最近、生理周期がおかしいのはなぜ?病院に行った方がいい?

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[投稿日] '16/12/22 [最終更新日] '18/03/18 654views
最近、生理周期がおかしいのはなぜ?病院に行った方がいい?

生理周期がおかしい

生理周期は、正常であれば25~38日ほどのサイクルです。しかし、「2か月に一度しかない」、逆に「1か月に二回もある」など周期が普段より長かったり、短か過ぎたりすると「最近、生理周期がおかしい」と気になることでしょう。

また、生理が「だらだらと10日くらい続く」、「始まってすぐ2日程度で終わってしまう」など生理が続く日数が不規則になることもあります。さらに、月経血の量が「ナプキンにちょっとつく程度でかなり少ない」、反対に「量が多くてめまいもする」など量について心配する人も少なくありません。

生理周期の乱れを放置すると不妊につながることも

生理周期は人によって異なりますが、ホルモン分泌の問題のほか、卵巣や子宮の病気が関係していることもあります。しかし、「最近、生理周期がおかしいなあ?」と思いながらも、なかなか受診していない人も多いのではないでしょうか。

生理不順をそのままにしていると、場合によっては閉経の年齢でもないのに生理が止まってしまう(無月経)、妊娠しにくくなるなどの影響も考えられます。妊娠を希望したときに妊娠しにくいということは深刻な問題でしょう。

ホルモンの分泌は非常にデリケートで、ストレスなどが関係することもあります。「生理周期がおかしいな?」と感じたときには病院で診てもらい適切に対処しましょう。

 

そもそも生理周期がおかしいのはなぜか

生理周期が乱れ、「最近、おかしいな?」と感じるとき体の中ではどんなことが起きているのでしょうか。原因が気になりますね。生理不順の原因を理解するために、ここで生理が起こるしくみをおさらいしましょう。

月経を起こす女性ホルモンの働きとメカニズム

一般には「生理」といってますが、医学的には「月経」といいます。女性の体は妊娠の準備として受精卵が着床しやすいように子宮の内膜が厚みを増してやわらかくなりますが、妊娠しないと子宮の内膜が月経血となって排泄されます。これが月経です。

生理周期には多くのホルモンが関係し、卵巣から分泌されるホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。この二つのホルモンは、脳の視床下部(ししょうかぶ)や下垂体(かすいたい)というところから分泌されるホルモンによってホルモンの量が適切になるようにコントロールされているのです。

聞き慣れないホルモンかもしれませんが、視床下部はエストロゲンなどの量を調整するために「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」というホルモンを分泌し、下垂体に指令を送っています。指令を受けた下垂体は「卵胞刺激ホルモン」や「黄体化ホルモン」などの性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)を分泌し、卵巣に働きかけてエストロゲンやプロゲステロンを分泌させます。つまり、生理周期には「視床下部→下垂体→卵巣」というしくみが適切に機能していることが必要です。

さらに、卵巣から分泌されるホルモン量によって視床下部や下垂体がそれぞれのホルモンを分泌するかどうかが調整され、これをフィードバック機構と呼んでいます。

生理周期がおかしいと無月経になることも

「視床下部→下垂体→卵巣」のしくみのどこかに異常が起こると適切なホルモン量を維持することができず、生理周期が不順になって無月経になることがあります。無月経は機能障害が起きた場所によって視床下部性、下垂体性、卵巣性に分けることができ、また、体重減少性や運動性などの無月経もあり、思春期に起こることが多いです。

生理不順にはさまざまなタイプがある

生理不順と呼ばれるものには次のようなものがあります。

・生理の「間隔」の異常で生理周期がおかしいと感じるとき

生理周期がおよそ39日以上あく場合を稀発(きはつ)月経、逆に「3週間で生理が始まった」など生理周期が短縮し、24日以下になるものを頻発(ひんぱつ)月経と呼んでいます。

・生理の「持続日数」の異常で生理周期がおかしいというとき

生理で出血が続く日数は通常、3~7日です。そのため、出血の持続日数が8日以上になるものを過長(かちょう)月経、2日以内の場合を過短(かたん)月経といいます。

・月経血の「量」の異常で生理周期がおかしいと思うとき

生理周期の乱れは月経血の量(経血量)で現れることもあり、経血量が著しく増た状態を過多(かた)月経と呼んでいます。経血量が多いかどうかはわかりにくいものですが、一つの目安としては昼間でも夜用のナプキンが必要になる、レバーのような血液のかたまりが混じるなどの状態です。過多月経になると、ひどい貧血状態になって立ちくらみや疲れやすさなどが現れることもあります。

