看護師の考える、患者さんにとっていい病院の3つの条件とは!

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[投稿日] '16/10/03 [最終更新日] '18/01/19 1,576views
看護師の考える、患者さんにとっていい病院の3つの条件とは!

看護師からみても、いい病院とよくない病院はある

これまで病床数が600床以上の大きな病院や、100床以下の小さな個人病院などで、実際に看護師として働いたり、患者として受診したりしてさまざまな病院を見てきました。病院には、それぞれ特色がありますし、全く同じ病院は存在しないと言ってもいいでしょう。今まで皆さんが通った病院はいい病院でしたか?看護師から見た、いい病院やよくない病院についてここでは記載していきたいと思います。

 

看護師の考える、いい病院の3つの条件

一般的に皆さんが考えるいい病院とは、

  • 「医師の腕が良い」
  • 「医師の説明が丁寧」
  • 「設備が整っている」

などが挙がると思います。もちろん、それらの条件はいい病院につながると思いますが、ここでは皆さんが考えるいい病院とは少し違う観点で、特に看護師から見ていい病院だと考えられる条件を記載していきたいと思います。

 

いい病院の条件①病院スタッフ同士の仲が良い

一見、いい病院と関係ないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、病院スタッフ同士の仲が良いことは、スタッフ間での連携が良好であるとも言えます。連携がとれていれば、それだけ情報共有も円滑になり、ミスも起きにくくなるだけでなく、業務もスムーズになります。業務がスムーズになることで、外来などで診察の待ち時間も短縮化が図れるのです。また、病院自体の空気も明るくなります。ただでさえ、体調が悪くて病院に来ているのに、ムスッとしたような顔で対応されるといい気持ちはしませんよね。その点、スタッフ同士の関係が良好な病院であれば、自然と笑顔が増え、患者さんに対しても丁寧で優しい対応ができるスタッフのいるいい病院といえるでしょう。

看護師の考えるいい病院

いい病院の条件②意見箱が設置してある

最近では、意見箱を設置している病院が増えていますし、当たり前といえば当たり前ですが、きちんと意見箱で患者さんの声に耳を傾けようとしている病院がいい病院ではないでしょうか。

意見箱があり、しっかりと「患者様の声」として掲示板などで返答を行っている病院は、業務の改善を積極的に行おうと努力しています。また、患者さんからの声を知ることでスタッフ1人1人がそういった対応への意識を自覚し、責任ある行動がとれるようになります。意見箱は、ただ患者さんの疑問に答えるだけのものではなく、医療サービスの向上への材料にもなっているのです。

実際に意見箱のある病院で看護師として働いていると、意見箱がないときに比べてやはり患者さんへの対応で背筋が伸びる気持ちになります。意見箱がないと手を抜くというわけではありませんが、やはり直に患者さんからの声をフィードバックいただける環境であるということが、毎日の勤務の一つ一つに対する意識が少しずつ変わってきます。クレームをいただいてしまうことのないように真摯に患者さんと接するようになりますし、あまり多くはありませんがお褒めや感謝の声を目にすることでモチベーションにも繋がります。またそれを糧に明日からの仕事に繋げようという気持ちになるわけです。

ですから、こういった取り組みをしている病院は患者さんを中心と考えられるいい病院だといえるのです。

看護師の考えるいい病院

いい病院の条件③診察待ち時間に声をかけてくれる

病院に受診すると、診察時間は3~5分で終わってしまうのに関わらず、1~2時間待つのは当たり前になっている現状があります。もちろん、この待ち時間が少なくなるように工夫ができればいいのでしょうが、正直、なかなか難しいです。なぜなら、高齢化が進むにつれ、持病を持った高齢者が増えてきており、病院受診を必要としている人は増える一方ですし、医師や看護師などの医療スタッフも人手不足が慢性的に起こっているためです。

ですから、大切なのは診察の待ち時間を短縮することだけでなく、患者さんに如何に待ち時間を短く感じさせることができるかだと考えます。一般的には、待合室にテレビや漫画・雑誌類を置いている病院が多いと思います。なかには、スタッフの方がお茶やお菓子を配ってくれる病院もあります。(病院の待ち時間に関する優れた取り組みなどを「待ち時間を楽しくー病院の待ち時間対策①」のコラムで詳しく紹介しています。)

そういった取り組みももちろん患者さんのことを考えた結果の取り組みとして素晴らしいですが、看護師として一番大事だと思うのは看護師等のスタッフが待ち合い室で患者さんに声をかけることです。

看護師が待ち時間の患者さんに声をかけることが、なぜいい病院につながるのでしょうか?

患者さんは体調が悪くて、不安がいっぱいの状態で病院に来ています。病状が良くないほど、不安も大きいでしょう。そうした中で、ただ、じっと待つだけでは苦痛に感じている方も多くいらっしゃいます。そんな時に「横にならなくて大丈夫ですか?」などの声かけがあると、待っている間も1人ではない、気を配ってくれているのだと安心するのではないでしょうか? 自然とこういう心配りができるスタッフがいる病院は、観察力が優れた人材の教育が良くできていると思います。

病院での仕事はチームワークが大事です。看護師らの声がけは、きちんと患者さんに気を配り、スタッフが協力して患者さんに快適な受診をしていただけるような姿勢の表れではないでしょうか。

 

事前にいい病院・よくない病院を見分けるための4つのポイント

実際に、病院に行ってから「診察の際、医師の態度が悪かった」「看護師の説明や対応が雑だった」「いい病院だと聞いていたが対応が悪かった」といろいろ残念に思ったことはありますか?

