足首が痛い!ひねったかな…?

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[投稿日] '16/12/12 [最終更新日] '18/03/18 2,194views
足首が痛い!ひねったかな…?

足首が突然痛いと感じたら、みなさんはどうしていますか?足首が痛いと歩きにくくなり、日常生活に支障をきたします。よくあるのが捻挫ですが、それ以外にもいろいろな可能性があります。なぜ足首が痛いと感じるのか、足首が痛いきっかけは何であるのか、一緒にみていきましょう。

 

足首が痛い原因を知るために足首の構造を知りましょう

足は、立つ時に全体重を支え、姿勢を保つ重要な部位です。また日々歩いたり、走ったりする中で負担がかなりかかりやすい部位ともいえます。なかでも足首はいくつかの骨や靭帯の連結によって、複雑な動きができる構造となっていますが、そのぶん怪我をしやすい部位です。足首が痛いのは、捻挫などの関節の炎症がきっかけとなりやすいといえます。

足首は、足関節と呼ばれ、大きくは2つの関節からできています。

足首には、脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)、距骨(きょこつ)と呼ばれる骨があります。足首を触るとくるぶしがありますが、外側も内側も腓骨のでっぱりです。この脛骨、腓骨、距骨の3つの骨からできた関節は、距腿(きょたい)関節とよばれ、足首の前側の部分です。足首を曲げたりを伸ばしたりと上下運動を行います。

足関節を構成しているもう一つの関節は、距骨下(きょこつか)関節とよばれ、踵骨(しょうこつ)と距骨でできています。踵骨はかかとの骨です。この関節は歩く時や走る時の衝撃を和らげる働きをしています。足首を内転、外転させる機能を果たしています。

足関節は複数の小さな靭帯がくっついています。まず内くるぶしのあたり、脛骨と距骨の内側に三角靭帯とよばれる靭帯が付着しています。それぞれ関節の安定を図り、足首が外側にひねられるのを制御します。また足関節の外側には外側側副靭帯とよばれる靭帯があり、足首が内側にひねられるのを制御します。靭帯は筋肉のような柔らかな伸縮はできず、関節が過度に動くのを防いでいます。そのため、関節が無理な動きをすると、靭帯へ過度な負荷がかかり、損傷する原因になってしまいます。足関節は内側に向く動き、つまり足の裏が上を向くような動きには、安定性が低いため怪我をしやすく、捻挫などの足首が痛い症状がでやすくなります。

足首 痛い

 

足首が痛いときに考えられる原因は?

捻挫

関節には骨どうしが離れないように、靭帯が付着しています。靭帯や骨で包まれた部分を関節包とよびます。関節包の中は、滑らかな動きができるような仕組みになっています。捻挫は、関節の周辺部位(靭帯や腱、軟骨など)が過度な伸展などにより損傷することによっておこります。関節周辺の血管が損傷して、内出血がおこります。その結果、足首が痛いと感じたり、腫れがおきます。

足関節の捻挫の多くは、転倒などにより足関節を内側にひねることによっておこります。外側にひねってしまうこともありますが、交通事故や激しいスポーツによって外から強い力が加わった場合が多いです。

足首を内側にひねった場合、前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靭帯(ひょうひじんたい)、後距腓靭帯(こうきょひじんたい)のいずれかの損傷が考えられます。外側にひねった場合は、内側の靭帯である、三角靭帯が損傷していると考えられます。外側の場合は、かなり強い力がかかっているため、骨折していることもあります。ひねってしまった場合、痛みや腫れがあまりなければ、靭帯が深く傷ついてはいないと考えられるため、1~2週間安静にして湿布をはりつつ様子をみてもよいでしょう。靭帯が一部、また完全に切れてしまっている場合、腫れや足首の痛みも強く、関節も不安定になりますので、整形外科の受診が必要となります。

自宅で様子をみる場合、捻挫をした直後は、患部が炎症を起こしているため、氷や冷水、冷湿布などを使用して、すぐに冷やすことが必要です。直後に温めてしまうと、血行が良くなり炎症が広がってしまうため、逆効果です。またテーピングなどを行って軽く圧迫をし、足を心臓より高い位置に保ち、内出血や腫れを防ぎます。

