「あー!もううるさい!眠れない!」うるさいいびきって治せるの?

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[投稿日] '16/11/12 [最終更新日] '18/03/18 551views
「あー!もううるさい!眠れない!」うるさいいびきって治せるの?

いびきは、ご自身の睡眠の質を下げるだけでなく、いびきがうるさいと、周りの人も睡眠が妨げられて辛いですよね。いびきをかく人の割合は3~4人に1人といわれていて、決してめずらしくありません。生活を改善すれば治るいびきですが、いびきがうるさい原因には、怖い病気が隠れていることもあります。いびきの解消法を一緒にみていきましょう。

 

いびきがうるさいのはなぜ?

いびきは、喉を息が通る時にでる音のことです。鼻や口腔から肺までの道を気道とよびます。通常起きている時は、気道は十分に広がっていますが、寝ていると、重力によって舌の付け根が喉の方へ落ち込んで、そのまわりの筋肉もゆるむため、気道が狭くなります。いわゆるのどちんこ(口蓋垂)や口の天井(軟口蓋)など、のどの周囲の粘膜などが呼吸によって振動して、音がでるため、いびきのうるさい原因となるのです。鼻がなんらかの原因で詰まっていたりすると、口呼吸になりやすく、音が出やすくなります。
寝ている時にいびきがうるさいと、自然と口呼吸になり、気道も狭くなっているため、酸素を取り込む量が減ります。血液中の酸素量も減少するため、疲労が回復せず、睡眠不足になります。睡眠不足になることでさらに疲労が蓄積するため、悪循環になりやすくなります。

 

いびきの原因

いびきは「単純いびき症」「上気道抵抗症」「睡眠時無呼吸症候群」の3つに分かれます。

単純いびき症

疲労やストレス、飲酒や花粉症、風邪など一時的な症状が原因でいびきをかきます。単純いびき症の特徴は、呼吸が止まる、または弱くなることがない状態です。一過性のものなので、体調が改善し、規則正しい生活を送るようにすると、いびきがうるさいのが和らぎます。枕の高さの調節や、横向きに寝るなどをしても有効です。ただし、病的でない、単純いびき症の場合でも、慢性化している場合は注意が必要です。寝ている間に、いびきがうるさいのは、一生懸命呼吸をしようとしている状態です。このとき、血圧もあがりやすくなり、高血圧を悪化させる原因になります。口蓋垂が振動しているうちに肥大することもあり、いびきがうるさいのが慢性化しやすくなります。

肥満

いびきがうるさい原因で最も多いのが肥満です。太っていることで、気道の周りに脂肪がつきやすくなるため、のどが狭くなってしまいます。眠ることでさらに舌が喉へ落ち込み、さらにのどを狭くしてしまい、いびきがうるさい原因になりやすいのです。また肥満体型の人は、酸素量を理想体重の人よりも多く必要とするため、深い呼吸となり、結果的にいびきがさらにうるさいと感じられるようになります。肥満であることは、生活習慣病と大きく関係しています。高血圧、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、糖尿病など、大変な病気の合併症になりやすくなります。肥満である場合、まずは適切な食事と運動で減量をすることです。食事は規則正しく、決まった時間に良質な栄養をとること、運動は軽い運動を毎日の習慣としてとりいれることが大切です。

鼻づまり

常に風邪をひいている、アレルギーなどで慢性的に鼻づまりを経験している場合、鼻の粘膜が常に腫れている状態となります。普段から口呼吸をしている場合は日常的にいびきをかきやすく、口呼吸が習慣になっている、鼻づまりが多い方は、一度耳鼻咽喉科を受診し、原因がはっきりしている場合は、治療をしましょう。

扁桃腺肥大

扁桃腺が肥大していると、鼻づまりが起こりやすくなり、いびきがうるさい原因となります。扁桃腺炎の治療は、薬物治療、手術が一般的です。
薬物治療には、主に抗生物質、鎮痛剤が使用されます。うがい薬なども処方されることがあります。手術は、慢性扁桃腺炎の場合に適応されることがあり、扁桃腺を切除、摘出します。これによって、その後感染しにくくなります。手術の適応となる場合、扁桃腺を切除します。手術によるデメリットは、術後に痛みがみられ、数日間は食事をするのも困難です。また扁桃腺の神経を手術の際に傷ついてしまい、術後に味覚障害や、声の変化、頭痛などの後遺症が残ることもあるようです。