体調が悪くて、病院を受診するのですから少しでもいい病院で診てもらいたいと考えるのは当たり前だと思います。そこで、ここでは病院に行く前にその病院がいい病院なのかいい病院でないのかをある程度、判別できるような方法を紹介したいと思います。

1. 診療科がなぜか多い病院は大丈夫?

最近では、ほとんどの病院がホームページをネット上に挙げていますので、携帯やスマホなどがあれば、誰でも簡単に病院の情報を得ることができます。

まず確認してもらいたいものは「内科・整形外科・脳神経外科」などの診療科目です。患者さんとしては、診療科目が記載されていれば安心して、その病院を受診してしまうかもしれませんが、本当にその診療科の治療を安心して任せることができる病院でしょうか?

小さい規模の病院なのに、たくさん診療科目を掲げている病院はないでしょうか?なかには、常勤医師がいないにも関わらず、専門外の医師が診察を行っている場合があるようです。

逆に、ホームページ上にしっかり医師の紹介や治療実績など細かく書いている病院は、比較的診察も丁寧で専門医が揃っている場合が多いといえます。

2. 先生の経歴がきちんとわかるホームページ

自分のことを診てくれる医師がどんな人なのか、気になりますよね。どんな経験をされてきて、どんな専門を持っているのか。

ホームページに経歴を記載している病院も増えてきました。大きな病院で全ての医師の情報を公開するのは難しいですが、せめてクリニックであれば担当する医師が誰で、どんな人なのかということは書いてほしいですよね。もしホームページを見てもわからなければ、電話などで聞いてみてもいいと思います。

また、英語で書かれた何かの認定証や賞状がたくさん壁にかけられたクリニックがあったりしますが、これもそれぞれどういったものななのか見てみると、その先生の治療の腕を証明するにはあまり意味のないものも含まれていることもないわけではありません。お金を出して通信制の講座を受ければもらえる賞状などもあるため、もし医療関係者に知り合いがいれば聞いてみてもいいかもしれません。

看護師の考えるいい病院

3. スタッフの求人情報がたくさん・・・大丈夫?

普通に病院に行こうと思った時には見ないと思うのですが、看護師ならではの視点でお伝えしますと、求人情報を見ることもその病院がいい病院かどうかを知る材料になります。看護師等のスタッフ募集がウェブサイト上などで常に行われている病院には注意が必要です。なぜならば、常にスタッフ募集をしているということはスタッフが足りないか、スタッフがすぐに辞めてしまう病院である可能性があるからです。スタッフがすぐに辞めてしまうと入れ替わりも激しくなりますし、そうなると業務に慣れていないスタッフが増えます。また、人手不足による多重業務でミスが増える可能性も出てきます。先程も書いたように、病院での仕事はチームワークが大事なのです。

4. 電話の対応である程度スタッフの質はわかる

病院の顔と言われるのは、実は事務員なのです。病院に入って、受付に向かうとまず、最初に関わるのはこの事務員だと思います。電話対応を行うのもほとんどの病院では事務員になります。ですので、電話で問い合わせを行った場合に、丁寧な対応をしてもらえたかどうかでその病院がいい病院科も見えてきます。対応が丁寧な病院は、スタッフ教育までしっかり指導が行き届いていますし、事務員だけでなくその他のスタッフも丁寧な対応をしてくれるいい病院である場合が多いです。

 

よくない病院に当たってしまった場合にはどうしたらいいか

それでも、よくない病院を受診してしまって気分を損ねた方や、どうしても何か伝えなければ納得がいかない場合はどうしたらよいのでしょうか。その場で思っていることを対象の人に伝えることができる人はいいのかもしれませんが、全ての人がそのように物事をはっきり伝えることができるわけではありませんよね。そういった方は、以下の方法を試してはいかがでしょうか?

1.意見箱へ投書を行う

これは、一番シンプルな方法です。直接、人と関わる方法ではないので、クレームとして言いたいことは全て書くことができ、病院側に意見を伝えられますし、自分が感じるストレスが少なくてすむというメリットはあります。しかし、返答がその場で確認ができないことや謝罪を求める場合には有効でないというデメリットはあると思います。

2.電話で意見を伝える

その場で、面と向かって意見が言えない場合は、電話を使用して意見を伝える方法があります。一度、落ち着いてから話したいことをまとめてから話もできますし、この方法であれば、直接、返答を聞くことができます。また、意見箱などの書面上でのものより、電話など直接的に意見を訴えた方が病院側としては問題として取り上げやすい現状があります。

3.口コミサイトに投稿する

意見箱や電話といった手段以外にも病院に自分の気持ちを伝える方法はあります。その1つが口コミサイトです。多くのサイトで病院のサービス面の質が評価されています。

ただし、口コミを投稿するときの注意点として、冷静に客観的に口コミを投稿するということがあります。怒りのままに感情的に書き込むのは他の患者さんのためにもなりませんのでやめましょう。受診して気分を害したその日に投稿するよりも、数日経って落ち着いてからのほうがよいでしょう。

 

まとめ

以上、看護師としての視点から患者さんにとってのいい病院を見つけてもらうための記事を書いていきました。ここで記載した項目が全てではありませんし、絶対というわけでもありません。大事なのは、自分がいい病院だと感じられる病院を探すということだと思います。病院にもいろいろあるように、患者さんもいろいろな方がいますので、その人がいい病院だと感じる病院もひとりひとり違うでしょう。今回紹介した情報が皆さんにとってのいい病院を見つけるためにお役に立てたら幸いです。

 

 

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