痛みや炎症がひどく、病院を受診した場合には、まずは関節や骨に異常がないかどうかを確認するためにレントゲンを撮ります。その後に損傷している靭帯を確認するために、手で関節を持って動かしたりします。治療は、基本的には保存療法で、ギブスやテーピングなどによって固定する、炎症が治まってきたらリハビリを行うなど、があります。ギブスをしている間は入浴ができません。リハビリでは、足首の痛みや腫れによって、動かしにくくなり、筋力も低下するため予防を行います。足関節周辺の筋力を強化し、関節を安定させます。靭帯の損傷が重度の場合は、応急処置と同様に行い、2~3週間固定をすることもあります。ときに、関節が不安定の強い場合は、手術することもあります。

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疲労骨折

一度では骨折に至らない程度の、小さな力が繰り返し加わることによって、骨に少しずつひびが入り、最終的に骨折に至ってしまうことです。スポーツ選手で、転倒や打撲が原因ではなく、短期的に集中的なトレーニングを行ったときに生じることが多いです。明らかな怪我がなく、慢性的な足が痛い状態が続く場合は、疲労骨折を疑います。主な原因は、長い間負荷がかかりすぎている、体の柔軟性が乏しい、筋力不足、未熟な技術、靴が硬く衝撃を吸収しきれない、などが考えられます。第二中足骨がある、足の甲に起こることがよくありますが、足関節にも起こります。整形外科では、レントゲン検査をします。はっきり骨折場所がわからない場合は、MRI検査で調べることもあります。治療は、安静にすることで治ることが多いですが、ときに手術もあります。環境やトレーニングの方法を見直して、予防することが必要です。

後脛骨筋腱機能不全症(こうけいこつきんけんきのうふぜんしょう)

後脛骨筋(こうけいこつきん)はふくらはぎの後ろから土踏まずにかけて伸びています。この筋肉は、足の土踏まずについているので、土踏まずが内側をむくように足首を伸ばします。また爪先立ちをする、足の土踏まずが崩れないように支えてアーチを保つ働きをします。後脛骨筋腱機能不全症は、この筋肉の損傷によって、足首が内側に曲がりやすくなり、足首や内くるぶしが痛い感じが起こります。また足首の腫れも起こります。そのほか、土踏まずのアーチがなくなり平坦になる(扁平足)などの症状があります。原因は、間違ったランニングフォームや、靴、O脚、骨盤のゆがみなどさまざまです。

検査はレントゲンを撮ります。またMRIで、後脛骨筋が断裂しているかどうか、機能しているかなどを調べます。治療は基本的には保存療法です。痛みや腫れを軽減するために、消炎鎮痛作用のある外用薬が処方されます。症状がひどい場合は、捻挫の応急処置と同様の治療をすることもあります。

足根管症候群(そくこんかん しょうこうぐん)

ふくらはぎから足に向かって後脛骨神経があります。この神経は足の内くるぶしで枝分かれをして足の裏の感覚を支配します。後脛骨神経は内くるぶしで、足根管というトンネルの中を通ります。ここで圧迫や損傷を受けると足の裏のしびれにつながります。また足首を動かすと痛いと感じることもあります。原因は、靴や、下肢静脈瘤、糖尿病、関節に発生する良性の腫瘤などが原因と考えられます。しびれの範囲は、どこで圧迫されたかや進行度によって異なります。またしびれや痛みだけでなく、足の冷えも感じることが多くなります。検査は、ティネルテストと呼ばれる検査を行い、締め付け部分を軽く叩くとしびれが響くティネル徴候をみます。治療は、靴などが原因である場合は、締め付けないような靴に変え、靴の中に矯正装具を入れて、圧迫を軽減させます。痛みがある場合は、局所麻酔薬を患部に注射することで痛みが軽減させます。日常生活に支障がある場合は、手術を行うこともあります。

 

まとめ

足首が痛い、と一言に言ってもいろいろな原因があります。それぞれ痛みの発生するメカニズムも異なり、対処方法も異なります。自分の判断で対処をしてしまったり、放置してしまうと、より悪化させることにも繋がりかねません。すぐに痛みがなくならないときには、迷わず病院で診てもらうことが大事です。

 

 

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