止まらない鼻水…これって治せるの?

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[投稿日] '16/10/28 [最終更新日] '18/03/18 433views
止まらない鼻水…これって治せるの?

鼻水が止まらない…

鼻水が止まらないと鼻がムズムズする不快感があるし、それが垂れてくると外見的にもとても気になりますよね。鼻水が出るから風邪だろうと安易に考えていいものでしょうか?たかが鼻水が止まらないだけだと思って様子を見ていたら、実は風邪以外の病気が隠れていることもあります。鼻水は異物が体内に入らないように体外に出す防衛反応ではあるのですが、鼻水が止まらなくて困っている方は、この記事を読んでいただければ不安が少しでも解消できたら幸いです。

 

鼻水が止まらない理由は?

鼻水が止まらない原因は様々ですが、ここでは代表的な病気2つを例に挙げてまとめていきたいと思います。

1.アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は、鼻から吸い込まれたハウスダストやスギ花粉などの異物(抗原)が、鼻の粘液でアレルギー反応を起こし、鼻水が止まらない、くしゃみ、鼻づまりの症状が出ます。アレルギー性鼻炎は、誰でも聞いたことがあると言っても過言ではないぐらい有病率の高い病気になります。発症のメカニズムとしては、アレルギー反応によって放出されるヒスタミンなどの成分が鼻の粘膜表面にある神経を刺激して、くしゃみが出ます。くしゃみをすることで反射的に鼻水が分泌されるのです。目の症状としても、ヒスタミンが目の結膜表面の神経に作用し、かゆみが出たり、異物感が出たりします。それにより、反射的に涙の分泌が増えます。

さらに繰り返し、ハウスダストや花粉などとの接触が多くなると、アレルギー性鼻炎の症状は強くなっていきます。症状が強くなると、鼻水が止まらないという症状だけでなく、頭痛や体がだるいなどの全身症状、目の周りや耳、襟首が赤くなったり、かゆくなったり、さらには、のどがかゆくなるなどの様々な症状を起こすようになります。

2.副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、ウィルスや最近などの感染やアレルギーなどが原因で副鼻腔の粘膜が炎症を起こして、腫れることで鼻腔と副鼻腔を繋いでいる道を塞ぐことで換気が出来なくなったり、副鼻腔粘膜からの分泌液などが排泄できなくなったりします。症状としては、黄色い鼻水がでる、鼻がつまる、のどの奥に鼻水が流れ込む、咳が出るといったものがあります。

副鼻腔炎には発症してから症状がなくなるまでの期間で「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」に分類することができます。

急性副鼻腔炎は発症してから1ヶ月以内に症状が消失する副鼻腔炎で、細菌などの感染が原因となることが多いです。風邪から始まる鼻炎がきっかけとなって発症することが多く、症状としては上記で述べた以外にも発熱や頬の痛み、頭痛がみられます。

慢性副鼻腔炎は3ヶ月以上症状が続く副鼻腔炎のことを指します。これは、皆さんも聞いたことがあるであろう「蓄膿症」と呼ばれる病気です。アレルギー性鼻炎などから移行することが多く、副鼻腔炎の炎症が原因で中耳炎を起こすこともあります。

慢性副鼻腔炎については、「鼻水がたくさん出て治らないのは慢性副鼻腔炎かもしれません」のコラムで詳しく紹介しています。

 

鼻水が止まらないという症状があるときに必要な検査・治療

鼻水が止まらないという症状に悩んでいる方に対して、ここでは、上記で説明した「アレルギー性鼻炎」「副鼻腔炎」に対して行われる検査・治療についてまとめていきたいと思います。

鼻水 止まらない 耳鼻咽喉科

1.アレルギー性鼻炎で鼻水が止まらない場合

まずは、診断するためには、鼻水が止まらないなどの症状が「いつから」「どこで」「どの程度の期間」続いているのか詳しく聞き取りを行う問診が重要です。

また、ハウスダストや花粉などの抗原に対するアレルギーを起こす抗体があるか調べる方法があります。その方法とは、1つは、皮膚に対して抗原を注射して皮膚に赤みや腫れなどの炎症反応が起こるか確認する皮内テストです。また、引っ搔いた皮膚に抗原を滴下するスクラッチテストと呼ばれる検査があります。その場で、すぐ結果が分かるというメリットもあります。もう1つの方法としては、アレルギーに関係する血液中の微量なIgE抗体を検査する方法です。その他にも、鼻水の中に白血球の一種である好酸球を調べる方法もあります。