口呼吸

またいびきがうるさい原因として、口呼吸になっていることをあげましたが、病的でなく健康な人でも、自覚症状がないまま、いびきをかくことはあります。普段から鼻づまりの傾向にある人は、起きたときに喉がかわく、口の中がねばねばしているなど、口呼吸をしている特徴がみられることがあります。病的でないにしろ、睡眠不足になり、慢性化すると体に悪影響がでるため、心あたりのある方は耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診しましょう。

あごや口の形状・噛み合わせ

下あごが小さい人や噛み合わせが悪い人はいびきをかきやすいと言われています。下あごが小さいと、舌が下あごに収まりきらず、睡眠時にのどに落下しやすくなります。現代人は硬い物をあまり食べなくなったため、舌や顎の筋肉が衰えてきたと考えられているようです。特に舌はほとんど筋肉でできています。普段から食べ物はよく噛んで、舌や顎の筋肉をよく使うことでトレーニングとなります。また、枕の高さを調節したり、横向きに寝ることでも一時的に改善しますが、根本的な解決にはなりません。歯科医院で矯正治療や、マウスピースの作成は、いびきがうるさい原因には効果がありますが、費用や定期的な診察が必要となってきます。

上気道抵抗症

上気道抵抗症は、睡眠時無呼吸症候群の一種です。睡眠中の無呼吸はないものの、努力的な呼吸となっています。寝ている間に目が覚めやすくなるために、日中の強い眠気があります。肥満やあごが小さいことが原因となりやすいため、主な治療では、減量の他に、マウスピースの作成があります。いびきがうるさいのは改善されるものの、自費扱いとなり費用がかかります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に呼吸が止まる症状のことを呼びます。10秒以上の気道の空気が止まり、もしくは無呼吸が一晩に30回以上あれば、この病気と診断されます。寝ている間にいびきがうるさい他、呼吸の停止、乱れ、寝汗などがみられ、起きている間は強い眠気、だるさや倦怠感、集中力低下、疲労がとれないなどの症状がみられます。

男性に多く、また生活習慣病との関連も強く考えられます。タバコや寝酒が習慣かしている、肥満、高血圧、糖尿病などの既往がある方は注意が必要です。日中の集中力が低下、強い眠気がみられることで、事故のリスクが高くなります。運転をすることが多い方は早めの治療が必要となってきます。予防法としては、適正体重を維持すること、寝酒をやめること、鼻炎の改善、寝る時の姿勢の工夫が必要となってきます。また睡眠時無呼吸症候群の人は、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの合併症の確率が高いことでも知られています。心当たりのある方は、それらの治療も同時に必要となってきます。普段から無理をせず、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診しましょう。思わぬ病気が合併している可能性もあります。

 

いびきがうるさいって言われたら病院に行くべき?

いびきがうるさいことで悩んでいる場合、もしくはいびきが慢性化している場合、一度病院で診察してもらうとよいでしょう。耳鼻科や呼吸器内科、または歯医者でもいびきの診察をしてもらえますが、専門的に睡眠時無呼吸症候群に対応できる病院、いびき外来もあります。

いびき外来でどんな検査をするの?

簡易検査

簡易検査は、自宅で手軽に行える方法です。ただし、睡眠の質を調べることはできません。日中眠気がひどい場合は、睡眠の質を調べる必要があります。簡易検査では、血中の酸素濃度を測るパルスオキシメーターや、気管音検査とよばれる首に装着して音声データや呼吸の情報を解析する装置などを使用します。

精密検査・睡眠ポリグラフ

病院に宿泊して、睡眠時の体の向きや、体動、脳波、無呼吸や低呼吸の有無、いびきなどを記録していきます。普段と環境が異なるため、眠りにくい人もいるかもしれません。病院によっては、自宅で記録できる装置を貸し出してくれるところもあるため、入院の必要がありません。

