うつ病は再発や慢性化の多い病気です

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[投稿日] '16/03/23 [最終更新日] '18/03/18 442views
うつ病は再発や慢性化の多い病気です

うつ病の概要

うつ病になると憂うつでやる気も起こらない、悲観的なことばかり考えてしまうなどの「うつ状態」が続きます。また、不眠や食欲不振、疲れやすいなどのからだの症状に悩まされることも少なくありません。

日本人の場合、一生涯のうちに一度でもうつ病を経験する人の割合はおよそ6.5%で、うつ病の発症は女性に多く男性の約2倍といわれています。
うつ病とはどのような病気なのでしょうか?

うつ病は気分障害の一つ

うつ病は、気分障害と同じ意味で使われることもありますが、躁うつ病とともに気分障害に含まれる病気の一つです。

躁うつ病はうつ状態のほかに気分や意欲が過度に高くなる躁状態を繰り返す病気で、気分障害は気分や感情、意欲のコントロールが難しく、生活に支障がでる精神障害を指します。

うつ病の患者数

厚生労働省が3年おきに実施している「患者調査」によると、気分障害の患者数は平成8年に約43万人だったのに対し、平成26年はおよそ112万人になりました。
このうち、うつ病の患者数は平成8年にはおよそ21万人、平成26年は約73万人に増加しています。

このように患者数が増えた背景としては、うつ病などの知識が一般の人に広まり、軽症の人が受診するようになった点などが挙げられています。また、実際はうつ病であっても内科にかかっている人も多く、内科患者の約1割といった報告もあるほどです。

うつ病は再発や慢性化も多い

うつ病は基本的には以前のレベルまで回復しますが再発も多く、再発を繰り返す度に再発率が高くなり、慢性化する人や入院が必要になるほど重症になる人もいます。
また、うつ病で注意したいことは自殺を考えるようになり、実際に命を落とす人が少なくないということです。

早期発見、早期治療につなげるには家族や職場の人など近くにいる人が変化に気づき、休養や受診を促すなど周囲の協力が欠かせません。

 

うつ病の症状

うつ病になるとこころとからだの両方にさまざまな症状が起こり、どのような症状が目立つかは個人差もあります。
からだの症状が強く現れると、からだの病気と思い込みうつ病の発見が遅れてしまうこともあるので注意が必要です。

また、うつ病は一日の中で症状の程度が変化する日内変動(にちないへんどう)が見られるのが特徴で、一般的なうつ病では朝、症状が重く、午後になると比較的、軽くなります。

こころに現れる主な症状

こころの症状は、主に感情や意欲、思考の面に現れます

[感情]
・憂うつで、気分が落ち込む
・何をやっても楽しくない
・理由もなく悲しい
・不安や焦りが強い
・イライラする
・落ち着かない

[意欲]
・やる気がしない
・人に会うのも話すのも面倒になる
・何をするにも億劫だと感じる
・性欲がなくなる

[思考]
・悲観的になる
・自分には価値がないと思う
・ささいなことも決断できない
・頭が冴えず、考えがまとまらない
・集中力がない
・自殺を考える

からだに現れる主な症状

・食欲がない、味がしない、あるいは過食になる
・寝つきが悪い、朝早く目が覚める、または長時間寝てしまう
・頭痛や肩こり、便秘、口の渇き、動悸、疲れやすい、など

日頃の様子との違いに周囲が気づくことも重要

うつ病の人は不調を感じながらも頑張り続け、疲れ切ってしまうことも多いので日頃の様子と比べて以下のような変化があったときには必要に応じて休息や治療を勧めてください。

・表情が冴えず、元気がなくなった
・口数が減り、人と関わらなくなった
・ミスが多くなった
・飲酒量が増えた
・身だしなみが乱れている
・イライラしやすい

 

うつ病の検査

うつ病の検査としては、うつ病の症状の有無や程度を確認するうつ病の評価尺度や性格検査などの心理検査を行うことがあります。また、近年、行われているのは客観性の高いデータを得られる脳の画像検査などです。

光トポグラフィー検査

光トポグラフィー検査は特殊な装置で「近赤外光」と呼ばれるからだに当てても害のない光を使い、脳の血流量を測定する検査です。

検査によって健常者に見られる血流量のパターンなのか、うつ病や統合失調症の人に見られるパターンかを確認することができます。検査による痛みや副作用もないことが利点です。

磁気共鳴機能画像法(fMRI)

fMRIは磁気共鳴装置(MRI)と呼ばれる磁場(磁石の力)が働く機械を使用し、頭部に極めて微弱な電磁波を当てて脳の活動の様子や機能低下の有無などを調べます。

光トポグラフィーやfMRIなどの検査はより正確な診断をするうえで役立ちますが、専用の機器が必要となるため検査を受けられる医療機関は限られていることが課題です。

うつ病の症状はからだに現れることも多いため、他の病気と間違われることもあります。内科に通院していてもなかなかよくならない、あるいはうつ病の症状に思い当たることがある場合は、念のため精神科、または心療内科を受診することをお勧めします。
なお、次の「うつ病(2/3)-精神科・心療内科:知っておきたい疾患」では、うつ病のタイプや原因などをご紹介しています。

 

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