薬で痛みをコントロールします。

現在、片頭痛や群発頭痛の治療でよく処方されるのは、トリプタン製剤です。

 

主なトリプタン製剤の商品名と効果

トリプタン製剤には下記のような商品があります。(一部)

  • レルパックス
  • ゾーミック
  • マクサルト
  • イミグラン
  • アマージ

この薬には、片頭痛や群発頭痛の原因である血管の拡張を抑え、収縮させる働きがあります。また、三叉神経の興奮を抑える働きもあります。トリプタン製剤は、頭痛を感じた時、すぐに投与できるよう、内服や注射などの形のほかに、水が無い場所でも口の中で溶かして服用できる錠剤、点鼻薬などの形態があります。また、痛みをコントロールするには、薬の投与のタイミングが鍵で、頭痛を感じてからの早い時期に投与することが大切です。

トリプタン製剤は、痛みがまだ出ていない前兆のときや痛みが強くなってから投与しても効果が出にくいと言われています。また、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症などの血管の病気がある場合は、トリプタン製剤の血管収縮作用が重大な副作用を招く恐れがあるので、服用できません。

緊張型頭痛では、解熱鎮痛剤を服用して痛みをコントロールすることに加え、頭痛の原因となっている筋肉の緊張をほぐす目的で、筋弛緩剤や抗うつ剤、漢方薬などが処方されることがあります

緊張型頭痛の場合、薬物療法だけに頼るのではなく、頭や首、肩の筋肉の血行を改善するために、マッサージや温熱療法(入浴やホットパックなど自宅でもできますし、整骨院や整体院などで施行してもらうこともできます)、ストレッチ、ツボ押し、ウォーキングなどを日常的に取り入れていくことも効果があります。また、緊張性頭痛では、長時間のパソコンの使用や猫背姿勢がもともとの背景になっていることもあります。仕事の合間に定期的に筋肉をほぐす体操を取り入れたり、市販されている「姿勢を改善する椅子」などを使用してみるのもいいかも知れません。

 

頭痛の最新治療

片頭痛や群発頭痛の治療で近年注目されてきたのは、予防的内服治療です。これは頭痛が起きる前に薬を服用し痛みをコントロールする方法で、解熱鎮痛剤の服用を減らし、頭痛発作に対する不安を無くすというメリットがあります。

現在、多くのガイドラインで、片頭痛や群発頭痛の予防薬の第一選択薬(効果が高い)とされているのは、もともとは、抗てんかん薬や抗うつ薬として長年使用されてきた薬で、2010年に保険適用とされたバルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン)や2012年に保険適用とされたアミトリプチリン(商品名:トリプタノール)です。

また、片頭痛の予防を目的とした抗体治療が臨床試験中であるというニュースもあります。片頭痛の発作時に三叉神経からCGRPというタンパク質が放出されることに注目し、このCGRPの働きを抑えるためのタンパク質(抗CGRP抗モノクローナル抗体)を皮下に注射して、頭痛を抑えるというものです。今後の進展をぜひ見守っていきましょう。

 

 

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