尿路結石予防のために夏は脱水とカルシウム不足にならないように!

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[投稿日] '16/07/13 [最終更新日] '18/03/18 586views
尿路結石予防のために夏は脱水とカルシウム不足にならないように!

尿路結石の概要

尿路結石とは、尿路にできる結石のことです。尿は腎臓で作られ、尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通って排泄されます。この尿の通り道のことを「尿路」といいます。また、尿に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの物質が結晶化して石のようになったものを「結石」といいます。結石が腎臓にある場合を腎(臓)結石、尿管にある場合を尿管結石、膀胱にある場合を膀胱結石、尿道にある場合を尿道結石と分類され、腎臓・尿管の結石を上部尿路結石、膀胱・尿道の結石を下部尿路結石と呼びます。

尿路にできる結石の大多数がシュウ酸カルシウムかリン酸カルシウムという成分でできており、カルシウム結石と呼ばれています。中でもシュウ酸カルシウムが圧倒的に多いことに対し、純粋なリン酸カルシウムによる結石は少なく、シュウ酸カルシウムにリン酸カルシウムが混じっている場合が多いです。

厚生労働省の平成26年度患者調査によると、尿路結石の総患者数は5万6千人となっています。男女比は2.5:1から5:2で男性に多く、男性は20~60代と広い年代で、女性は閉経後に多くみられる病気です。近年、若い人や女性の発症比率が上がっているといわれています。再発率も高いことが特徴の病気で、5年間で約45%の患者に、10年間で約60%の患者に再発がみられています。

症状は結石のある部位によって異なりますが、尿の流れに伴って上部から下部へと結石も移動することが多く、さまざまな症状が起こることになります。

疝痛(せんつう)
尿管結石の特徴的な症状として疝痛があります。疝痛とは、さし込むような鋭く強い痛みのことで、尿管の筋肉が異常に収縮したり、尿の流れが悪くなって腎臓の圧が上がることによって起こるといわれています。疝痛は、主に上部尿路結石で起こり、数分~数時間で痛みが繰り返すことから疝痛発作とも呼ばれます。

上部尿路結石の症状
小さな腎結石の場合はあまり症状がみられないことも多いですが、腰や背中を叩くと痛みを感じる(叩打痛:こうだつう)ことがあります。腎臓と尿管の境や、細い尿管に大きな結石がはまり込んでしまうと尿の流れが悪くなり、疝痛が起こります。疝痛は、腰や背中から脇腹、下腹部など結石のある部分のほか、陰部や太ももなどが痛いと感じることもあります。また、強い痛みから、吐き気や嘔吐を伴うこともありますし、結石が尿路を傷つけることによって血尿がみられることもあります。放置すれば腎臓に尿がたまって腫れる水腎症や、腎臓に感染を起こす腎盂腎炎が起こることがあり、最悪の場合は腎臓の機能が失われる腎不全になります。

下部尿路結石の症状
排尿時に痛みがみられるほか、血尿や頻尿が起こります。膀胱と尿道の境や尿道に結石がある場合には、排尿途中で尿が止まってしまったり、またはまったく尿が出なくなることもあります。膀胱に結石がある場合は膀胱に炎症が起こることが多く、尿の混濁や残尿感、下腹部の違和感などの膀胱炎症状が起こることもあります。

 

尿路結石の原因

肉類などの動物性たんぱく質を多く食べると、体内にシュウ酸などが増加します。シュウ酸はカルシウムと結びつきやすい性質があるため、通常は腸内でシュウ酸カルシウムとなり便と一緒に排泄されます。しかし、シュウ酸の量が多いと尿路に出てきてしまい、カルシウムと結びつくことで結石となります。近年、若い人や女性に尿路結石が増えているのは食生活の変化、特に肉類が多くなっていることが原因とされています。

また、尿の流れが悪いと尿路結石ができやすいといわれています。もともと病気があり、尿路が狭くなっていたり、単に脱水などで尿量が減ることで濃縮された尿が尿路に長く停滞するだけでも尿路結石になりやすくなります。

基礎疾患として、原発性甲状腺機能亢進症や尿細管性アシドーシス、痛風、クッシング症候群、クローン病などの炎症性腸疾患などがある場合にも尿路結石になりやすくなることがわかっています。このような基礎疾患がある場合は、尿路結石の治療と並行して基礎疾患の治療を行いますが、日頃から特に尿路結石の予防に努める必要があります。

尿路結石の予防のために食生活を改善

予防のために尿路結石を予防するには、食生活の改善が必要となります。肉類などの動物性たんぱく質はシュウ酸を増やすためなるべく野菜を多くした和食中心のメニューを心がけましょう。ただし、ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれているためあまり食べ過ぎないようにするか、シュウ酸は水に溶けやすいので茹でてから食べると良いでしょう。また、ビタミンCも体内でシュウ酸を生成するため、特に結石ができやすい人は多く摂りすぎない方が良いため、サプリメントなどは控えたほうが良い場合があります。

1日2リットル程度を目安に水分を摂り、脱水気味になるのを予防しましょう。ただし、紅茶・ココア・コーヒーなどにはシュウ酸が含まれるため飲みすぎないように注意が必要です。

以前はカルシウム摂取量が多い方が結石ができやすいといわれていましたが、現在はカルシウム摂取量が少ないと腸内でシュウ酸と結びつく量が減るため、尿中にシュウ酸が排出されやすくなることがわかっています。日本人は慢性的にカルシウム摂取量が少ないため、なるべく意識して1日600mg程度を目安に摂取するようにしましょう。

 

 

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