 

うるさいいびきの治療法

マウスピース

いびきの程度が中等度以下の場合は、歯科医院でマウスピースを作成し、就寝時に装着することで、いびきのうるさい原因はかなり改善します。通常、上あごの歯が下あごの歯よりも前へでていますが、下あごが上あごと同じように並ぶか、もしくは数ミリ程度やや突き出るように作成することで、のどを広げ、呼吸を助けます。デメリットは、歯科医院で個人専用に歯型を作成する必要があり、保険適用外のために費用が歯科医院にもよりますが、2~4万円程度かかってしまいます。

鼻CPAP療法

経鼻的持続陽圧呼吸療法とよばれ、マスクを装着して睡眠し、圧のかかった空気を送り込むことで、鼻の奥から、のどを膨らませて、気道が閉塞しないようにする治療法です。効果はすぐに出にくい方もいますが、いびきがうるさいのが改善し、ほとんどの方が睡眠の質を高めることができます。保険適用のために月々4,500~5,000円程度となります。デメリットは、いびきによる睡眠の質の低下はふせぐことができても、いびきの根本的な治療法ではありません。睡眠中に空気を強制的に送り込む必要があるため、のどが乾燥しやすく、痛めてしまう可能性もあります。また鼻腔に疾患がある場合は、炎症を悪化させてしまうこともあります。また電気代やメンテナンスによるコストもかかります。旅行や出張など持ち運びも不便です。継続的な通院も必要となってきます。

レーザー治療

口蓋垂の周りをレーザー照射で切り取り、気道をふさぐ原因を根本的に切除します。最近ではレーザー治療が、痛みや出血が少なく体への負担が小さいため、主流となっています。また保険治療であるため、費用が抑えられます。いびきがうるさい場合に対して、すぐに効果がみられますが、デメリットは再発する可能性があること、日帰りで手術が行えますが、1~2週間は安静にする必要があり、数日間は食事が飲み込めないなどがあります。レーザー治療は最終的な手段として、よく主治医と相談をしましょう。

 

いびきがうるさいと言われたときの対策

減量をする

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肥満は、いびきがうるさい原因の最も大きなものです。偏食をなくして、しっかりと栄養をとること、決まった時間に食事をすること、早食いを避けて、咀しゃくをしっかりすることで、いびきがうるさいことが改善できるでしょう。また適度な運動も日々取り入れることが大切です。例えば、エレベーターでなく階段を使う、一駅分歩くなど、普段から心がけていくことで、減量につながっていきます。

横向きに寝る

いびきがうるさい原因として、仰向けに寝ることも挙げられます。横向きに寝ることで、舌の付け根や、口蓋垂がのどに落ち込んで気道をふさぐことを避けることができます。気道を確保するために横向きで寝ることはおすすめできます。また枕は、首に負担がかからないような高さや硬さの物を選ぶことで、いびきがうるさいのを改善できるでしょう。

寝る前の飲酒は避ける

寝酒が習慣化している人はいびきがうるさい原因になりえます。アルコールは筋肉を弛緩させ、血行を促進します。舌やのどの筋肉が緩んで上気道が狭くなるために、鼻腔の血管が膨張し、粘膜が腫れて鼻づまりも起きやすくなります。また飲酒によって、呼吸が乱れ、激しくなるために、これもいびきがうるさい原因になります。寝る前の飲酒は避けた方が良いでしょう。

湿度

部屋の湿度が低くなると、空気が乾燥しやすくなります。空気が乾燥すると、鼻やのどに炎症がおこり、口呼吸をしやすくなります。適度な湿度と気温は、風邪の予防にもなるため、快適な室温・湿度に設定して、いびきのうるさい原因を改善しましょう。

 

まとめ

いびきがうるさい原因や対策についておわかりいただけたでしょうか? 単なるいびきでも、睡眠の質を下げ、また周囲にも迷惑をかけてしまいます。また慢性化している場合は、思わぬ病気が隠れていることもあるため、心当たりのある方は早めに耳鼻科や呼吸器内科、歯科、または専門のいびき外来を受診しましょう。

 

 

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