また、生理が始まっても経血量が非常に少ない状態は過少(かしょう)月経と呼ばれ、排卵が起きていないこと(無排卵月経)も多いです。

生理 周期 おかしい 病気

 

生理周期がおかしいときに考えられるのはどんな病気か

生理の周期がおかしいというときには脳の視床下部や卵巣などの機能低下を起こす病気が考えられます。

視床下部性無月経

生理周期に関与する視床下部は強いストレスを受けると、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌に異常が起こることがあります。ストレスには心理的なストレスだけでなく、過度なダイエットによって体重が著しく減少することなども含まれます。

体重減少による無月経(体重減少性無月経)が長引くと骨密度の低下を招き、若い女性であっても骨粗しょう症になることもあるので注意が必要です。

高プロラクチン血症

プロラクチンは下垂体から分泌されるホルモンで、妊娠中に乳腺を発達させ、出産後は乳汁の分泌を促がすなど授乳には欠かせないホルモンです。しかし、高プロラクチン血症というプロラクチンの血中濃度が高い状態になると排卵が起こらなくなり、生理周期の不順や無月経になることがあります。妊娠や出産後ではないのに乳汁が分泌され、無月経になった状態を乳汁分泌(乳漏)性無月経といいます。また、高プロラクチン血症は不妊につながるので注意が必要です。

プロラクチンの値が高くなる原因としてはプロラクチノーマ(プロラクチン産生腫瘍)という下垂体にできる腫瘍のほかに、甲状腺機能低下症や薬の影響などが考えられます。

早発卵巣機能不全

閉経する年齢は平均すると50~51歳といわれていますが、卵巣機能の低下によって30歳台のうちに閉経のような状態になることがあり、早発卵巣機能不全と呼んでいます。

子宮筋腫

月経周期が長くなった(過長月経)、月経痛がひどいというときには子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が考えられます。これらの病気になると月経血の量が多くなって血液のかたまりが混じったり、月経ではないときにも出血したり(不正出血)するので立ちくらみなどの貧血症状が現れることも多いです。

子宮筋腫は30~40歳代になると増え、筋腫ができた場所や筋腫の大きさによって症状は異なります。子宮の内側にできると月経痛がひどく、月経血量も増えることが多く、子宮の外側に向かって大きくなるタイプは筋腫が小さいうちはほとんど症状がありません。子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、不正出血や不妊、また、流産や早産につながることもあるので注意が必要です。

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮の内膜が卵巣などの子宮以外のところにできてしまう病気です。子宮筋腫よりも若い女性に多く、発症は20~30歳代に多いとされています。子宮内膜症になると月経困難症といわれるほどのひどい月経痛が起こり、性交痛や排便痛、また、腰痛などさまざまな痛みが現れるのも特徴です。さらに、子宮内膜症は不妊の原因になりやすいといわれています。

生理周期がおかしいというとき、中には月経による出血ではなかったということもあるようです。病気による不正出血や受精卵が着床した際の出血(着床出血)などの可能性もあるので気になるときは受診しましょう。

 

生理周期がどのくらいおかしいと病院の受診が必要か

3か月以上月経がない

これまで月経のあった人で、月経が3か月以上ないものを「続発性無月経」と呼んでいます。月経は妊娠すると停止しますが、妊娠や閉経の可能性もなく、また、出産後でもないのに停止している場合は早めに受診しましょう。

月経周期の乱れとともにめまいがするとき

生理周期の間隔が短い、生理の期間が長い、また、月経血が多いといった場合には出血が多くなるので貧血の症状が現れることがあります。そのため、めまい、立ちくらみなどが起こりがちです。

月経血が多く、寝込むほどの痛みがあるとき

子宮内膜症になると月経血が増え、月経痛もひどくなるのが特徴です。痛みを我慢せず、早めに受診してください。

基礎体温の低温期の延長などがあるとき

生理周期には卵胞期と排卵期、その後に黄体期が続きます。黄体期はほぼ一定で12~16日です。生理不順が起きたときは、多くは卵胞期の乱れで短縮したり、延長したりします。

基礎体温を測定している人は主に卵胞期の長さ、基礎体温でいうと低温期に著しい変化があるかどうかを確認し、異常がある場合には基礎体温表を持参して病院で診てもらいましょう。また、体温の上昇がなく、低温期が続いている場合には排卵が起きていない可能性があるので受診をおすすめします。

