病的肥満の治療で手術を検討している方は、合併症リスクを減らすためにも名医の治療を!

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[投稿日] '17/05/10 [最終更新日] '18/03/18 968views
病的肥満の治療で手術を検討している方は、合併症リスクを減らすためにも名医の治療を!

BMI30以上の病的肥満の方はリスクがいっぱい

肥満はいろいろな病気の原因になります。肥満の指標として、肥満度指数(Body Mass index:BMI)が有名ですが、このBMIの数値が30以上の方は「病的肥満」とされています(身長170cmで体重87kg以上だとBMI30を超えます)。病的肥満となると、糖尿病や高血圧、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まり、体重過多による膝関節炎の発症など、日常生活に大きく支障が出てしまいます。

肥満を原因とする病気を予防、そして治療するには、当たり前ですが肥満の解消が重要です。まず第一の選択としては、食事療法や運動などを行い、生活習慣の改善にて体重減少を図ります。しかし、肥満になる原因も様々であり、体質や精神的な問題など様々な理由によって、食事や運動の指導だけではなかなか痩せることが難しい方も多くいらっしゃいます。

いろいろなダイエット方法を試しても痩せることができない場合、外科的な治療を行い、胃を小さくするという方法が取られることがあります。適応としては減量目的ならBMI35以上、肥満の合併症の治療目的ならBMI32以上というようになっています。外科的な治療は、肥満の解消に劇的な効果をあげることが期待できますが、手術を受けるため術中・術後の合併症も存在します。今回は、胃を小さくする手術の一つである胃バイパス手術とその名医に関連する論文を紹介します。

 

病的肥満に対する胃バイパス手術とは

手術療法の目的は、「満腹感を感じやすくすること」と「栄養を吸収しにくくすること」です。肥満に対する手術はいくつか種類があり、胃を部分的に切除して小さくする方法であるスリーブ状胃切除術や、胃の上部にバンドを巻き付けて絞り、バンドの上部に食べ物が溜まると満腹感を感じることで食べる量を減らす胃バンディング手術などがあります。

今回ご紹介する胃バイパス手術は、まず胃を上の方が小さくなるように2つに切り分けます。次に、小さい胃を小腸と繋げます。すると、食べ物の通り道では小さい胃を通ることになるので、たくさん食べることができなくなります。胃の下部であった部分は食道とはつながっていませんが、元々の十二指腸とはつながっており、その先で小さい胃からくるルートと合流させるので、胃液や胆汁、膵液などが腸へと流れるので消化は正しく行えます。

この手術を受けると物理的に食べ物を少ししか食べられなくなるため、他の方法で痩せることができなかった人でも、ほとんどの人は痩せることができます。しかし先ほどもお伝えしたように、胃バイパス手術は、縫合不全によって胃腸内のものが漏れ出す場合があり、時には生命の危機につながってしまう場合もあります。その他にも胃が機能不全に陥り、食べたものが胃でとどまれずに腸に流れてしまう場合などの合併症もあり、リスクについては十分に考えておく必要があります。

胃バイパス手術を受けられる際は、まず第一に治療成績の高い医師・病院を選ぶことが大切だと考えられます。

 

経験を積んだ名医が胃バイパス手術を行うと合併症の発症率が下がる

今回紹介する論文では、2009年4月から2015年5月の間に、カナダの9つの病院において行われた、29人の医師による、計11,684例の胃バイパス手術について調査が行われています。

調査を行った結果、全体の合併症の発症率は10.1%でした。手術経験が75回以内の場合では、合併症の発症率は11.6%であったのに対して、手術経験を600回以上積んでいる医師では合併症の発症率が6.4%と、ほぼ半分に減少していました。

手術時間についても併せて調査が行われていました。手術経験が75回以内の場合は、平均手術時間が183.8分でしたが、手術経験を600回以上積んでいる医師の場合では、131.5分と約1時間も短縮されていました。

これらの結果から、手術経験豊富な名医が手術した場合、胃バイパス手術を短い時間で受けることができ、なおかつ合併症も起こりにくいということがわかりました。

 

胃バイパス手術を受けるなら、治療経験豊富な名医の治療を

今回の論文から、手術の経験回数が合併症の発症率に大きく影響していることがわかりました。従って、胃バイパス手術の名医を探すには、胃バイパス手術の経験回数多い名医を探すのが良さそうです。経験回数を正確に調べることは難しいかもしれませんので、まず治療をどこで受けるか考える際には、胃バイパス手術が多く行われている病院を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

参考論文:Mastery in Bariatric Surgery: The Long-term Surgeon Learning Curve of Roux-en-Y Gastric Bypass.

 

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