アレルギー性鼻炎の治療としては、症状を軽くするための対症療法と根本的に治療する根治療法があります。

鼻水が止まらないなどといった症状の対症療法としては、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬の内服や点鼻、鼻噴霧用ステロイド薬の点鼻があります。鼻水が止まらない場合には、抗ヒスタミン薬が一般的に多く使われます。しかし、抗ヒスタミン薬には眠気が出るという副作用もあるため注意が必要です。

根治療法としては、原因の花粉などを完全に除去できれば一番良いのですが現実的に考えると困難です。そのため、選択される治療としてはアレルゲン免疫療法があります。アレルゲン免疫療法とは、花粉の抽出液を、少しずつ濃度を上げて注射をしていき身体を花粉に慣れさせることで、花粉に対する防御できる免疫を獲得させるような治療です。維持量が決まるまでは週に1、2回行いますが、維持量が決まった後は2週間に1回を2ヶ月間続け、その後は1ヶ月に1回注射を行います。体質を改善するためには、これを2年以上続けることが重要です。通院が多く必要であることはこの治療のデメリットといえるでしょう。

2.副鼻腔炎で鼻水が止まらない場合

副鼻腔炎でもアレルギー性鼻炎と同様、黄色い鼻水が出るか、鼻づまりがあるか、前頭部痛などの症状はあるかなどの問診はとても重要となります。

また、鼻やのどの視診により炎症があるか鼻水がのどの奥に垂れ込んでいないかなどの観察や、内視鏡を使って鼻の奥の副鼻腔へ繋がる部分の状態を診る検査もあります。また、状態によっては副鼻腔のCT検査を行う場合もあります。

治療としては、抗生物質や抗アレルギー薬などの内服を行う薬物療法や鼻水が止まらない場合は、鼻水を吸引し、生理食塩水などで鼻を洗浄し、鼻の通りを良くする処置を行い、ネブライザーで霧状の薬を鼻に吹きかけて治療する場合が多いです。

上記の治療で効果が得られない場合には、手術療法が適用になる場合があります。方法としては、内視鏡を用いて行う内視鏡下鼻内副鼻腔手術が主流となっています。メリットとしては、内視鏡が入ることで確実な視野が得られるということや術後の痛みやしびれといった手術による合併症が起こりにくいというものがあります。あくまでもこの手術は、副鼻腔炎を根本的に治すものではなく、治りやすいように副鼻腔の形態を整える目的で行われます。

 

鼻水が止まらない時に受診すべき診療科

鼻水が止まらないと悩んでいる方にお勧めする診療科は「耳鼻咽喉科」です。内科でも対応は可能ですが、鼻粘膜に抗原ディスクという濾紙につけた抗原を置いて鼻アレルギーの症状が起こるかの確認を行う鼻誘発テストなど耳鼻咽喉科でしか行われないような検査もありますし、必要な治療はほとんど受けることが可能となります。鼻水が止まらないのであれば、まずは耳鼻咽喉科を受診してみてください。

 

鼻水が止まらない時に自分で出来る対処法

ここでは、鼻水が止まらないという症状が一番顕著に現れるアレルギー性鼻炎の中の花粉症について、自分で出来る対処法についてまとめていきます。

1.花粉対策

鼻水が止まらない方が一番簡単にできる花粉対策としては、マスクや眼鏡の着用です。花粉を少しでも身体の中に入れないように努力する必要があります。花粉症用のマスクでは花粉が約1/6、花粉症用の眼鏡では1/4程度に身体に入ってくる花粉を減少させることが分かっています。これは、症状を全くなくすことは不可能ですが、症状を軽くすることはできます。その他の対策としては、花粉の飛散が多い日は外出を控えたり、窓や戸は開けたままにしたりしないような工夫が求められます。

2.鼻粘膜状態の改善

鼻粘膜の状態を悪くする原因となるストレスや睡眠不足、飲み過ぎなど生活習慣の改善が求められます。また、花粉対策をした上での軽い運動はお勧めです。

 

鼻水が止まらない場合のまとめ

鼻水が止まらない原因や対策が理解できたでしょうか?鼻水が止まらないまま放置していると、症状が悪化して鼻水以外の症状が出現する可能性があります。軽症な場合であれば、セルフケアを徹底することで症状が軽減することもあるでしょうが、症状が持続する場合には耳鼻咽喉科を一度は受診してみてください。それで、今まで悩んでいた鼻水が止まらないという不快な症状から解放されるかもしれません。鼻水が止まらないだけだからと安易に考えずに、正しい知識を持ち、正しい行動をとれるようにしていきましょう。

 

 

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