心臓の電気信号が伝わらない”房室ブロック”という不整脈とは

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[投稿日] '16/06/06 [最終更新日] '18/03/18 524views
心臓の電気信号が伝わらない”房室ブロック”という不整脈とは

不整脈:「房室ブロック」の概要

前項で紹介した不整脈の中でも、房室ブロックに焦点を当ててみてみましょう。ブロックとは電気信号の道をふさいだり、その進行を妨げるという意味で使われています。

 

房室ブロックはⅠ~Ⅲ度に分類されていますが、Ⅱ度房室ブロックはさらに「モビッツⅠ型」、「モビッツⅡ型」、「高度房室ブロック」に分けられています。

モビッツⅠ型では洞結節から房室結節まで電気信号が伝わる時間がしだいに長くなり、ついにはその刺激が房室結節から心室に伝えられずにブロックされてしまう状態ですが、多くは良性で、あまり治療を必要とすることはありません。

モビッツⅡ型は洞結節からの電気信号の1回が時々房室結節から心室へ伝えられずにブロックされてしまう状態で、失神発作を起こすことがあります。

高度房室ブロックは、洞結節からの電気信号が2回以上連続してブロックされてしまい、心室の収縮が起こらない状態です。前兆がなく、突然何秒間か電気が途切れてしまうような状態で、失神発作や突然死に結びつく危険な不整脈です。

 

Ⅲ度房室ブロックは「完全房室ブロック」とも呼ばれます。洞結節からの電気信号がまったく心室に伝わらず、心室は自分で電気をつくって収縮を始め、心房と心室が別のリズムで拍動することになり、不規則な除脈となるため失神発作や心不全の原因となります。

 

房室ブロックの症状は脈が極端に遅くなることによるもので、めまいやふらつき、息切れ、疲れやすさなどが起こることが多く、Ⅱ度やⅢ度房室ブロックでは発作的に失神を起こすことがあります。また、徐脈の影響で心臓に負担がかかり心不全の状態になると、息切れや疲れやすさ、動悸などが出現します。Ⅰ度では無症状であることが多いとされています。

 

Ⅱ~Ⅲ度の房室ブロックを放置すると、心臓に負担がかかり心不全となることがあります。心不全とは、心筋の収縮する力が低下することによって心臓から送り出される血液の量が低下した状態のことで、呼吸困難やむくみ、咳、疲れやすさなどの症状が現れ、命の危険があります。また、失神を繰り返し、突然死を引き起こす可能性もあるため、医師の指示通り治療を行うことが重要です。

 

不整脈:「房室ブロック」の原因

房室ブロックの原因は加齢によって房室結節が変性することにより正常な機能が果たせなくなることのほか、心筋梗塞や心筋症、心膜炎、冠動脈硬化、膠原病、リウマチ熱などによって房室結節が障害されて起こることがあります。ですから、健康診断などで房室ブロックを指摘された場合には、上記のような病気が隠れている可能性があるため病院でしっかり検査をしてもらうことが大切です。

 

また、Ⅰ度房室ブロックは激しい運動を日常的に行う人に良く見られ、迷走神経という神経が刺激されることによって心臓の動きが抑えられて起こります。スポーツ心臓と呼ばれる人に起こりやすい不整脈です。

 

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