症状・疾患別受診すべき医療機関-④メンタル・精神的な症状(精神科/心療内科)

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[投稿日] '16/02/03 [最終更新日] '18/03/18 389views
症状・疾患別受診すべき医療機関-④メンタル・精神的な症状(精神科/心療内科)

精神的な症状とは

今回は、メンタル・精神面に現れる症状と受診の仕方のお話です。どなたでも、メンタル面の変化は日常生活で感じていると思います。

「なんだか気分が乗らない」「やる気が起きないなあ」

「今日はハイテンションだ、仕事でも飲み会でももってこい」「将来のことが心配で心配で」

気分・テンションは、日々一定なわけではありませんよね。他人にはわからないとしても、ご自分では気分が乗ってると感じる日もあるし、逆に塞ぎこんでいる、何か重大な心配事がある、なんてことは、日常生活で体験しているかと思います。このメンタル面の”変化”自体は病気ではありませんが、”変化”の度合いが異常に大きかったり、長引きすぎたりするようだと、何らかの病気・疾患が潜んでいる可能性がでてきます。

例えば、「恋愛で失敗して落ち込む」ということは病気ではなくても起こりえます。数日は家で塞ぎこんで食事もとらず、仕事も休みたくなるかもしれません。しかし、通常は一定期間のうちに気分が回復し、もとの日常生活が送れるようになりますよね。ただ、この落ち込んだ状態(医学用語で“抑うつ状態”といいます)がひどく日常生活に支障をきたすほど重大で、長引くようだと、うつ病という病気のせいかもしれません。

それではまずどのような精神的な症状と疾患があるのでしょうか。

 

精神症状とその症状に関連する疾患

抑うつ

ゆううつ、やる気の低下、沈んだ気分のことを指します。特にきっかけがなかったり、きっかけから長時間たっても抑うつ状態が続くようなら、「うつ病」の可能性があります。

そう状態(躁状態)

抑うつ状態の逆をイメージするとよいでしょう。誰しも普段より気分が乗っている、テンションが高いという状態は経験があるかと思います。しかし、後先考えずに妙に行動的になったり、破産をかえりみず手当たり次第に買い物や投資をし始めるほど、ハイテンション・精力的になった状態は異常ですよ。このそう状態は、「躁うつ病」といううつ病の一種でみられる症状で、躁うつ病では、抑うつ状態とそう状態を繰り返してしまうことがあります。

不安

何らかの事柄が心配で不安、ということは誰にでもあり、「現実的な不安」と呼ばれます。しかし、不安の程度が過度であったり、通常では不安を感じない対象や、対象がないのに繰り返し現れる不安は「病的な不安」です。病的不安は様々な精神疾患で生じますが、「うつ病」、「不安障害」、「パニック障害」、「強迫性障害」などの可能性があります。

パニック発作

これは、病的な不安がこうじた状態で、不安という心理的な症状から、異常な動悸を感じたり、異様に汗を書いたり、場合によっては自分はこのまま死んでしまうのではないかとさえ感じてしまう状態です。このような発作をきたす場合、パニック障害という病気が疑われます。

錯覚・幻覚

「目の錯覚」という言葉があるように、錯覚は正常でも起こりえます。例えば、平面に書かれた絵が立体的に見える場合がそうですね。つまり、本来の形とは違ったように認識・知覚してしまうことが錯覚です。誰でも見間違えてしまうような対象で錯覚が起こるだけでなく、通常は錯覚を起こさないような状況での錯覚は病的といえます。例えば、壁の染みが自分だけにはドクロにみえる、空き地の草が全て蛇にみえるなどでしょうか。一方、幻覚は、そこにあるはずの無いものが見えたり、聞こえたりすることをいいます。幻覚は錯覚とこ異なり常に病的な状態と考えられます。病的な錯覚や幻覚をきたす病気の代表は「統合失調症」です。どうようの症状として、誰も発していない声が聞こえるなど幻聴などもあります。

 

受診すべき診療科

メンタル面・精神的な症状でお困りの場合に受診すべき診療科は、精神科または心療内科です。ただし、ここでご注意いただきたいのは、以前のコラム『心療内科と精神科-迷いやすい診療科①』で解説したように、“心療内科“には、精神科の診療を専門的に行っているけど心療内科と標榜している場合と、心身症といった精神科の疾患ではなく内科の疾患の診療している場合(本来の心療内科)があることです。精神的な症状が中心である場合はやはり精神科の専門医を受診したほうがベターでしょう。精神科と本来の心療内科は別もので、「精神的な症状だけど、大したことないから気軽な心療内科を受診しよう」という、心療内科=プチ精神科という捉え方はお勧めしません。

 

クリニックか一般病院・大病院か

精神科の疾患は、基本的には診断にも、治療にも大掛かりな設備を必要としません。精神疾患は目に見える病変や、血液検査の異常で診断できることは少ないため、患者の話を注意深く聞き、患者の症状を元にした診断法で診断します。治療に関しては、心理療法、作業療法、薬物療法などがありますが、手術のように特別な設備は必要ありません。ですので、クリニックと一般病院以上の医療機関で診療内容が変わることは少なく、どちらを受診してもかまわないと考えられます。むしろ、精神疾患の診療では検査機器・設備に頼れないわけですから、医師の腕・経験がストレートに影響する疾患ともいえるでしょう。設備より医師、まさに名医の腕の見せ所です。

ただし、入院が必要なほどの重症例や、SPECTなどの特殊な画像診断、電気刺激療法といった治療が必要な場合には、それらの設備を整えた高度医療機関を受診しなければなりません。これらは患者さん自身で判断することは難しいので、まずはクリニックでも病院でもいいのですが、かかりつけ医に相談すべきでしょう。

 

受診行動における注意点

精神疾患は長期間の付き合いになる場合が多く、診断から治療まで、医師やその他医療スタッフと良好な関係が築けているかが重要なポイントになります。クリンタルでは名医と呼ばれる医師を可能な限り客観的に評価して提示していますが、精神疾患の診療では、その医師と”合う、合わない”といった主観的な要素も加味して選ぶ必要がでてきます。また、治療には時間がかかることが多く、薬物療法であっても翌日からすぐに効果が現れるということはありません。ですので、1回の診察だけで”合う、合わない”という評価を下してしまうよりも、数カ月程度はじっくりと付き合ってみて判断するほうがよいでしょう。

 

 

 

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