緑内障の検査と治療法について

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[投稿日] '16/03/20 [最終更新日] '18/03/18 274views
緑内障の検査と治療法について

緑内障の検査

緑内障になると視野狭窄や視野欠損などの視野障害のほかに、眼圧の上昇などが起こることも多いです。そのため、緑内障の診断や進行の程度、治療の効果などを把握するために視野検査や眼圧検査などを行います。

 

・視野検査

緑内障の初期に起こる視野障害は視野の中心から15~30度以内の部分に現れることが多く、中心部分は緑内障の末期まで保たれるのが一般的な経過です。

視野検査は小さな光を提示して見えている範囲を調べるもので、緑内障の進行度合いを把握することができます。

 

・眼圧検査

眼圧の上昇の有無や程度を調べるための検査です。眼圧の測定方法としては機械を目に直接、当てて測定する接触型と「空気眼圧計」と呼ばれる機械で目に圧縮した空気を送って眼圧を測る非接触型の方法があります。

 

・眼底検査

眼底検査では視神経の状態を調べます。緑内障になると、視神経乳頭陥凹拡大(かんおうかくだい)と呼ばれる視神経乳頭の凹みが大きくなることが特徴です。

最近では、三次元画像解析装置の「光干渉断層計(OCT)」を用いて視神経乳頭や視神経繊維層の厚みなどの形状を解析することが増えています。

 

・隅角検査

緑内障の場合、隅角が閉じてしまい房水を排出することができず眼圧が高くなることがあります。

隅角検査は房水の流れを調べる検査で、緑内障の診断や病型の判断などに有用です。検査時は点眼麻酔を行い、検査用の特殊なコンタクトレンズを使って確認します。

 

緑内障の治療法

・眼圧を下げて病気の進行を食い止める

緑内障では、正常の眼圧の場合も含めて眼圧を下げる治療を行います。眼圧を下げることは緑内障の進行を遅らせるうえで極めて重要なことです。緑内障の治療法は薬物療法を基本としますが、効果が十分でないときや緑内障の病型などによってはレーザー治療や手術を行うこともあります。

しかし、緑内障の治療は損傷した視神経を回復させたり、狭くなった視野を改善したり、起きてしまった視野障害を元に戻すことはできません。また、緑内障の中には、治療を行っても進行を防止することが難しい緑内障もあるため、できるだけ早い時期に緑内障を発見して治療を開始することが重要です。

 

・薬物療法では眼圧を下げる点眼薬を使う

緑内障で最初に行われる治療は、点眼薬による治療です。房水の生産量を抑える効果や房水の排出を促す作用のある点眼薬を用いて眼圧を低下させ、緑内障を進行させないようにします。現在、販売されている点眼薬は10種類以上といわれていますが、緑内障の種類や進行度、眼圧の高さなどに合わせて選択することが重要です。

また、点眼薬は単独で効果が不十分な場合はいくつかの点眼薬を組み合わせた治療を行い、さらに、短時間のうちに眼圧を下げたい場合などは内服薬を用いることもあります。緑内障の内服薬は眼圧低下の効果がありますが、副作用が強いため長期に服用することは難しく、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。

 

・外来で受けられるレーザー治療

レーザー治療は、薬物療法では十分な治療効果が見られない、あるいは視野障害など緑内障の進行を食い止めることが困難なときに選択される治療法です。

レーザー治療には房水の流れを変えるためにレーザーを照射して虹彩に孔を開ける方法、また、房水の排出をよくする目的で繊維柱帯にレーザーを当てる方法などがあります。治療による痛みは極軽く、外来で行うことが可能です。

 

・他の治療効果がないときは手術も必要

薬物による治療とレーザー治療を行っても効果が得られない場合には、繊維柱帯をメスで切開し房水の流れをよくする手術を行うことがあります。ただし、手術を行う目的は眼圧を低下させて病気の進行を遅らせることであり、残念ながら手術を行っても症状が改善する訳ではありません。

 

緑内障の最新治療

緑内障は、最近ではインプラントを用いた新しい手術法が行われるようになりました。眼内にインプラントを挿入し、房水の排出路を作ることによって眼圧を下げる「チューブシャント手術」と呼ばれる手術法です。従来の手術法と同様に狭くなった視野を拡げることはできませんが、術後の回復の早さやこれまで手術の適用にならなかった人にも行えるなどのメリットがあります。

「チューブシャント手術」は、2012年から保険での治療が行えるようになりました。

 

 

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