子宮脱の新しい治療法:メッシュ手術

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[投稿日] '16/06/25 [最終更新日] '18/03/18 460views
子宮脱の新しい治療法:メッシュ手術

子宮脱の治療

子宮脱は出産などによって筋肉が損傷して子宮を支える力が弱っている、あるいは加齢などによる筋力の衰えによって本来の位置より下がってしまい膣の外に出てしまう病気です。子宮脱の治療として有効な薬物は、残念ながらありません。

そのため、主な治療は手術やリングペッサリー挿入法などです。患者さんの年齢や妊娠の希望などに基づき決定しますが、子宮脱を根本的に治すには手術が必要になります。

子宮脱の手術

子宮脱の手術に、従来は子宮を摘出する「単純子宮全摘出術」と膣壁を縫い合わせる「前後膣壁縫縮術」という方法を組み合わせた手術が行われていました。しかし、子宮を残すこと(温存)を希望する人も多いため、最近ではメッシュ手術が主流となっています。

メッシュ手術は2000年の初めにフランスで開発された外科的治療です。「メッシュ」と呼ばれる網状の人工素材で骨盤底筋の代わりに子宮を支え、ハンモックのようにアームという部分で吊り上げて弱くなった靱帯を補強します。

手術中の膀胱や直腸の損傷なども考えられますが、メッシュ手術は子宮を残すことができ、従来の手術に比べて身体の負担がかなり少なくなった点は大きなメリットです。メッシュ手術の場合、入院期間も数日で済むこともあり、2週間ほどでこれまでの生活にほぼ戻れるといわれています。

しかし、再発予防が極めて重要なため術後の1か月半~2か月ほどは重い物を持たないようにし、また、性器内の感染にも注意が必要です。さらに、術後にメッシュがズレてしまうなどのトラブルも報告されており、手術を行う医師のスキルが重要といった指摘もあります。

 

リングペッサリー挿入法

リングペッサリー挿入法は、膣の中にペッサリーを挿入して下がってしまった子宮を支える方法です。この方法は子宮脱を根本的に治すものではないので、ペッサリーを外せば子宮は元のように下がってしまいます。しかし、手術をせずに治療できる点はペッサリーのメリットです。

また、使用方法としては病院で医師が挿入や抜去をする方法と自分で着脱をするタイプの二つがあります。ペッサリーは小さめのサイズから始めて徐々に大きくしていき、自分の体に適したサイズを見つけることが大切です。

しかし、子宮脱が重症になるとペッサリーも一緒に出てしまったり、ペッサリーが膣壁に食い込んでしまったりすることもあります。トラブル防止のためには、2~3か月おきに病院に通い、膣の洗浄やペッサリーの交換をするようにしましょう。

ペッサリーの使用で問題になりやすいのは出血や感染です。もし、他の病気の治療薬として血液を固まりにくくする抗血液凝固剤などを服用している、あるいは免疫力を抑える免疫抑制剤などを使っている場合はペッサリー以外の治療法がよいでしょう。薬を服用中の人は、治療方法を決める際に必ず医師に相談してください。

 

フェミクッション

脱出した臓器を膣の中に納めた状態(還納)にしてから「フェミクッション」と呼ばれる小さなクッションで膣の口(陰部)を塞ぐように当てて下着型のサポーターで留めます。フェミクッションは保険が使えず、トイレに行くたびに外す必要がありますが、手術ができない人やリングペッサリーを使えない人には選択肢を増やす新しい治療法です。

 

骨盤底筋を鍛える体操(ケーゲル体操)

弱ってしまった骨盤低筋を鍛えることで子宮脱を予防することができます。また、軽い子宮脱であれば症状を軽くすることも期待できる体操です。

具体的には椅子に座わり、身体の力は抜いて肛門と膣を締めるようにします。仰向けに寝て行うこともでき、膝を立てた姿勢で肛門や膣を締めながら、5つ数えましょう。また、仰向けで膝を立てて、さらに腰をゆっくり挙げて膣を締める方法もあります。

これらの体操は残念ながらすぐに効果が出るものではないので、無理のない範囲で毎日、続けましょう。
子宮脱は、予防として日常生活で腹圧や重力がかかるのを少なくすることが大切です。重い物を持たないようにする、長い間、立ったままの姿勢を避ける、また、便秘になるといきむことが増えるので便秘を予防することも子宮脱の予防につながります。

 

 

 

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