名医が膀胱がん手術をすると術後合併症リスクが半分に!

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[投稿日] '16/05/08 [最終更新日] '18/03/18 466views
名医が膀胱がん手術をすると術後合併症リスクが半分に!

膀胱がんは比較的年齢の高い男性に発症しやすいがんで、初期のものであればお腹を切らずに手術ができますが、進行している場合は膀胱を全て取る手術が必要です。今回は名医が膀胱がんの手術をすると、術後合併症のリスクが減ることを明らかにした研究を紹介します。

 

膀胱がんとは

膀胱がんは、50歳以上の方に多く発生するがんです。男性の方が女性より発症しやすく、喫煙は膀胱がんのリスクといわれています。膀胱がんの症状は、痛みのない血尿や排尿時の痛み、排尿回数の増加などです。膀胱炎や前立腺肥大症の症状と似ていることも多いですが、気になる症状がある場合にはなるべく早めに病院に行った方がよいです。

膀胱がんの治療法は、がんの大きさや進行度によって変わります。手術療法や抗がん剤を使用した化学療法、放射線療法、膀胱内注入療法などが行われます。早期のがんであれば、お腹を切らずに尿道からカメラを入れて膀胱の内部を観察し、がんを削り取る手術を行います。

一方で、進行している膀胱がんに対しては膀胱を全て摘出する膀胱全摘術を行います。

今回紹介する論文は、膀胱全摘術と名医に関する研究です。

 

年間手術件数の多い名医が膀胱がん手術をすると術後合併症が半分に!

この研究では、アメリカ全土で2003-2010年の間に膀胱がんに対して膀胱全摘除術をした49,792人の患者を対象にしています。年間の手術件数の多い名医が膀胱がんの手術をすると、手術後の合併症の発生率や医療費にどのように影響を与えるか解析しました。

全体では手術後90日までの合併症は16.2%でした。

年間の膀胱全摘除術の件数が7件以上である名医は、手術件数が少ない医師に比べて術後の合併症リスクが約半分であることがわかりました。また、医療費に関しては、1,690ドル、日本円にすると約20万円も安くなることがわかりました。

年間の膀胱全摘除術の件数が最も多い、28件以上の名医においては、手術件数の最も少ない医師に比べて合併症を起こすリスクが半分以下とより低いことも明らかになりました。

今回の結果から膀胱がんに対する膀胱全摘術においても名医が手術した方がよいことがわかりました。今回は名医による手術が、合併症だけでなく、医療費削減にも効果があることが明らかになり、名医の存在は患者さんにとっても国にとってもよいといえます。

 

膀胱がん手術の名医がいる病院の探し方

クリンタルでも膀胱がんの名医を紹介しています。例えば名医がいる病院として挙げている、順天堂大学医学部附属順天堂医院国立がん研究センター中央病院のホームページを見ると毎年の膀胱全摘術の件数が報告されています。手術には多くの医師が関わるので、医師1人あたりの手術件数はわからないことがほとんどですが、病院の手術件数を見れば1年間のおおよその症例数がわかります。症例数の多い病院には名医がいる可能性が高いと考えてよいでしょう。

名医を探す時には、1年間の手術件数を比較してみるのもよいかもしれません。
【併せて読みたい】
症状・疾患別受診すべき医療機関‐⑮膀胱・腎臓の症状・疾患:泌尿器科では膀胱での症状と受診の仕方について紹介しています。

 

参考論文: Impact of surgeon volume on the morbidity and costs of radical cystectomy in the USA: a contemporary population-based analysis.

 

 

 

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