双極性障害はきちんと治療を受けないと再発率が高まります

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[投稿日] '16/05/09 [最終更新日] '18/03/18 650views
双極性障害はきちんと治療を受けないと再発率が高まります

かつて「躁うつ病」と呼ばれていた双極性障害はⅠ型とⅡ型に分類され、それぞれに特徴があるようです。どのような特徴なのでしょうか?ここでは、双極性障害の特徴と発症の原因についてご紹介いたします。

 

双極性障害とは

双極性障害は、国際疾病分類ICD-10など世界で使われている診断基準ではうつ病(うつ病性障害)とともに「気分障害」に含まれる病気です。

うつ病は興味・関心がなくなり、意欲が低下するなどのうつ状態となりますが、双極性障害はうつ状態のほかに、気分が高くなり、意欲的で行動も非常に活発になる躁状態が現れます。しかし、うつ状態と躁状態のいずれの症状も現れない時期には、健康な人と変わらない状態になることが双極性障害の特徴の一つです。

双極性障害には双極Ⅰ型障害と双極Ⅱ型障害の二つがあり、従来の「躁うつ病」はほぼⅠ型に相当します。Ⅰ型は一度でも「躁状態」になったことがあり、ほかにうつ状態が現れるタイプで、Ⅱ型はうつ状態に加え、躁状態の軽い「軽躁状態」がみられるタイプです。

 

躁状態になると気分が高揚して寝ずに活動したり、食欲や性欲が旺盛になったり、また、刺激を受けやすく、ちょっとしたことで怒るなど周囲とトラブルになることも多くなります。Ⅱ型の場合はトラブルはあまり目立ちませんがⅠ型に比べてうつ状態の時期(病相)が長く、アルコール依存症やパーソナリティの問題を抱えていることもあり、病気自体が軽いとはいえません。

一方、うつ状態になると興味や関心がなくなり、悲観的な考えになってヤル気も失せて生活の支障が大きくなることが多いです。うつ状態は最悪の場合、自殺に至る危険な状態ですが、双極性障害では躁状態からうつ状態に変わるときなどが自殺の危険性が高いとされています。

また、双極性障害は再発することが多く、再発を繰り返す中で再発のサイクルが早くなり、症状の現れる病相が長くなるなど病状が重くなることが特徴です。特に、治療をきちんと受けていない場合は再発率が高くなり、1年間に躁状態とうつ状態を4回以上繰り返す急速交代化(ラピッドサイクラー)することもあります。

日本での双極性障害の発症頻度はⅠ型とⅡ型を合わせると0.4~0.7%ほどで、男女差はみられません。発症する年齢は20歳代~30歳代が多く、平均すると30歳前後とされていますが、双極性障害は10歳代の子どもにも発症する病気です。

 

双極性障害の原因

双極性障害の原因については、はっきりしたことはわかっていません。しかし、双極性障害は脳内のドーパミンやセロトニンなどの神経の情報伝達にかかわる物質の機能障害、あるいは感情のコントロールをする脳の一部が小さいなど「脳の病気」と考えられています。

また、同じ遺伝子をもつ一卵性双生児と異なる遺伝子をもつ二卵性双生児の研究などをみると、双極性障害の発症にはいつくかの遺伝子の関与があるようです。ただし、一卵性双生児が二人とも双極性障害になる確率は二卵性に比べると高率ですが、100%ではないことから遺伝子以外に発症を引き起こす要因があるといわれています。

なお、近年の報告では、躁状態のほかにうつ状態が現れる双極性障害Ⅰ型、および軽躁状態とうつ状態がみれる双極性障害Ⅱ型の発症に関与する遺伝子は異なるのではないかといった指摘もあります。

さらに、家族の死や仕事の多忙さ、対人関係のストレスなどが発症の誘因になることがありますが、ストレス要因によって生じる睡眠不足などの生活リズムの乱れも大きな誘因の一つです。他に、双極性障害の人は季節や天候の変化に敏感に反応して症状が強くなり、うつ病の人よりも自然の変化に影響を受けやすいといわれています。

 

次のコラム「双極性障害は受診を勧めたことが刺激になることも」では、双極性障害の治療法を紹介しています。家族として病院で診てもらってほしい気持ちはありつつも、それが刺激になることもあるため、なかなか簡単な問題ではありません。

 

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