 

生理周期がおかしいときにはどんな検査で調べるのか

血液検査

エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン値、また、貧血の検査などを行います。
卵巣機能が低下するとエストロゲンやプロゲステロンの値は低くなり、逆にエストロゲンやプロゲステロンを分泌させようとして卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンの値は高くなります。

内診

内診は膣の入り口から指を入れ、もう一方の手を腹部に当てて子宮や卵巣の大きさ、かたさ、また、腫れや痛みなどがあるかを調べる検査です。
さらに、内診のときには「膣鏡」という検査器具を使い、膣や子宮口の様子、おりものの状態などを確認します。

内診は下着(ショーツ)を脱ぎ、内診台という診察台で足を開いた姿勢で診てもらいます。もし、緊張しそうなときはゆっくり呼吸してお腹や足の力を抜きましょう。なお、受診するときはタイトスカートやパンツスタイルより、裾の広がるスカートで下着も脱ぎやすいものがおすすめです。

超音波(エコー)検査

卵巣や子宮の異常を調べるための超音波検査には、プローブという超音波検査用の器械を腹部に当てて確認する経腹エコーとプローブを膣内に入れる経膣エコーがあります。経腹エコーは通常の診察台で行うことができ、腹部にプローブを当てて調べるので視野が広いことが特徴です。

経膣エコーは内診のときに併せて行うことが多く、経腹エコーより鮮明に見えるという利点があります。経膣エコーは細長いプローブを使いますが、性交渉の経験がなく痛みがあるときは、他の方法に変更できることもあるので医師に伝えましょう。

卵巣の腫れなどは内診でも確認できますが、超音波検査は大きさを具体的に計測でき、小さな腫瘍や卵巣がんの早期発見などにも役立つ検査です。

 

生理 周期 おかしい 対処法

 

生理周期がおかしいときに自分でできる対処法

栄養のバランスに注意して規則正しい生活を送る

偏った食事を続けたり、極端にカロリーを制限する過度なダイエットをしたり、必要な栄養を摂取していないとホルモンバランスが乱れて無月経になることがあります。続発性無月経を引き起こす要因は必ずしもハッキリしていません。しかし、思春期の続発性無月経には食事の摂取量が少ないことや体重の減少(体重減少性無月経)、また、過度な運動(運動性無月経)などが指摘されています。

さらに、夜更かしや寝不足など睡眠の質が低下するとホルモンバランスが崩れて生理不順になることも多いです。そのため、食事の内容や食事量、睡眠などの生活リズムを見直し、気になるところは改善を心がけて生理周期を整えましょう。

基礎体温を測定して生理周期を把握する

基礎体温は通常の体温計ではなく、温度変化を細かく測定できる婦人体温計を使って測定します。朝、目が覚めら体を起こさずに、体温計を舌のウラに挟むようにして測ってください。健康な場合、毎日、測定すると低温期が2週間ほど続いた後に0.3~0.5度ほど体温が上昇し、妊娠しなければ高温期が12~16日ほど続いて生理が始まります。

通常、低温期から高温期に移行する時期に排卵が起こりますが、排卵が起きていない場合は低温期が続くので注意しましょう。また、低温期と高温期の二相性を示しても生理不順の場合には低温期が短くなったり、長くなったりします。なお、高温期が21日以上続いているときは妊娠した可能性が高いです。

生理周期がおかしいという思ったら基礎体温を図り、二相性がみられるのかなどを確認しましょう。

 

生理周期がおかしい状態にならないようにするには

ストレスの少ない生活で生理周期を整える

生理周期にはホルモンの働きが深く関係し、自律神経の働きにも影響を受けます。

内分泌や自律神経、また、免疫の働きには下垂体と視床下部が関係しています。これらの働きにはストレスが影響し、強いストレス状態になると機能不全を起こしてストレス性無月経を引き起こすことも多いです。

ストレスとなりやすい要因としては受験や進学、さらに、就職や結婚、引っ越しなどによる環境の変化などがあります。進学や結婚などの喜ばしい出来事であっても、新しい生活に適応するのはストレスになりやすいということを押さえておきましょう。生理周期がおかしいという状態を予防するには、環境の変化が大きいときには無理をせず、ストレス解消を心がけながら過ごしてください。

 

 

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