セカンドオピニオンとは…?転院との違いについてなど、看護師がお伝えします!

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[投稿日] '17/10/24 [最終更新日] '18/02/16 5,299views
セカンドオピニオンとは…?転院との違いについてなど、看護師がお伝えします!

最近「セカンドオピニオン」という単語を耳にされる方も増えてきたのではないでしょうか。ただ、実際にセカンドオピニオンを体験したことのある方はまだまだ限られると思います。セカンドオピニオンというものが、病気について別の先生から意見を聞くこと、というのはなんとなくわかるけど、普通の診察と何が違うと言われるとよく分からない方がほとんどだと思います。

さらにいうと、セカンドオピニオンで話を聞いた後はどっちの医師の治療を受けることになるのか、といったような詳細な部分というのは、しっかり理解できていない部分が多いように思います。

私が看護師として病院勤務を行なっている中で、セカンドオピニオンを勘違いして理解されている方を多くお見受けしました。しかし、自分自身やご家族の医療に積極的に関わるためにはセカンドオピニオンというのは非常に重要な仕組みであり、万が一の際に活用方法を間違えないように、理解しておくことは重要です。今回はそのようなセカンドオピニオンに関して、看護師として病院にいたからこそわかる様々な事実をお伝えできればと思います。

 

セカンドオピニオンとは…

実際に、平成23年の厚労省の患者受領行動調査では、セカンドオピニオンを知らない人は、外来患者の9.7%、入院患者の15.3%でしかないので、ほとんどのひとはセカンドオピニオンの存在を知っているということになります。

しかしながら、セカンドオピニオンを必要だと思っている人は、外来患者の23.4%、入院患者の34.6%しかなく、実際にセカンドオピニオンを受けたことがあるという人は、それぞれその中の30.3%、32.1%なので、患者さんのうちの約1割程度しか経験していないということになります。

そんなセカンドオピニオンですが、意味としてはまさにそのままで「現在の病状や治療方針について、他の医師から意見を聞くこと」とされています。なんらか病気を発症して、どこかの病院にかかった際に、そこの診断や治療方針に納得がいかず、他の医師の意見を聞きにいくような場合がセカンドオピニオンにあたります。

わかりやすい一例としては、乳がんの治療法があります。乳がんと診断された際に、A病院では乳房全摘術をおこなうのがよいでしょう、という治療方針であったとして、ただ患者さんとしてはなんとかして乳房を温存したいと思っている場合、乳房の部分切除でも大丈夫と言ってくれる医師を探すことになります。そのために様々な医師の意見を聞きに行くことがセカンドオピニオンです。

もっと身近な例ですと、ずっとクリニックに通っているけど治らない頭痛に関してや、虫歯だから抜歯するしかないと言われているけどどうしようか、などという場合も広い意味でセカンドオピニオンの対象となりますので、活用機会の多さがイメージできるかと思います。

しかし、セカンドオピニオンに関して、一般的にまだまだ誤解されている部分や理解されていない部分が多いので、そのあたりを一つ一つ説明していきます。

 

セカンドオピニオンにおける最大の誤解!転院との違い!

セカンドオピニオンに関して、ほとんどの患者さんが誤解されていることがあります。それは、セカンドオピニオンはあくまでもオピニオン(意見)だけであって、新しい病院で検査や治療などは行えないということです。

もっというと、セカンドオピニオンを受けたとしても、その結果がなんであれ、治療自体はもともとの医師によって行われます。セカンドオピニオンを担当する医師もそういう前提で意見を述べますし、そのあたりの仕組みを理解していないとセカンドオピニオン自体をそもそも活用できない場合もあります。

ここが複雑なのですが、そもそも別の病院で治療を受けたいという気持ちで診察を受けに行く場合には「転院」となります。なので、元の病院の治療方針は全く理解できない、こんなところはもう二度とこない、というような場合には、「転院」が適当ですし、元の病院の治療方針もありうるとは思うけどそれが本当にどの医師に診断してもらってもそうなのか確認したい、というような場合には「セカンドオピニオン」が適当となります。

しかし、セカンドオピニオンを受けた結果、たとえもとの病院と違う治療方針を提示されたとしても、元の病院に一旦は帰らなければなりません。その上で、セカンドオピニオンで受けた意見を主治医に伝え、転院して治療を継続したいと申し出ることは可能です。その際には、再度その病院へ新しく受診をする手続きを踏み、診療を継続するという流れになります。

セカンドオピニオンとは

なぜセカンドオピニオンは元の病院に戻る前提になっているのか

セカンドオピニオンを受けた結果、違う治療方針だったら新しい病院で治療をそのまま受けられたほうが効率的じゃないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしそうできない理由がいくつかあります。セカンドオピニオンの結果次第で、こちらの病院を主治医にします、もとの病院を主治医にします、というように、病院側がどちらの担当患者さんなのかがはっきりわからない状態になると困ったことが起こりうるのです。

例えば、治療が重複して行われてしまう可能性があります。患者さんが、新しい病院でも治療を始める一方で、元の病院でも治療を受けたほうが倍の効果が得られる、などと思ってしまった場合には、両方からお薬が出されているが、それぞれの病院がその事実に気づかないといった事態も起こりえます。その場合、過剰な内服につながりますので、とても適切な治療とはいえません。これが、この患者さんは、どちらの病院の担当患者さんであると病院側が理解できていれば、担当していない病院は現在の治療状況を担当病院に確認できるために、そういう事態を予防できるわけです。

また、であれば転院と同じで、常に紹介先が診療を担当するという仕組みにすればいいのではという意見もあるかと思いますが、それはそれで大きなムダが生じるのです。セカンドオピニオンでも元の病院の治療方針と変わらなかった場合には、やはりすでに一通りの検査などを行っている病院に戻って診療を続けた方が、時間的にも費用的にも効率的です。例えばMRI検査などは外来で受けようとしたら半年待ちなどという病院はたくさんあります。それを新しい病院で再度待ってから行うのはもったいないでしょう。

 

セカンドピニオンで聞いた話の内容は、セカンドオピニオン先の医師から主治医に共有されます

ですので、セカンドオピニオンの結果というのも、セカンドオピニオン先から元の主治医に伝わります。「こういう判断をしましたので、患者さんをお戻しします」というように。

ですので、患者さんやご家族のみが情報の伝達係となることはございませんのでご安心ください。セカンドオピニオン先の医師は、患者さんにも説明しつつ、紹介元の医師にも情報共有します。時々、セカンドオピニオンで話し合ったことを正確に主治医へ伝えられるだろうか、と不安に思う人もいらっしゃいますが、その心配は必要ありません。大丈夫です。

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